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ジロ・デ・トレンティーノ

ジロ・デ・トレンティーノ 1&2日目

 

クラス:HCクラス ステージレース

開催国:イタリア

日程:4月19日、20日

距離:12.1、220.3km




天候:晴れ

出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、アントニオ・ニーバリ、ピエールパオロ・デネグリ、イウリ・フィロージ、山本元喜

 

初日

 

初日のチームタイムトライアルは12.1kmのタイムトライアル。

「コーナーで前から離れずに付いて行け!」と言われながらスタート。

鋭角コーナーで1度大きく離れてしまったが、それ以外の部分では少し遅れる程度か付いて行くことが出来た。

ラストの1.5km程は直角コーナーが2回あったので中切れしてはマズイと思い、その前に全力で先頭を引いて離脱。

遅れてゴールした。

 

 

2日目

 

アルコを出発しオーストリアのアナラスにゴールする直線レース。

138.7kmとゴールの220.3km地点に2級山岳ポイントが設定されていた。

前半から徐々に徐々に登って行きラスト4kmが急勾配な登りというレース。

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レース前のミーティング

 

ベルラートには逃げに乗るようにという指示、クネゴとビソルティには最後の登りで勝負するようにという指示、デネグリにはそれをアシストするようにという指示、自分とフィロージとニーバリは3人の側にいて指示に従って動くようにという指示が出た。

特に自分は無線を付けていないのでよく話すようにと言われた。

 

 

レースレポート

 

パレード走行をして一瞬止まって直ぐにレース開始。

アタックに行かなくていいという指示だったので集団の後方でクネゴとデネグリの側で待機。

アタック合戦が続きペースが速い。

集団後方も棒状1列になるので中々キツイ。

キツイと言っても集団先頭でアタックを繰り返すよりは遥かにマシ。

集団の先頭ではNIPPOのジャージがアタックに行く姿が何度か見える。

逃げが決まらないまま軽い登りに入る。

出来ればここに入る前に逃げに決まって欲しかったがしょうがない。

先頭で逃げる為の飛び出しがかかり続ける為集団のペースも速いまま。

中々しんどい。

徐々に後ろに下がる選手も出てくる。

中々しんどそうな顔をしている。

それに比べれば自分はまだ楽だと感じている方だろう。

スタートしてからも感じていたが調子が良い。

回すことを意識しながら登りの頂上を越える。

その後、緩やかな下りで逃げが決まった。

30km辺りの地点

逃げが決まってからしばらくしてNIPPOのチームカーが前に上がって行った。

近くに居たビソルティに「誰が逃げに乗ったのか?」と聞くと「ベルラートが乗った」と教えてくれた。

その後一旦ペースが落ち着いてから逃げを追いかける為にペースが上がる。

しかしその上がったペースがかなり速く、集団がほぼ1列になって進む。

集団の先頭は白いジャージが引いている、恐らくスカイダイブドバイだろう。

フィロージに「どこのチームが先頭を引いているのか?」と確認すると「スカイダイブが引いている」と教えてくれた。

ついでに「このペースは普通なのか?速くないか?」とも聞いてみると「かなり速い」と言っていた。

自分だけが速いと思っていたのではなかったようだ。

1回目の山岳ポイントの登りがどれぐらいキツイのか気になり、デネグリに「今日のレースは去年のトレンティーノと一緒のコースなのか?」と聞くと「去年走っていないから知らない」と言われる。

同じ質問をビソルティにすると「このコースは去年は走っていない、去年は別の道を使った」と教えてくれた。

去年使っていないのであれば山岳ポイントの登りがどんな感じなのか聞くのは無理だ。

その後スカイダイブの謎の追走が80km辺りの地点で終了しアスタナがコントロールを始める。

先ほどまでよりはペースが落ち着いて比較的リラックスしながら走ることが出来る。

今日のレースは山間部を走るレースでかなり景色がいい。

ヨーロッパでは電線が地下に通っているので電線柱が無く、景色が綺麗に見える。

集団内でリラックスして走れるから楽しめる光景だろう。

先頭を引いていたり逃げに入っていては楽しむ余裕などない。

あまり景色を楽しみ過ぎて前と接触してしまってはただの馬鹿なのでレースに集中し直す。

120km地点辺りで自分のボトルが1本空になる。

自分が空になったという事は他の選手も空になっている可能性が高いのでデネグリに「水をチームカーから貰ってこようか?と聞くと「水じゃなくてパワードリンクを頼む」と言われる。

