コッピバルタリ 2日目
コッピ・バルタリ 1日目
クラス:1クラス ステージレース
開催国:イタリア
日程:3月25日
距離:154.7km
天候:晴れ
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、グレガ・ボーレ、ジャコモ・ベルラート、ダニエーレ・コッリ、窪木一茂、アントニオ・ニーバリ、山本元喜、アレッサンドロ・ビソルティ
リッチオーネの町を周回後、ルビコーネに向かい登りが連続する周回を3周するコース。
68.3kmと75.1kmと101.8kmと123.9kmと146km地点に2級山岳が設定されていた。
コースマップではリッチオーネの町を出発後30kmは平坦区間が続き、その後から本格的な登りが始まるコースのハズだった……
レース前のミーティング
今日は前半の平坦区間も常にクネゴの側に待機していつでも動けるように備えるようにという指示。
68kmにある山岳ポイントがキツイため、山岳が始まる前に集団の前方に居れるようにするようにとも言われる。
レースレポート
最初はリッチオーネの街中を2周する。
本当に街中を走るので車がすれ違うのもギリギリという感じに細い道を走る。
クネゴの側まで上がりたいが密集した集団のせいで前が見えずかなり危険。
どうしようかと困っているとしばらくしてクネゴ自身が下がって来る。
そこからはクネゴの側でしばらく走る。
町を2周して直線コースに入る。
しばらくは平坦区間が続くはず。
クネゴが前に上がりだしたので自分も付いて行くが、コーナーの位置取りで遅れてしまう。
そこから単独で前に上がろうとするがかなりキツイ。
昨日のダメージがかなり残っている。
なんとか前に上がろうとしていると後ろからニーバリがやって来て上がって行く。
一緒に付いて行こうとする遅れてしまい上がれない。
普段であれば無理やりにでも前に上がるのだが今はその余裕が無い。
どうにか前に上がれないかと前を見ていると前方に登りが見える。
距離はまだ30kmに至っていない。
小さな丘があるだけだろうと思っているとかなり長い。
そしてそこからアップダウンが連続し始める。
コースの高低図からは一切読み取れなかったアップダウン。
相当キツイ。
コースの感じとしては去年のアムステルゴールドレースや今年のアルゼンチンでグレガやサガンと一緒に大集団で飛び出した時のようなコース。
横風が若干吹いており集団の先頭ではアタック合戦が続いている。
そのせいで集団が1列に伸びた状態で高速で進み、相当キツイ。
丘を越えては再び丘が現れを繰り返す。
ほぼ集団最後尾で苦しみ続けているとクネゴが再び下がって来る。
クネゴの後ろに入り問題が発生した際に対応できるように備える。
というより、限界過ぎて後ろに居る事しかできない。
しばらくしてベルラートとコッリが下がって来てクネゴを集団の前方に引き上げていく。
自分も付いて行くがペースの速さに耐えきれず遅れてしまい、集団後方に取り残される。
そこで再び修行をするかのように苦しみ続ける。
散々苦しんでゲッソリしてきた辺りで逃げが決まりペースが落ちる。
そこでクネゴと再び合流。
少しして上がって行く動きに付いて行けず遅れる。
単独で上がろうと努力するが集団前方に行くほど過密になる為合流できず。
その後コースが右折したところで細くなる。
そのせいで過密な集団が更に詰まり落車が発生し足止めを食らう。
そこから集団に復帰後、山岳ポイントまで10kmの看板が出たところでアタックがかかり集団のペースが上がる。
数名の選手が遅れ始め、ダメージの蓄積で限界だった自分も千切れる。
50km程の地点。
ここで完全に遅れてしまっては完走することが確実に出来なくなる。
そうなると明日のレースに出走できない。
少しでも遅れるのを押さえようと頑張ろうとするが、限界になって千切れたので無理。
そこから4人になる。
自分は相当限界でクラクラしながら走る。
第2チームカーのマンゾーニから水や食べ物を受け取って頑張る。
今日はゴールできる気がしないレベルでキツイ。
キツ過ぎて若干ではあるが涙も出てくる。
その後自分より先に遅れた選手や自分達の少し前を走っている選手と合流してき人数が少しずつ増える。
そこからはそのメンバーで何としてもゴールまでたどり着く為に全力で努力する。
正直ここでレースを止めてしまいたい。
そう思ってしまう位にキツイ。
両方のふくらはぎと太もも、左の二の腕が時々痙攣している。
しかしこの集団にいる限りはゴールできる可能性が高い。
何としてでも残るしかない。
もし、ここから遅れてしまいその後この集団がゴールにたどり着けば悔やみきれないほどに後悔するはず。
降りてしまいたい気持ちを押さえて頑張り続け、ラスト1周に入る。
そこで前の集団と40秒差と聞く。
何としても前に追いつこうと加速する集団に全力で食らいつき何とか前に合流することに成功。
NIPPOのコッリを含む35人の大集団になる。
そこからは千切れそうになるのを堪えてその集団でゴールした。
感想
本当にしんどかった。
選手をやっているのを後悔するレベルのキツさを味わった。
特に千切れたタイミングが早すぎたために諦めそうになるのを我慢するのがキツかった。
ヨーロッパに来てから体が痙攣するという事がかなり減っていたにもかかわらずこの2日は痙攣しまくっており本当にキツイ。
しかしゴールすることが出来たので明日も走ることができるという事に感謝するしかない。
昨日頑張り過ぎたダメージが思った以上に大きく、もはやどうしようもない。
マイナスイメージなことばかり書いているが、気持ちが落ちこんでいる訳ではない。
実際、今までにないくらい苦しんではいるが、そうして得られる経験や体への負荷というのは絶対に今後に生きてくる。
正直言ってしまうと結果を狙えるレースではない。
それであれば「如何にチームの為に動くか」と「如何に苦しんで自分を鍛えるか」が大事になると思う。
今回の場合、十分すぎるほどに苦しむことは出来ているが、チームの為にはあまり動けていない。
明日以降、頑張るしかない。
ちなみにレース後に確認した実走距離は138kmであった。
他の選手にも確認したので間違いない。
理由としては、始めのリッチオーネの周回がコースプロファイルでは10kmを2周する20kmであったが、実際は5kmを2周の10kmになっていたところにある。
さらに6km足りないが同じようにどこかが短くなっていたのだろう。
もし来年出ることになった時の為にこのコースは138kmだと覚えておこう。
キツさレベル
11
まさに限界突破である。
ヨーロッパに来た頃の自分であれば確実にやめていたと思う。
今まで苦しんできた経験が生きて来ている。
あまり積みたい経験ではないが。
ここまでキツいレースで追い込まれて心がポッキリ折れなかったというのは成長しているなぁと感じる。
もっとも、ここまでキツいレースになってしまったのは昨日に調子に乗って動きすぎたというのが原因の多くを占めているとは思うが!
明日も頑張りたい。
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