エスキボーン・フランクフルト
エスキボーン・フランクフルト
クラス:HCクラス ワンデーレース
開催国:ドイツ
日程:5月1日
距離:206.8km
天候:晴れ
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、ジャンフランコ・ジリオーリ、アントニオ・ニーバリ、ピエールパオロ・デネグリ、イウリ・フィロージ、山本元喜
エスキボーンを出発後、複数の周回を経てフランクフルトにゴールするレース。
58.2kmと64.8kmと77.3kmと85.2kmと113.7kmと128.7kmと156.6kmと171.4km地点に山岳ポイントが25.2kmと36.8kmと43.4kmと107.2kmと108.5kmと150.1kmと151.4kmと184.6km地点にスプリントポイントが設定されていた。
スタート後に一度大きく登って下ってから小さめの山岳ポイントが連続する丘のレース。
レース前のミーティング
自分とベルラートとニーバリはアタックに反応して逃げに乗れるように、クネゴ、ジリオーリ、フィロージ、デネグリは固まって後半に備えて一緒に居るようにという指示。
レースレポート
パレードは無く号砲と共にレース開始。
スタート上手く前に並べず集団の中盤より後方でスタート。
スタートからペースが一気に上がり集団が縦に伸びる。
その状態でコーナーの連続。
街中を抜ける道を走っているので道が細い上に道の両端に時々車が止まっているので中々危険。
直線で踏んで前に上がり、コーナーの立ち上がりでダッシュしてと踏みっぱなしの状態が続く。
相当キツイ上に中々前に上がれない。
延々と苦しみ続けた結果街中を抜けてからやっと先頭に出ることが出来た。
そこからアタックに反応していく。
集団が追いかけそうな飛び出しは無視して反応しない。
集団が緩んだタイミングや2、3人が飛び出したのに反応していく。
横風が強く飛び出した選手のペースが上がらないこともあり簡単には決まらない。
ベルラートやニーバリの動きを見ながら動いてアタックが被りそうになった際にはやめる。
先頭付近で動き出す前にかなり足を使っていたので連続しては動けない。
逃げが決まらないままレースが進み、無線から「10kmぐらいしてから登りが始まるから前に上がるよう」にという指示が出る。
そのまま逃げが決まらないまま登りが始まる。
前に上がって来たクネゴの横で逃げに乗れるタイミングが無いか見ていると、クネゴに「俺が行くからこれを持っていてくれ」と言われてジャケットを渡される。
後でチームカーまで下がった際に渡せるようにそれを背中に入れておく。
その後、登りで2名が飛び出しそれを追いかける形でニーバリが集団から飛び出す。
その飛び出しが逃げになった。
50km手前で逃げは決まったがその後もしばらくは若干ペースが速いままレースが進んだ。
その後ペースが落ち着いてから下りに入る。
下りの途中でボトルが1本空になる。
クネゴに「水を取って来ようか?」と聞くと「頼む」という事で取りに行く。
無線で「水を取りに行く」と伝えてから集団後方に下がってチームカーを呼ぶ。
他のチームも水を取りに下がって来ていたせいでチームカーの車列が渋滞を起こしておりチームカーが上がって来るまでに結構時間がかかる。
その間集団最後尾で待っていたのだが集団が伸び縮みするせいでインターバルがかかりかなり大変。
やっとチームカーが上がって来て逃げているニーバリ以外の分のボトルを5本背中に入れて前に上がる。
前に上がっている最中に登りが始まる。
背中にいれている合計2.5kg以上のボトルと水がかなりの重りになる。
思わず背中のボトルを捨てたくなるぐらいキツイ。
あまり長くなくすぐに頂上まで500mの看板が出る。
しかしそこから勾配がかなり急になり激坂。
ここでボトルを捨てると時間をかけて受け取ったのが無駄になる!と捨てたくなる気持ちを我慢して全力でもがいて山頂通過。
そこから下りと平坦に入り他のメンバーにボトルを渡す。
それからはしばらくクネゴの側で待機する。
ちょくちょく登りが入る。
そのたびに苦しむ。
前半に動いたせいか足がかなり重い。
自分の思ったように踏めないせいでかなりストレスになる。
どうにかならないかと回転数を上げて見たりしてみるがへばり付くように重いまま。
仕方がない、今日は耐えるしかない。
もっとも、いつも耐えているだけではあるのだが。
メーターを確認すると90kmを越えていた。
その後100km地点辺り軽くアップダウンがありペースが上がるが耐える。
ヨーロッパに来た当初は100km辺りでほぼ確実に千切れていたのでまだ集団にいるというのは成長でもあるのだろう。
レースが始まる前から吹いていた強風は相変わらず強いままで横風の際には集団が風下に追いやられる。
集団後方にいるとコーナーや横風で千切れた選手の巻き添えを食らって遅れてしまうので出来る限りクネゴ達の側の集団中盤に居るようにする。
110kmから登りが始まる。
比較的緩い登りですぐに山岳ポイントまで500mの看板がでる。
看板が出たあたりから勾配が少し急になる。
そして山岳ポイントまで100mの看板を過ぎるとともに右に曲がり激坂。
あと100mで登りが終わる!と思いながら踏んで粘る。
山岳ポイントのゲートをくぐるが緩やかに登りが続く。
山岳ポイントで登りが終わると思って全力で踏んでいたせいでかなりキツイ。
集団最後尾で千切れてくる選手をかわしながら下りに入るまで粘ることが出来た。
そのまま120kmを過ぎる。
ここに来てやっと足のへばり付くような重さが無くなって来る。
120km走っていることもあり疲労はしているがストレスを感じるような足の反応鈍さは無くなっている。
そこから再び先ほどの登りへ。
足は相当限界だが少しでも粘りたい。
ジロ・デ・イタリア直前のレースという事もあり少しでも我慢して追い込む必要がある。
この登りも粘って集団内に残る事に成功。
しかし先ほどの山頂を過ぎてから別の道に入り更に緩やかに登る。
集団最後尾に追いやられひたすら粘る。
最後尾の状態で下りに入る。
集団が縦に伸びて半端無いペースで下る。
集団後方がブチブチ千切れているのが見えるが自分の今の状態では前に追いつくのは無理。
他の選手が千切れた差を埋めるのを願うだけの他力本願状態。
運よくコーナーで緩んだ集団に追いつく。
そこから一瞬登って再び下り。
再び前で中切れが発生する。
今回は前に追いつくことが出来ずに遅れてしまった。
150km地点で終了。
感想
ジロ直前のレースという事で少しでも粘れるように頑張って走ったが150km地点で終わってしまって悲しかった。
あと50km粘れればゴールできたので余計に悔しかった。
集団最後尾にいると伸び縮みの影響でしんどくなることは分かっているのだが前に上がるタイミングを見つけられずにそのまま最後尾という事が多い。
無理してでも上がった方が後々楽になると考えて頑張るべきだと感じる。
ジロまであと数日と迫っているので集中してベストなコンディションで挑まなければ生き残れない。
キツさレベル
10
千切れたいと思うタイミングは多々あったが、追い込むためと考えてとにかく頑張り続けた。
千切れそうになるたびに追い込み続けたので相当キツかったが、その分耐える練習になったと思う。
ジロではさらに耐えなければいけないと思うのでモチベーションと根性で頑張るしかない。。
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