パワードリンクというのはスポーツドリンクのようなものである。

後ろに下がるついでにデネグリの使わなくなった上着を回収する。

集団の最後尾に下がって手を上げてチームカーを呼ぶ。

すぐにチームカーが上がって来る。

チームカーの所まで下がると監督のジュリアーニに「調子はどうだ?」と聞かれる。

「いい感じ」と答えると「たばこでも吸うか?」と冗談を言われ「吸いたい」と冗談を返すと笑っていた。

その後ボトルを受け取り集団に戻る。

各自にパワードリンクか水のどちらがいいか聞いて渡していった。

120km後半を過ぎクネゴが「山岳ポイントの登りは登り始めてから6kmほど続くから気を付けた方が良い」と教えてくれる。

そして登りが始まる。

アスタナが緩めのペースでコントロールしていることもあり千切れる事は無いと思うが、一応保険をかけて集団の前方に上がる。

集団の前方に居ればペースが上がって遅れだしても後ろにいる選手の分だけ遅れる事が出来る。

集団の最後尾では遅れた瞬間に千切れる事になるので前に上がっていればその分余裕を持って登る事が出来る。

今回のチームのメンバーの中で登りで1番最初に遅れるとすれば自分なので、自分が1番警戒して登る必要がある。

もし他のメンバーにトラブルがあったとしても自分が待つのは意味が無い。

なぜなら集団に復帰する際に自分が先に千切れるから。

集団先頭付近まで上がると集団と逃げのタイム差が書かれているボードを確認する事が出来た。

タイム差2分。

このタイム差であれば登りでペースが上がる心配はほとんどない。

ペースを上げ過ぎると逃げに追いついてしまうからだ。

それを確認してから徐々に後方に下がって行く。

山頂を通過するころにはデネグリとクネゴの側まで下がった。

山頂通過後もほぼ平坦状態の道をある程度の速度で進んでいく。

逃げとのタイム差を調整しているのだろう。

ニーバリが「景色がかなり綺麗だぞ!見てるか!?」と聞いて来たので「一緒にセルフィー撮るか?携帯持ってるか?」と聞き返すと「持ってない」と言って笑っていた。

その後160km地点辺りでデネグリから「しっかり捕食は食べてるか?今日はあと60kmもあるからな!」と言われる。

その後もフィロージやニーバリからも「捕食を食えよ!」と言われる。

恐らく無線で「捕食を食え!」という指示が出ているのだろう。

170km地点辺りでビソルティに「残り何km辺りから集団の前に上がるのか?」と聞くと「決まってない。様子を見ながら。」と言われる。

180km辺りから集団のペースが徐々に上がり始め緊張感も増していく。

190km地点、残り30km辺りからデネグリを先頭にして集団の前方に上がって行く。

かなり位置取りが難しくいつものように離れては合流しを繰り返す。

その内にかなり先頭付近まで上がって行ってしまったため合流できなくなる。

なんとか前に上がれないかと集団左側で隙を伺っていたが結局前には上がれず。

ラスト5km辺りでクネゴが若干見える位置まで上がることが出来たが合流できず。

ラスト3.5kmで左に鋭角に曲がり登りが始まる。

たとえ全力で登ろうとも千切れて疲れるだけという事は確定的なので、明日以降のレースに備える為に無理の無いペースで登ってゴールした。

集団は登りでバラけクネゴが3位に入った。

 

 

感想

 

前半から集団内で休んで走ることが出来たので比較的楽に走ることが出来た。

ペースアップも最後の登りだけだったのでダメージは比較的少ない。

しかしこれ程長いレースを走ったのは久しぶりだった気がするのでしっかり休んで明日に備えたい。

ちなみに明日も200kmでしかもかなりの山岳コースである。

登り前の位置取りはスプリント前の位置取りと同じくかなり危険でクレイジーだが、そこで頑張れなければアシスト出来ているとは言えないので気合と根性で頑張れるようにしたい。

良い位置取りが出来ていればその分有利に展開することが出来るのでとても重要な仕事であると思う。

明日以降も続くハードなレースを頑張りたい。

 

 

キツさレベル

瞬間的なキツさてきにも長期的なキツさてきにもそこまでしんどかったという印象は無い。

コースが平坦基調で、かつ逃げとのタイム差がそこまで開いていなかったことが大きな原因だと思う。

しかし距離が長かった分疲労が溜まっている事は確実だと思うのでしっかり休んで明日以降に備えなければいけないと思う。

今は調子が良いと感じているのでこの感じを維持して更に上げていけるように頑張っていきたい。

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