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チーム戦術 Part1

今回はステージレースにおける戦術についてです。
ロードレースにおける各チームの動きの理由を紹介します。





ロードレースは団体種目


ロードレースは個人で走っているように見えますが、実際には団体種目です。
なぜ団体種目と言えるのかと言いますと、各チームがそれぞれ作戦を立てて自分のチームのエース一人を勝たせるように他の選手が協力するからです。
また、一人で勝つことはほぼ不可能であり、チームで協力するからこそ勝てるという部分が団体種目であるといえる理由でしょう。
ロードレースの特殊な部分として10以上のチームが同時にチーム戦を行うというところにあります。
他のスポーツでこのように複数のチームの思惑が入り混じりながら展開する物は無いのではないかと思います。
各チームの利害関係によって協力や邪魔のしあいが発生します。
それだけに、各チームの思惑や狙っていることを的確に予想できなければ自分たちの作戦を成功させることが出来ません。

最重要は個人総合


作戦を立てる上で最初に考慮されるのが個人総合リーダーです。
大抵の場合、逃げが決まった際にリーダーの所属するチームがレースをコントロールすることになります。
これは暗黙の了解などと呼ばれていますが、ちゃんとした理由があります。
分かりやすく言うと逃げ切りが決まり、総合順位が逆転されて一番困るのが総合リーダーだからです。
なので逃げ切りを阻止するor逆転されないタイム差でゴールする為に総合リーダーのチームがレースをコントロールします。
他のチームはレースをコントロールするリーダーチームのアシストの体力を少しでも削るために基本的にコントロールに参加しません。
アシストが力尽きて減っていくと最終的にはリーダー自身が自分の脚を使って集団を牽引する必要が出てくるからです。

チーム間での交渉


アシストはリーダーを守るであり、それを剥ぎ取るために各チームが逃げを作って消耗させるわけです。
リーダーチームとしては少しでもアシストの体力を温存する必要があります。
そこで総合上位の他のチームに牽引を手伝って貰えないか打診します。
なぜなら、逃げ切が決まった際に順位が逆転されるのは下位の選手が先だからです。
他のチームの有力選手が逃げに入り、総合上位に食い込んでくると上位争いが混戦になります。
それを阻止するために上位のチームは状況により数名のアシストを牽引に送り込んでタイム差をコントロールします。
時々複数のチームが協力してレースをコントロールしているのにはこういった事情が有ります。

逃げたがるチームの思惑


このコントロールにアシストを送り込みたくない際には逃げにチームメイトを送り込むという方法があります。
「前で逃げているから自分たちは手伝えないよ」ということです。
逃げきれればその選手で勝負できるし、捕まったとしてもリーダーのチームのアシストを消耗させることが出来る、という事になります。
それ以外にも逃げに入りたがる選手には、山岳ポイント上位やスプリントポイント上位の選手が該当します。
山岳ポイントが稼げるKOMやスプリントポイントが稼げる中間スプリントポイントはレースの途中に設定されており、たいていの場合は逃げている選手が獲得します。
スプリントポイントに関してはゴールの配点がかなり大きいため中間スプリントポイントの影響はかなり小さくなります。
しかし、山岳ポイントはレース中がメインのため逃げた回数の多い選手が山岳リーダーになりがちです。
トラブルなどで総合順位から遅れてしまった有力選手は山岳リーダーと逃げ切りによる優勝狙いで逃げに挑戦します。
それに加えて総合で大きく遅れた選手がワンチャン狙って捨て身の逃げに挑みます。
そういったチームと選手の思惑と戦術が絡み合って逃げが形成されます。

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