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我、短足ココニ怒リヲ示ス

CATEGORY筋肉!
昨日に引き続きケイデンスの話になります。
胴長短足低身長が抱える悲しみを是非ご覧ください。





短足を追い詰める無慈悲な質問


Twitterの方に下記のようなご意見が寄せられました。
「逃さず毎回読んでおります。今回のケイデンスのお話に気になることが。サドル高とクランク長が同じで脚の長さが違うと関節の角度が変わりますが動きの量は変わらないはず。脚の長さが違えばサドル高だけでなくクランク長も変わるはず。ケイデンスと脚の長さは関係なくないですか?」
……要するに脚が短くてもハイケイデンスが保てるんじゃね?
速く回したくないから短足を言い訳にしてるんじゃね?
ってことですね。
実際どうなのでしょうか?
という事で今回は短足がハイケイデンスを保つのが辛い理由を更に踏み込んで分析していきたいと思います。

遺憾の意を示す


では、まずは最初の「サドル高とクランク長が同じで脚の長さが違うと関節の角度が変わりますが、動きの量は変わらないはず。」の部分に関して。
一応、サドル高とクランク長が同じ場合で考えますが、実際には無理です。
短足は長足のサドル高では下死点に脚が届きませんし、長足は短足のサドル高ではまともに踏めません。
早くも短足の悲しみが発生していますね。(1)
ですが、仮にそれらを揃えた場合にどうなるのか?について。

当然ながら長足は短足に比べ大腿が長くなります。
その結果、短足と同じ位置から同じ角度まで踏み下ろすと大腿が長い分いくらか下まで踏み込むことが出来ます。
分かりやすく説明すれば90度から180度まで踏み下ろせば大腿の長さだけ深く踏み降ろせるわけですね。
であれば、短足と長足が同じサドル高とクランク長で上死点から下死点まで踏むと、長足が大腿の長さのおかげで踏み降ろさなくていい分だけ、短足が深く踏み込むことで補う必要が出てきます。
結果として上下させる「動きの量」に変化は生まれませんが、上下させる「動きの速さ」に差が出ます。
同じサドル高、クランク長、ケイデンスの場合に短足の方の動きが激しくなることが証明されました。
やはり短足の悲しみが発生しています。(2)

強い遺憾の意を示す

悲しみは続きます。
後半部分の「脚の長さが違えばサドル高だけでなくクランク長も変わるはず。ケイデンスと脚の長さは関係なくないですか?」について。
では身長163cmである自分を例に考えてみましょう。
自分と約10%身長が高く、長さの割合が全く同じ180cmの選手がいるとします。
この選手と全く同じポジションを自分が作り出したとしましょう。
全てのサイズを10%ダウンさせれば理論上は全く同じポジションが出せるはずです。
その状態であれば上死点から下死点まで踏み込んだ際の股関節の角度の変化も同じ。
したがって、高身長の選手と同じ速さで膝を上げ下げすることが出来ます!
なんだ、全部解決じゃん!やっぱり短足だからってハイケイデンスが辛いっていうのは言い訳じゃん!
えぇ、そうです。動きは激しくなりません。
……その代わり、高身長の選手以上にハイパワーで踏み込む必要がありますがね!
考えてみてください。
低身長の選手のバイクは全てのパーツが10%短くなっているのです。
それはクランクにも同じことが言えます。
クランクは短くなればなるほど動きが小さくて済みますがその分、大きな力を必要とします。
高身長の選手が長い踏み込みで出している出力を少ない踏み込みで済ましているのですから当然ですよね。
したがって同じケイデンスの場合にはより力強く踏み込む必要がある訳です。
でも、これって小さな問題だったりします。
プロテイン飲んで筋肉付ければ全て解決ですから。
ここでも筋肉が正義ということが証明されてしまいました。
しかし、この理論には前提条件として大きなミスが2つ存在します。

真に遺憾である


ミスその1、クランク長に関して。
現在、一般販売されているクランク長のメインは175mm~165mm。
180mmの物も存在しますし、165cmを切るものも一応存在しますが現実的ではありません。
仮に高身長の選手が180mmのクランクを使ったとしても、自分のサイズに合わせるためには163mmの物が必要となります。
存在しません。
その結果165mmのクランクを使う事になるわけですが、そうなると脚の長さに対するクランク長の割合が大きくなります。
クランク長の割合が大きくなると、踏み降ろす長さが増えるためより速く踏み降ろす必要が発生し動きが激しくなります。
実際には身長180cmの選手でも180mmのクランクを使うようなことは稀でもう少し短い物を選択します。
ですので低身長の選手の脚の長さに対するクランク長の割合は、更に大きくなるため激しさを増します。

甚だ遺憾である


ミスその2短足。
お気づきの方もおられるかもしれませんが2つ目の証明に入ってからここまで、自分は「低身長、高身長」とのみ記述してきました。
しかし根本的な問題はそこではないのです。
問題は「短足である」ことなのです。
低身長で短足なのです。
比較する相手は高身長で短足……ではないのです!
高身長で長足なのです!
身長が高いだけでなく、脚の割合が大きいのです。
マジで糞食らえですね。
脚長格差は広がる一方です。
言うまでもありませんが、高身長長足に対する低身長短足のクランク長の割合は更に更に大きくなるため動きが激しさを増します。
低身長短足の悲しみの発生に際限がありません。(3)

ここまで証明すれば脚が短いとハイケイデンスが辛いという事が理解してもらえるのではないかと思います。
脚が短い方がより多く股関節を動かす必要があるため、1回のストロークにおける動きが速くなるわけです。
その結果、長足が優雅に素早くペダリングする横で、短足の選手は回し車に入れられたハムスターの如くせわしなく膝を上下させる必要があるのです。

低身長短足の皆さん、諦めずに筋肉で全てをカバーしましょう。
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