ツアー・オブ・チンハイレイク 3日目
ツアー・オブ・チンハイレイク
クラス:HC ステージレース 3日目
開催国:中国
距離:148.5km
天候:晴れ
クシィニングからチンハイレイクへの直線レース。
コースは初っ端から86.7kmの標高3400mまでずっと登り、その後少し下ってから平坦というコース。
最高地点の86.7kmに山岳ポイントが設定されており、51.8kmと100.05km地点に中間スプリントが設定されていた。
レース前のミーティング
少数の逃げには乗らなくていいが、人数が行けば乗った方が良いという指示。
今日から本格的な山岳が始まるため総合に大きく影響が出てくる。
レースレポート
今日もパレードは無しの号砲でレース開始。
今日のアタック合戦は今までと勢いが違う。
開始直後からドンドン前に飛び出していき、逃げというよりも前で新しい集団を形成する。
少し遅れたが他の選手を利用して前に追いつく。
前の人数が多いこともありそこでも新しいアタック合戦が始まっている。
山岳ポイントがあることもあり逃げたい選手が多いのだろう。
飛び出した選手は人数が多かったこともあり、一度集団に吸収される。
そこから再びアタック合戦。
アタックの様子を見ながら集団の様子もうかがう。
右端からランプレのフェンチュンカイが上がっていく。
これはかなり怪しい。
少し遅れて自分も右端から上がる。
思った通りフェンチュンカイがアタックをかけた。
即座に反応して自分も飛び出す。
先頭を引いて後ろに下がる結構な人数が飛び出している。
ポッツォもいる。
ローテーションしているがかなり速い。
後を見る余裕がないが、たぶん先行しているだろう。
数回ローテーションを回してから後ろを見て見る。
集団が見えなくなっている。
バイクが上がって来る。
タイム差1分半。
昨日のこともあるので油断できない。
タイム差が1分まで縮まる。
しかし、昨日と違い今日の逃げはずっと踏んでいる。
逃げの勢いが落ちない。
12人いることも影響しているのだろう。
少ししてタイム差が3分まで一気に広がる。
今度こそ逃げが確定だろう。
基本的に山岳ポイントまではズット登っているうえに距離も長い。
足を使い過ぎないように気を付けながら上手くローテーションに入る。
その後タイム差は2分後半をキープしたまま進む。
本来であればもっと開いても良いはずだが、山岳ポイントのことも考えてそこまで開かせない戦法なのだろう。
中間スプリントが近づき逃げ集団がざわつく。
ラスト1kmの看板が出て集団に少し牽制が入る。
ポッツォが「ゲンキ行け!」と言ったので加速して前に出る。
ポッツォが後ろに付いている。
他の選手が前に上がって来たくないぐらいのペースで先頭を引く。
緩い左コーナーで左端ギリギリまで寄る。
これで左側からは前に出れない。
右側にだけ注意してれば良いのでポッツォももがきやすいはずだ。
中間スプリントのゴールラインが見える。
徐々にペースを上げ行く。
ラスト200m辺りでポッツォが発射。
そのままラインを1位通過。
中間スプリントで逃げ集団が分断されたが再び集まってローテーション開始。
タイム差2分半。
徐々に詰まってきている。
山岳ポイントまで残り30kmという事を考えると少し不安がある。
タイム差をユックリと詰められながら逃げ続ける。
山岳ポイントが近づいてきている。
最後尾に付くだけで休む選手もいるが、基本的には全員がローテーションに加わっている。
逃げてるという事は当然山岳ポイントを狙いたいはず。
全員の顔色をこっそり見て見る。
露骨にきつそうな顔をしている選手やポーカーフェイスを保っている選手もおり様子は様々。
しかし感じる雰囲気としてはあまり余裕が無さそうに感じる。
そう思っている自分も実際結構きつい。
特に踏んでいるわけではない。
しかし息が上がりやすく回復も遅い。
標高が上がって来ている影響だろう。
他の選手も同じ感じなのだろう。
前もってポッツォにこっそり、あまり調子が良くない。と伝えておく。
仕掛け合いになった時にあまり動けないかもしれないというのを分かっておいてもらうためだ。
山岳ポイントまで残り15kmほどで、集団とのタイム差1分半。
しかし直後に1分にまで縮んでくる。
山岳ポイントまで逃げ切れるか微妙だ。
山岳ポイントまで9kmを切る。
後ろとのタイム差は分からないが、逃げ集団内でアタックの仕掛け合いが始まる
登りの勾配は5%も無い。
アタックの勢いも全然無い。
しかしキツイ。
アタックには反応できるが継続的に踏むのがかなりキツイ。
標高3000mを超えてきている影響だろう。
すぐに7名程に人数が絞られる。
