逃げを決める要素について
CATEGORYレース戦略・戦術
今回はレースにおける、逃げを決める要素と、その利用の方法を紹介しています。
ロマンあふれる逃げ切りを目指している方は、ぜひご一読ください!
質問
山本選手が逃げをかます際、有利な地形や、風向き、マークしている選手やチームの「作戦の裏読み」等、教示して頂ければ、今後益々Jプロツアーが楽しめそうです。
回答
プロのレースでの逃げを決る際の条件は、非常に多く、コースレイアウト以上に、集団との駆け引きが重要になります。
しかし、アマチュアレースでは、作戦が関係なく逃げが決まる場合も多いと思います。
また、そういった部分は、プロのレースとも共通する部分が存在します。
まずは逃げを決めやすい地形に関してです。
力づくで決めれる代表地形が登り。
ただ単に、力がある選手が登りでペースをアップして、付いて行けない選手がおいて行かれるという展開です。
しかし、あまり極端に強い選手が先行してしまうと、集団が協力して平坦部分で追って来て、逃げが潰れるという事も起きます。
登りで決めやすいのは、意外と頂上から下りに入るタイミングだったりします。
頂上を全力でもがいて、そのまま少数で下りに入る。
そうすれば、集団がペースを落とした際に、一気に差が広がるので逃げが決まります。
特にコーナーが連続する下りでは、追走をかけたい選手が、前に上がることが困難になるため、さらに効果を発揮します。
ジャパンカップが行われる、古河市林道の下りがこれに相当します。
同様の理由で、登りとは言えないような丘も効果的であったりします。
他に地形で有利なものがあるとすれば、ブラインドコーナーの連続区間です。
この地形では、アタックをかけてすぐに姿が見えなくなるので、集団が追いにくくなります。
また、集団先頭以外の選手は、誰が抜け出しているのか把握できていないことが多く、気付いた頃にはタイム差1分以上なんてことも起りえます。
逆に直線区間や、コーナーの立ち上がり、という場所は集団が止まる可能性が無かったり、警戒が高まっている部分でもあるので逃げはまず決まりません。
集団の警戒が緩む場所や、ここで追いかけたくないと思われるような地形でアタックすることが逃げに繋がりやすく、無駄打ちを防ぐことにも繋がっていきます。
風向きに関しては、追い風は逃げが決まりにくいです。
逃げ狙いの選手が飛び出した後も、追い風で集団のペースが落ちにくいためです。
逃げが決まるためには、集団のペースが落ちる必要があるのです。
逆に向かい風、これも決まりにくいと言えます。
なぜなら、飛び出した選手が加速できず、集団との差が広がりにくいからです。
集団との差が広がっていないと、逃げたい選手が追加でドンドン追ってくるため、逃げが決まりません。
では、逃げが決まりやすい風向きは何のなのか? という事になりますと、答えは横風です。
強い横風が吹いている区間で、道路の風下側ギリギリをアタックしていきます。
そうすると、集団も風下ギリギリに寄りながら追うことになります。
横風をまともに受けると、後ろにいる選手もドンドン脚を消耗していきます。
前の選手の風下に入れない横風でのアタックは、追う側の選手に対するダメージも大きく、追走のローテーションが上手く回らず逃げが決まる、という展開になりやすいです。
作戦の裏読みに関しては、チームの動きが存在するプロのレースでしか、生かすところが無いと思います。
チームの作戦の裏読みは、コース設定によって大きく変わります。
ステージレースでは、総合リーダーのチームがレースをコントロールするため、そのリーダーチームの方針から展開をある程度予想することが出来ます。
例えば、強力なスプリンターのいるチームがリーダーの場合は、平坦ステージでは序盤に少数の逃げを決めてレースを安定させたがる傾向があるので、序盤から狙っていきます。
逆にそういったチームがリーダーの山岳ステージでは、ステージ優勝を狙えないうえに、山岳でスプリンターが遅れる可能性があるため、アシストの脚を温存しておきたいという理由から、コントロールに入らない事が多いです。
そうなるとアタック合戦は長引くので、最初から動くのはかなりリスクがあります。
山岳系の選手がリーダーの場合には、スプリンター選手がリーダーの場合と逆の展開になりやすいです。
また、中間スプリントや山岳ポイントの位置、ポイントリーダー賞や山岳リーダー賞のポイント差によって、展開が変わってきます。
プロのレースは、様々な思惑や要因が複雑に絡み合いながらレースが展開していくので、それを予想しながら見るのも、一つの楽しみ方だと思います。
ちなみに、自分が出版した「僕のジロ・デ・イタリア」でも、そういった部分に触れていますのでぜひ読んでください! amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
山本元喜のYouTubeチャンネルはコチラ!
山本元喜の本はコチラ!
