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自転車の輪行講座!

CATEGORY機材
今回は輪行に関してです。
ロードバイクの輪行の注意点から便利な道具、ディスクブレーキに関する輪行も紹介していきます。





輪行の必要性


皆さんはロードバイクを輪行したことはありますか?
自転車を袋に詰めて持ち歩くアレです。
国内のレースやイベントを走っている方は少ないと思います。
ですが、ツール・ド・沖縄を始めとした遠距離のレースイベントにおいては必須となるのが輪行です。
自転車は輪行することで電車やバス、飛行機に乗せて移動することが出来るようになり、行動範囲が一気に広がります。
キナンサイクリングチームでも海外遠征する際には輪行は必須中の必須です。
(アジアでは時々輪行せずに自転車を飛行機に乗せている狂ったチームを見かけることもありますが……)
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そんな輪行ですが初めての方は「一体何をどうすればいいの?」という部分も多いかもしれません。
そこで今回は自転車の輪行に関する基礎から発展までを紹介していきたいと思います。

輪行の基礎


用意するものは
輪行バック
エンドガード
ホイールバッグ
工具
以上です。
意外と少なくて済みますね。
輪行バックのグレードにもよりますが電車での移動程度であれば、これくらいの装備で十分だったりします。
輪行バックに関しては様々な物が各メーカーから販売されています。
自分が個人的に持っている物はSCICONオーストリッチOS-500の2つになります。

SCICONの輪行バックに関しては圧倒的な防御力と保持力を誇りますし、エンドガードとホイルバックを用意する必要が無くなります。
しかしその分、金額がかさむ事とバイクを入れるにしても保管するにして、も結構な場所をとりますし、重いです。
移動に関してはキャスターが付いているおかげで引っ張って移動できるので便利です。
基本的な用途としては輪行バックが悪質な扱いを受ける可能性のある、海外へ行く際のバイク保護という面が強いのではないかと思います。
正直「この輪行バックにバイクを入れて破損したのなら何をしても無駄」感があります。
それほどに保護力は高いです。
この輪行バックに関しては前後のホイールを外して、バック内のフレームにバイクを固定することで輪行が完成します。
非常に簡単でハンドルを曲げたりする必要も無いので、ポジションが変化することを心配する必要もありません。
安全対策としてリアディレイラーを外す方が良いですが、外さなくてもいいように保護パーツも同梱されています。
ですが一番の問題点はその重量。
バイクとホイールを入れるだけで15kgを確実に超えてきます。
格安航空会社は当然として国内のメジャーな航空会社であっても、預け荷物と合わせるとオーバーチャージを取られる可能性が高いです。
そして、もう一つの問題点が金額面。
これ一つで7万円くらいします。
後で紹介するオーストリッチの輪行バックを軽く4つは購入することが出来ます。
全体的に見て金銭面に余裕のある方にオススメな輪行バックです。
「俺の高級車は何としても守り抜くぜ!」という方には確実にオススメです。
逆に「古いしそろそろ買い替えようかな……」という方にとっては維持費がかかるだけになると思います。

オーストリッチの輪行バックはプロチームでも使用している所は多く、価格の安さも相まってエントリーからプロまで幅広く使えるバックになっています。
内部構造的にはバイクを入れるセンターの左右に、ホイール収納用のポケットと小物用のポケットが備わっています。
バックの外回りには緩衝材が入れられていますが、ホイールの収納スペースとの仕切りには薄い布しかないのでホイールバッグが必要になります。
バイクを固定するようなフレームも存在しないので、フロントフォークとリアエンドにエンドカバーを装着しておく方が安心です。
リアディレイラーとペダルは確実に外す必要があります。
ハンドルに関してはステムの根元から取り外すか、ハンドルを緩めて曲げることでコンパクトにする必要があります。
ハンドルを曲げるだけではエルゴやSTIがぶつかって曲がる可能性があるので、根元から取り外した方が安全ではあります。
重量に関しては輪行バック自体の重さが2kgしかないので非常に軽いです。
キャスターは付いていませんがその軽さのおかげもあり、バイクを入れているだけでは担いでいてもそこまで苦にはなりません。
空港で預ける際にもオーバーチャージの心配がかなり減ります。
また、バイクを輪行から解いた後に輪行バックを3つ折りにして保管することが出来るので、非常にコンパクトにまとまります。