自分が気にしていたフェンチュンカイも遅れる。
途中でかなりキツそうな顔をしていたので、演技かもしれないと警戒していたが本当にキツかったようだ。
ポッツォを含めた3人が先行する。
そこに追いつこうとする選手の後ろに付く。
付いてるだけでかなりキツイ。
歯を食いしばって前の選手の後輪のクイックだけを見て粘る。
前3人に追いつく。
キツイがそのままの勢いでアタック。
ギリギリ保てるペースで飛び出す。
しばらく踏み続けたが追いつかれる。
カウンターでポッツォが行く。
行きざまに「ゲンキストップ」と告げられる。
後ろを抑えておけという事だろう。
それに反応して飛び出したのが3人。
後ろに残ったのも自分を含めて3人。
結構差が開いてから単独で追いつけないか試してみたが無理。
山頂まで2kmで結構な人数に集団に抜かれる。
抜かれる際に後ろに付いてしばらく粘ったが、限界過ぎて千切れる。
後ろを見ると再び集団が迫ってきている。
これに付いていけないとかなり遅れてしまうだろう。
ラスト1kmを切る。
まだ後ろとは少し差がある。
ラスト500mで追いつかれる。
必死で集団に付いて行き、山頂を越える。
下りに入り集団が前に追いつく為に全力でローテーションする。
確かに前に集団が見えている。
30秒差ぐらいだろうか?
しかし、前の集団の人数の方が多いのだろう、差が詰まらない。
そうこうしているうちに後ろからかなりの人数に追いつかれる。
40人ぐらいの集団になる。
石橋とマラグッティもいる。
自分は足が完全に限界。
これだけ人数がいれば自分が前に出る意味は無いだろう、集団最後尾に付く。
そこでとにかく足を休める。
集団前方では協力して前を追いかける、のではなくアタック合戦が始まっている。
集団のペースがかなり乱れているが最後尾で粘る。
右からの横風で集団が左に寄せられるが路肩ギリギリで粘る。
集団が2つに分かれては合流を繰り返す。
いつの間にか集団が3分の2ほどになっている。
前に20人ほど先行している。
マラグッティが乗っている様子。
出来れば少数で追いつきたい。
今まで回復させていた足を使ってアタック!
何人か付いて来てくれれば協力して追いつけるはずだ。
後ろを見ると単独。
最悪の展開。
自分1人では到底追いつけない。
しかし諦めずに踏む。
少しは差が詰まったがそれ以上は縮まらない。
後ろを見るとランプレを先頭にして集団が来ていたので諦めて集団に戻る。
そこからも前に追いつく為のアタックが頻発し吸収や前への合流が繰り返される。
そのたびに集団のペースが上がり少しずつ人数が減っていく。
最終的に20人ほどになり、そこから自分と石橋を含む10人が飛び出す。
ここからが地獄。
飛び出したはいいがもう完全に足が限界。
後ろに付いて行くだけでイッパイイッパイ。
しかしハイペースのローテーションに加われと文句を言われる。
前を引いて後ろに付くたびに千切れそうになる。
出来る限り存在感を消し最後尾でローテーションに加わらずコッソリ休む。
当然、いかにもキツそうで「もう限界です、踏めません。」という表情を作るのも忘れない。
しかし、見つかり文句を言われるのでローテーションに加わるのを繰り返す。
飛び出したのがラスト20km。
メーターを見て残りの距離をカウントダウンする。
ラスト10km、だいたい15分でゴールに付く。
何度も心が折れて千切れようと思うが、すんでのところで踏みとどまり後ろに付く。
ラスト5km。
もうペース落としても良いだろうと思うがペースが落ちない。
ラスト3km少しではあるがペースが落ちた。
それと同時くらいにバイクエイドの選手がアタックしていったが全員無視。
そのままの少し落ちたペースでゴール。
トップから3分58秒遅れの51位。
感想
逃げに乗るところまでは良かった。
中間スプリントでポッツォのアシストが出来たのも良かった。
山岳ポイント前のアタックの掛け合いでは今出せる全力で頑張ったが散った。
標高とか勾配とか関係なく足と心配が限界だったという感じだった。
逃げの最中にもう少し足を溜めるような走りが出来ていればもう少し違ったのかもしれない。
その分ではポッツォは途中で上手く立ち回っていたと思う。
見習っていきたい。
千切れてから後はとにかく苦しかったというイメージ。
普通に考えて足が限界で前から千切れているのだから苦しくて当然だと思う。
しかし、ラスト20kmを切ってからの限界中の限界の中で、千切れずに鼻水を垂れ流しながらでも粘りきれたのは根性が付いたと思った。
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