ロマンあふれる逃げ切りを目指している方は、ぜひご一読ください!
今回の質問
質問
山本選手が逃げをかます際、有利な地形や、風向き、マークしている選手やチームの「作戦の裏読み」等、教示して頂ければ、今後益々Jプロツアーが楽しめそうです。
回答
プロのレースでの逃げを決る際の条件は、非常に多く、コースレイアウト以上に、集団との駆け引きが重要になります。
しかし、アマチュアレースでは、作戦が関係なく逃げが決まる場合も多いと思います。
また、そういった部分は、プロのレースとも共通する部分が存在します。
登りが逃げに与える要素
まずは逃げを決めやすい地形に関してです。
力づくで決めれる代表地形が登り。
ただ単に、力がある選手が登りでペースをアップして、付いて行けない選手がおいて行かれるという展開です。
しかし、あまり極端に強い選手が先行してしまうと、集団が協力して平坦部分で追って来て、逃げが潰れるという事も起きます。
登りで決めやすいのは、意外と頂上から下りに入るタイミングだったりします。
頂上を全力でもがいて、そのまま少数で下りに入る。
そうすれば、集団がペースを落とした際に、一気に差が広がるので逃げが決まります。
特にコーナーが連続する下りでは、追走をかけたい選手が、前に上がることが困難になるため、さらに効果を発揮します。
ジャパンカップが行われる、古河市林道の下りがこれに相当します。
同様の理由で、登りとは言えないような丘も効果的であったりします。
登り以外の地形が逃げに与える要素
他に地形で有利なものがあるとすれば、ブラインドコーナーの連続区間です。
この地形では、アタックをかけてすぐに姿が見えなくなるので、集団が追いにくくなります。
また、集団先頭以外の選手は、誰が抜け出しているのか把握できていないことが多く、気付いた頃にはタイム差1分以上なんてことも起りえます。
逆に直線区間や、コーナーの立ち上がり、という場所は集団が止まる可能性が無かったり、警戒が高まっている部分でもあるので逃げはまず決まりません。
集団の警戒が緩む場所や、ここで追いかけたくないと思われるような地形でアタックすることが逃げに繋がりやすく、無駄打ちを防ぐことにも繋がっていきます。
風向きが逃げに与える影響
風向きに関しては、追い風は逃げが決まりにくいです。
逃げ狙いの選手が飛び出した後も、追い風で集団のペースが落ちにくいためです。
逃げが決まるためには、集団のペースが落ちる必要があるのです。
逆に向かい風、これも決まりにくいと言えます。
なぜなら、飛び出した選手が加速できず、集団との差が広がりにくいからです。
集団との差が広がっていないと、逃げたい選手が追加でドンドン追ってくるため、逃げが決まりません。
では、逃げが決まりやすい風向きは何のなのか? という事になりますと、答えは横風です。
強い横風が吹いている区間で、道路の風下側ギリギリをアタックしていきます。
そうすると、集団も風下ギリギリに寄りながら追うことになります。
横風をまともに受けると、後ろにいる選手もドンドン脚を消耗していきます。
前の選手の風下に入れない横風でのアタックは、追う側の選手に対するダメージも大きく、追走のローテーションが上手く回らず逃げが決まる、という展開になりやすいです。
作戦の読み合いによる、逃げの決め方
作戦の裏読みに関しては、チームの動きが存在するプロのレースでしか、生かすところが無いと思います。
チームの作戦の裏読みは、コース設定によって大きく変わります。
ステージレースでは、総合リーダーのチームがレースをコントロールするため、そのリーダーチームの方針から展開をある程度予想することが出来ます。
例えば、強力なスプリンターのいるチームがリーダーの場合は、平坦ステージでは序盤に少数の逃げを決めてレースを安定させたがる傾向があるので、序盤から狙っていきます。
逆にそういったチームがリーダーの山岳ステージでは、ステージ優勝を狙えないうえに、山岳でスプリンターが遅れる可能性があるため、アシストの脚を温存しておきたいという理由から、コントロールに入らない事が多いです。
そうなるとアタック合戦は長引くので、最初から動くのはかなりリスクがあります。
山岳系の選手がリーダーの場合には、スプリンター選手がリーダーの場合と逆の展開になりやすいです。
また、中間スプリントや山岳ポイントの位置、ポイントリーダー賞や山岳リーダー賞のポイント差によって、展開が変わってきます。
プロのレースは、様々な思惑や要因が複雑に絡み合いながらレースが展開していくので、それを予想しながら見るのも、一つの楽しみ方だと思います。
ちなみに、自分が出版した「僕のジロ・デ・イタリア」でも、そういった部分に触れていますのでぜひ読んでください! amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
山本元喜のYouTubeチャンネルはコチラ!
山本元喜の本はコチラ!