ジロ・デ・イタリア 2日目
ジロ・デ・イタリア 2日目
クラス:WT ステージレース
開催国:オランダ
日程:5月7日
距離:190.0km
天候:晴れ
起床時体重:61.0
起床時心拍:43
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、イウリ・フィロージ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ
コースプロフィールは省略。
レース前のミーティング
監督のジュリアーニに今日はどうしたら良いか確認しに行く。
「今日はアタックに行かなくていい。ジロはまだまだ長いし今日はみんな元気だから激しくなる可能性もある。最終日まで完走しなければいけないからここで力を使っては完走できない。もし、『アタックに行く』という事になれば無線で指示するからその時だけ動けばいい。今日は基本的にみんなの側で待機していればいい。」
という話だった。
レースレポート
6km弱のパレードを挟んでレース開始。
開始直後に本当に一瞬ペースが上がったがすぐに落ちる。
集団先頭を見ると横に広がっているのでアタックが決まったのかもしれないが逃げている選手の姿が見えない。
凄い勢いで逃げを決めたのだろうか?
しばらくしてジリオーリの近くに行って「逃げが決まったのか?」と聞いてみる。
「ベルラートが乗っている」と教えてくれた。
その後無線でベルラート、LOTTOJUMBO、ディメンションデータの3人が逃げているという情報が入る。
逃げとのタイム差はすぐに5分開きその後6分半近くまで開いた。
集団のペースはかなりゆったりとしており今は楽で良い感じ。
しかし後が怖くもある。
タイム差を大きく開ければ開けるほどその後のペースアップが半端無いことになる。
今日は横風区間があるという情報もあるので小さくて軽いジャポネーゼ的には要注意である。
しかし逃げが3人という事で比較的簡単にタイム差を詰めることが出来る可能性もある。
その場合はペースアップの度合いがまだマシになるだろう。
近くに居たグロスに今日はどんな感じのレースになると思うか聞いてみる。
「恐らくずっとこんな感じで進むんじゃないか?」と言っていた。
その後タイム差が徐々に開いて行き最大8分半ほどまで開いた。
自分は基本的に集団の後方で他のメンバーと固まって走っていた。
コースの沿道にはかなりの人数の観客の人たちがビッシリと並んで観戦している。
1回しか通らないにも関わらずよくこれだけの人数の観客が集まるものだと感じる。
ロータリーにもビッシリと観客の人たちが立っているせいでロータリーの出口の方向が分からず若干怖い。
無線からも時々指示が入る。
主に「あと何kmで道が細くなる」とか「何km先のコーナーで横風になる」とかである。
基本的には集団後半で固まっており、あまり前に上がることは無い。
コースに関しては、かなり頻繁に中央分離帯が現れて危険。
更にコーナー直後に道が急に狭くなったり、何でもない直線区間でイキナリ狭くなったりしてかなり危険。
とにかく危険。
急ブレーキもかなりの頻度で発生する。
しかし急ブレーキはあっても落車が起きないところがさすがワールドツアークラスのレースという感じ。
無線から「あと少しで横風が始まるぞ!気を付けろ!前に上がれ!」
と横風区間への距離のカウントダウンと共に何度も聞こえてくる。
全員で固まって徐々に前に上がって行く。
そしてとうとう横風区間に入る。
が、そこまで横風が強くない。
オランダの横風という事で相当警戒していたが今日は風が弱いようでペースも上がらず。
しばらくしてクネゴに「今日は風が強くないよね?」と聞く。
「今日は風に関しては大きな問題がある日では無いな」と答えてくれた。
今日はチームのメンバーが代わる代わるチームカーにボトルを取りに行っている。
自分はタイミングを逃し取りに行けていない。
「仕事しないとなぁ」と思いクネゴに「水を取りに行こうか?」と聞く。
「あと5kmで補給所だから今は行かなくていい」と言われ、補給所で受け取りやすいように集団最後尾に一旦下がる。
その後補給所でサコッシュ(補給食やボトルの入った袋)を受け取る。
そこからは結構バラバラに走っているチームのメンバーの誰かの近くで走る。
主にクネゴかボーレ。
130km地点辺りから集団のペースが少し上がり本格的に逃げの吸収に向かう。
逃げ捕まらないまま150km辺りにある山岳ポイントを通過したためそこまでペースが上がらずに登りを通過。
無線から、グロスとスタキオッティがスプリントするようにという指示が出る。
自分にはアシストしろという指示は無かったため今日は集団でゴールすることに集中する。
最後の街中を周回するコースに入ってすぐのところでとうとう落車が発生。
道が急に細くなったところで集団が詰まりこけた様子。
自分の前方左側で結構な人数が巻き込まれている。
自分の前の選手が急ブレーキで後輪を滑らせておかしな動きをしている。
タイヤは滑らせるよりも滑る直前の状態の方がグリップするため速く止まれる。
詳しくは動摩擦力と静止摩擦力で調べてもらうと分かると思う。
ロックしないギリギリでブレーキを調整する。
「もしかしたら突っ込んでこけるかも」と思ったところでギリギリ止まれて落車回避。
とりあえず後ろから突っ込まれない為にも右側から抜けて再スタート。
NIPPOの誰かが巻き込まれていたがクネゴは自分の側にいたので大丈夫。
無線から指示があれば止まって待とうと思いながら、遅れた分を取り返すために集団に追いつく為にもがく。
結局無線からは「待て」という指示は無かった。
そこからは周回コースに入る。
周回コースに入った時点で逃げとのタイム差40秒。
集団が一旦ペースを落とす。
そのまましばらくタイム差40秒の状態が続く。
集団がタイム差を完璧にコントロールしているので今日は集団スプリントだろう。
ラスト1周に入って集団のペースが上がりラスト3kmを切ったところで自分の横を逃げていたベルラートが下がっていった。
この辺りから、「アシストで前を引いた選手」や「集団でゴールする気のない選手」が集団から遅れていく。
自分としては出来れば今日は集団でゴールしたい。
しかしほぼ最後尾にいたため止める選手をかわすのが大変。
しかも気が付けば数人前の選手がやめており集団から離れている。
「追いつかないとマズイ」と思うが前もゴールスプリントに向けて加速しているので大変。
「どうするか!?」と思ったタイミングで自分の側のスカイの選手が前を追いかけ始める。
心の中で「頑張れ!諦めるな!俺のためにも!」と思いながらその後ろに付いて行く。
応援の甲斐あってか、ラスト1kmを切ってから集団に追いつく。
そしてそのままゴール。
ゴールしてから自分の後ろを見ると誰も居なかった。
感想
アタックに行かずとにかく集団に残れという事で集団に残ってゴールできた。
自分の前で落車があったが巻き込まれずに済んでよかった。
横風についてはかなり心配していたがそこまでキツク無かったので正直助かったという感じではある。
文字通り「明日は明日の風が吹く」ので明日も気を付けて走りたい。
本格的にレースが始まったので日々集中して指示を全うできるように頑張りたい。
キツさレベル
6
距離は長かったが全体的にユックリ目のペースで進んだのでしんどく無かった。
それでもコーナーや道が狭くなった後の加速の繰り返しは中々疲れを蓄積していたのでしっかり休んで明日に備えたい。
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