バイクを輪行する際にはホイールのクイックリリースレバーを外す必要があります。
付けたままだと幅を取る上に、出っ張ったレバーがバイクのフレームに接触して破損を招く可能性があるからです。
外したレバーはホイールバッグや輪行バッグのポケットに入れておけば無くすこともありません。
また、バイクを輪行する際には工具で緩めるたり外す箇所が多いので、使った工具をそのまま輪行バッグに入れておくのが吉です。
工具類は基本的に飛行機の機内に持ち込めないため、保安検査場で没収されます。
自分も何度か没収されています。
チームでの遠征ならまだ助かりますが、単独の移動で没収された日には自転車に乗れなくなります。

輪行の応用編


用意するものは
輪行バッグ
エンドガード
ホイールバッグ
緩衝材
リピートタイ
段ボール
パンクしたチューブ
(以下好みにより)
チェーンカバー
フリーカバー
フレームカバー
ここからはオーストリッチの輪行バックを使った場合のみの紹介になります。
SCICONの輪行バックの場合は最初から輪行キットが同梱されているので、それ以上に保護力を高めるのが無理だからです。
始めの段階として輪行する際にはフロントディレイラーはアウターに、リアディレイラーはトップに変速しておきましょう。
これはフロントをアウターに入れることで、アウターのチェーンリングにチェーンを乗せてギアの破損とギアに触れることで怪我する危険性を取り除くのが目的です。
リアディレイラーに関しては少しでもコンパクトにすることで破損を防ぐことが目的です。
基本的な保護力の強化方法としては梱包材に包むというのが効果的です。
一番扱いやすいのは無限プチプチでおなじみのプチプチ緩衝材ではないかと思います。
比較的安価で購入することも出来ますので惜しみなく使うことが出来ます。
各チューブにグルグル巻きにするのも、大きな一枚でフレームを包み込んでしまうのもありです。
ビニールテープやガムテープで固定することが出来るのもオススメなポイントです。
しかしテープで固定してしまうと複数回使用するうちに敗れてエアーが抜けてしまい、緩衝材の役目を果たせなくなってきます。
ですので自分はビニール紐をテープで張り付けて繰り返し使用していました。
「プチプチなんて貧乏くさくて使いたくないぜ!」という方はオーストリッチの輪行アクセサリー「フレームカバー」を使ってください。
サイズも3種類用意されているのでフレームの長さに応じて使い分けられます。
バイクの輪行ではサイドからの衝突や圧迫によって、フォークやリア三角が破損する可能性があります。
自分はその対策としてフォークとエンド部分にオーストリッチのエンド金具を装着しています。
簡易なプラスチック製のエンドガードと違い金属製でしっかりとした作りなので外れることもありません。
曲げたり外したりしたハンドルやリアディレイラーにも注意が必要です。
余分に動くスペースを与えてしまうと外からの衝撃により動いてしまい、フレームを傷つける心配があるからです。
自分は結束バンドでフレームに固定してしまい、余分な動きが発生しないようにしていました。
結束バンドは繰り返し利用できるリピートタイが便利かつ経済的でオススメです。
上で紹介したアウターのチェーンリングに乗せたチェーンも、ズレないようにリピートタイでチェーンリングに固定しておきましょう。
ブレーキレバーに関しても、解放されている状態だとそこに力が加わった際に折れてしまう事があるので、引き絞った状態にしてリピートタイでハンドルに固定してしまうのが吉です。
少しでも輪行バッグ内での凹凸を減らすことで、収納スペースの確保と衝突による破損を防ぐためにペダルも外します。
外したペダルは結束バンドでまとめて緩衝材で包み、フレームと衝突しても大丈夫なようにしておきましょう。
クランクはチェーンでチェーンリングをガードしているとはいえ、むき出しでは少し怖いので段ボールなどで覆ってしまうのが良いと思います。
段ボールの固定に関してはパンクしたチューブで縛っていました。
安全策として輪行バッグの底面に段ボールを敷いてしまうのもアリです。
オーストリッチからは輪行アクセサリーとして「チェーンカバー」というものが販売されていますので、それを使うのもアリです。
ホイールはクイックリリースレバーを外した状態でホイールバックに入れます。
その際に空気を抜いておく必要がありますが、スカスカにしてしまうと外からの衝撃でリムが変形する恐れがあるので少しエアーを残しておくのが良いと思います。
イメージ的には4気圧くらいだと思います。
外したレバーはホイールバッグのポケットに収納しておくと紛失する恐れが無くなり安心です。
レバーを外す際にはバネを無くさないように気を付けましょう。
基本的にホイールバッグに入れるだけで問題ありませんが「バッグ内が汚れるのが嫌」という方向けにオーストリッチの輪行アクセサリーシリーズに「フリーカバー」というのがあります。
ボトルゲージに関しては外す派とそのまま派で意見が分かれますが、自分はそのまま派です。
理由としては「フレームに囲まれたボトルゲージに衝撃が加わることは稀」と考えると共に「ボトルゲージにボトルを刺しておくことで左右からの圧迫に対応できる」という考え方だからです。
ボトルゲージが圧迫で破損したり、ボルトからモゲるんじゃないか、と心配な方は外してしまうと良いと思います。
外したボトルゲージにはボトルを差し込んでおくことで,圧迫によるボトルゲージの破損を防ぐことが出来ます。

