コスタ・デリ・エトルスキー 2016
コスタ・デリ・エトルスキー
クラス:1.1 ワンデーレース
開催国:イタリア
距離:190.6km
天候:晴れ時々小雨
ドノラッティコ周辺の周回を組み合わせたコース。
まず大きな周回を1回、その次に中くらいの距離の周回を3周、そして1番小さい周回を2周した後にその周回に登りを加えた周回を2周するコース。
レース前のミーティング
指示は逃げに乗るようにという指示。
それが出来なければ今回のチームリーダーであるグレガの側で集まって走るようにという指示。
レースレポート
スタートラインに並んだ位置は集団中盤くらい。
そこから車の先導でスタートし、レースの開始地点に向かう。
車の先導の最中に集団の横から前に上がって行く。
上手く上がって行くことができ、スタート地点には集団の先頭で到着することが出来た。
少し待ってからレース開始。
開始と同時にアタック合戦開始。
自分の予想ではこのレースがシーズン初戦という選手も多いはずなので意外とすぐに逃げが決まるのではないかと考えていた。
レース開始から飛び出しに反応。
4人ほどが飛び出す。
集団も追って来おり決まりそうにない。
4人の飛び出しから自分がもう1度飛び出しをかける。
先導車が比較的近い位置を走っていたので、その車が作る風の流れを利用して踏んでいく。
少し踏んでから後ろを振り返ると1人になっていた。
わざわざ集団に帰るのももったいない気がしたのでそのまま1人で先行する。
車が近いままだったこともありそこまで苦労せずにペースを維持することが出来た。
上手く行けば集団から飛び出して来る数人と合流して逃げを作れるかもしれない。
思っていた通りに数人が飛び出して来て合流できたが、集団も追って来ており吸収される。
集団の先頭の近くに合流して再びアタックに反応するタイミングをうかがう。
そこから何回か反応しては集団に吸収されてというのを繰り返す。
去年であれば1度反応して吸収されれば集団中盤まで下がってしまっていたので力が付いていることは実感する。
しかし10回以上反応しても逃げが決まらない。
さすがに疲れてくる。
上手く行きそうな飛び出しがあったので再び反応。
5人ほどで飛び出す。
しばらくローテーションを回して逃げようとするが集団に吸収される。
足の疲労感がかなりキツかったので1度集団中盤まで下がって休む。
自分が休んでいる間にチームメイトのアントニオを含む数名の飛び出しが先行。
そこに1人、また1人と集団から飛び出した選手が合流していく。
15人以上の小集団がメイン集団から先行する形になる。
飛び出した選手が多すぎる為、この飛び出しは確実に決まらない。
問題はどこのチームが飛び出した集団に追いつく為に集団のペースを上げるのか?というところ。
飛び出した集団に選手を送り込んでいるチームはメイン集団のペースを上げることは無いのでペースを上げなければいけないチームはだいたい決まって来る。
最終的に今回のレースに出場している唯一のワールドツアーチームであるランプレが3人ほどの選手でローテーションして飛び出した選手を追いかける。
強いチームの選手は逃げることが難しいため、こういう場面になった際に飛び出した選手を追うのは強いチーム。
強いチームとはいえ、何度も追いかけるのはさすがにしんどい。
なので逃げに乗ることが難しい強いチームとしては少数の選手を逃がしてメイン集団をコントロールした方が楽である。
そういうこともあり、強いチームが集団の先頭に出て来たタイミングで逃げが決まることは結構多い。
そろそろ決まる可能性が高いと判断し集団の先頭に上がって行く。
集団内で休んでいたこともありある程度は回復していた。
飛び出していた選手にメイン集団が追いつき集団が横に広がりだす。
そこから2人の選手が飛び出す。
それに少し遅れて自分が反応して追いかける。
後ろを振り返ると誰も追って来ていない。
前の2人がかなり速い。
出し惜しみせずに全力で踏んで追いかける。
ここで手を抜くと離れてしまい追いつくことが出来ない。
全力で踏んだおかげで追いつくことが出来た。
そこからは3人でローテーションをする。
集団は3人の飛び出しを容認したようですぐに見えなくなる。
逃げが決まったのが26km地点。
3人という少人数の逃げという事もあり1人1人が少し長めに引いて交代する。
指示通りに足を温存する為に先頭を走る時間を他の2人よりも短めにする。
追い風が吹いていたこともありペースを上げて集団からのアドバンテージを稼ぐ。
そのおかげで逃げ出してから28km地点、スタートから54km地点で集団から8分先行する。
残りの距離が約130kmで3人の逃げという事を考慮すれば、珍しいタイム差ではない。
そこから12km進んで66km地点で10分差に広がる。
大きな周回は終わり中くらいの周回に入っていた。
風がかなり強く、時々風に煽られてふら付く。
横風の際には前の選手を風除けにする為に風下に入るが、風が強すぎるので効果が薄い。
逃げが決まってから出力を確認して踏み過ぎないように気を付けていたが、出力が比較的低くてもしんどいと感じるようになって来る。
結構疲労が溜まってきている。
106kmのゴール地点を通過した際に会場のアナウンスで集団とタイム差9分半と聞こえる。
いい感じで先行できているが疲労してきている。
先頭を引く時間を更に短くするが、それでもしんどい。
ペースが少し上がった際などに踏み込むと、ふくらはぎに痙攣する前兆の痛みが走るようになり出す。
ここで千切れる訳にはいかないと思い、125km地点でガラナ投入。
しかし相当疲労が溜まっているらしく効果が薄い。
中くらいの周回2周が終わり1番小さい周回に入る。
ガラナを投入してから10km、小さい周回の短めの坂で堪えきれずに千切れる。
そこから1人で14km走り、小さい周回の2周目が終わる手前でメイン集団に追いつかる。
その後メイン集団からも千切れてレース終了。
レースはチームメイトのグレガが集団スプリントを制して優勝した。
感想
今までずっと目標としていた本場ヨーロッパのレースで逃げに乗るという目標をとうとう達成することが出来た。
しかし今回は逃げに最後まで残ることが出来ず途中で千切れてしまったのでそこがこれからの課題になる。
これからは逃げに乗った上で最後まで絶対に千切れずチャンスがあれば逃げ切りを狙っていきたい。
また、逃げからは途中で千切れてしまいチームには申し訳なかった。
しかし、去年のこのレースでNIPPOは逃げ集団に誰も送り込むことが出来ずに集団を引くことになり、ラスト2周手前で半分以上の選手がかなり消耗してしまっていた。
そのことを思えば今年は自分が集団に追いつかれたラスト2周手前では自分以外の全員が集団に残っており、先頭を引いていた様子も無かったので千切れてしまったとはいえ、他の選手を温存するという面では逃げに乗った事に意味があったと感じることができた。
千切れてしまった原因には逃げが決まるまでにアタックをし過ぎていたこともあると思う。
「ここぞ!」というタイミング1発で決めることが出来ればアルゼンチンの様にチャンスをつかめていた可能性もあると思うので、見極める力を付ける必要もあると思う。
アタックをかけた後に集団の先頭付近に合流できるという面でも、逃げに乗れたという面でも自分の成長を感じることが出来た良いレースだったと思う。
この経験を次に繋げることが出来るようにこれからも頑張っていきたい。
キツさレベル
9
耐えきれずに千切れてしまったことからも分かるように相当キツかった。
足に痙攣する前の痛みが走ったのも久しぶりだった気がする。
レース後に確認した平均出力も相当高かったので間違いないと思う。
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