輪行の例外


用意する物
パッドスペーサー
フリーカバー
以前にディスクブレーキを紹介した記事にて輪行に関する質問がありましたのでお答えします。
ディスクブレーキはその特性上、ブレーキレバーを握り込んだ状態で輪行するとブレーキパッドが開かなくなります。
油圧ブレーキにおいてはオイルが漏れることによりブレーキを閉める機能自体が作動しなくなるため更に厄介な事態になります。
そこでそれを防ぐためにパッドスペーサーを挟み込みます。
ブレーキローターの代わりにプラスチックの板を挟むことでブレーキが閉まってしまう事を防ぐわけです。
ちなみに一応は段ボールでも代用可能なようです。
万能ですね、段ボール。
また、輪行中にディスクローターやスプロケットで周囲の人に怪我をさせないかとの心配もされていましたが、それもホイールバッグで解決できます。
ホイールバッグを使わず、かつ薄い輪行バッグを使うという方は上で紹介したフリーカバーを使う事で危険を無くすことが出来ます。
不便さとビジネスチャンスは隣り合わせですので、問題を解決するキットはたいていの場合は市販されている訳ですね。

輪行の究極編

よく最後までお付き合いいただきました。
それでは究極(アルティメット)輪行を紹介しましょう。
ドン!
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ドン!
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ドン!
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ドドン!!
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これが究極の輪行だー!
「俺のバイクは絶対守り切る!」という強い意志と時間を持て余す事により生み出される完全オーダーメイドの一品!

用意する物
パイプカバー
両面テープ(塩ビ対応の物)
マジックテープ
やる気
器用さ(上級レベル)

フレームの太さに合わせたパイプカバーを購入!
それをフレームの長さに合わせてカット!
ワイヤーの抜け道や合わせ目に隙間が出来ないように形状を調整!
パイプ同士が互いに固定し合うようにマジックテープの位置を想定!
両面テープでマジックテープとパイプを接着!

完!成!
(実は両面テープとマジックテープが無駄に高かったりする)

ここまですればさすがに輪行で破損することは無いでしょう。輪行ではね。

落車すればフレームがポッキリ折れてしまう事もあります。
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