ジロ・デ・イタリア 9日目
ジロ・デ・イタリア 9日目
クラス:WT ステージレース
開催国:イタリア
日程:5月15日
距離:40.5km
天候:曇り
起床時体重:61.4
起床時心拍:40
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ
コースプロフィールは省略。
レース前のミーティング
ミーティングではないがホテル出発前に大門さんから「ユックリ走ったらタイムアウトになる可能性があるからしっかり走るように。そういう選手を何人か見たことが有る」と言われる。真面目に走ろうと心に誓う。
レースレポート
雨が降るという予報もあったが自分のスタート時点ではギリギリといった感じで曇っていた。
タイムトライアルスタート。
距離も長いこともあり最初の10分は少し抑えめで踏んでいく。
前半に踏み過ぎると後半に一気に失速する可能性がある。
メーターで心拍数を確認しながら踏んでいく。
心拍数が150から上がらない。
ヤバい。
調子が悪い。
普段であれば160まではすぐに上がるはず。
連日の雨と寒さによる消耗がここに来て出た感じだろうか?
最初の10分間が過ぎ本格的に踏んでいく。
それでも心拍150ぐらいのまま。
本格的に踏み出せば170台後半までは上がって欲しいところ。
っていうか、コースがキツイ。
タイムトライアルの癖に登りが多いし、下りもコーナーが多くてかなり怖い。
初日のタイムトライアルの際にも触れたが、自分はSKをタイムトライアルバイク仕様にして組んでもらっている。
タイムトライアルバイクでこのコースを走るしんどさに比べればまだマシな方だろう。
重い上にコーナーも曲がりにくいタイムトライアルバイクでこんなコースを走りたくない。
しかもタイムトライアルバイクが本来有利になる「速度の乗る直線」がコーナーが多いコース設定により潰されている。
それでも苦しみつつ「不味いなぁ~」と思いながら走っているとバルディアーニの選手に抜かされる!
「マジかよ!まだ開始から20分!単純計算で子の選手から3分遅れることになる!総合順位の逆順で出発していっているから、この選手は弱いはず!この選手から3分も遅れたらトップからどれだけ遅れるか分からない!打ち切りの30%を超えてしまう可能性がある!」
とにかく少しでも前のバルディアーニの選手から遅れないようにしようと考え、スリップストリームに入ってズルをしないようにある程度差を開けて付いて行く。
しばらく付いて行くと遠くに自分の前で出発したガスプロムの姿が見える。
その選手が通過した標識の場所を覚えておいて自分がそこを通過するまでにかかった時間を計算する。
1分差毎にスタートしたが、現時点で50秒差。
前のガスプロムの選手とは差が詰まっている。
前のガスプロムが遅すぎる可能性もあるが、自分が飛び抜けて遅いわけではないという安心感を得る。
バルディアーニに付いて行けば下りも速く走れるし大丈夫だろうと思っていると後ろからジャイアントの選手に抜かされる。
「……まぁワールドツアーのチームだし速くて当然だよね!総合順位が悪いのもアシストしてから遅れてるからだよね!」と自分に焦らないように言い聞かせる。
ジャイアントの選手がバルディアーニの選手を抜いたところで登りが始まる。
登りでペースが落ちたことにより3人の距離が近くなる。
「団子3兄弟かよ」と心の中で謎の突っ込みを入れる。
「俺が最後尾で3男か……」そんなことを思っていると『団子3兄弟の歌』が頭の中で流れ出す。
その後下りに入り3男は置いて行かれる。
その後再び登り。
今日のスタートの時から、さらに言えばイタリアに入ってからだが自分への応援が凄い。
「ヤマモト!」や「ヤマー!」、「ゲンキ!」「ジェンキ!」と様々な呼び方でかなりの人数の人数の観客が応援してくれる。
なぜここまで応援してもらえるのか分からないが、かなり嬉しい。
「小さい日本人大人気だな」と思い応援に答えれるように頑張って走る。
頑張って走り登りで自分より先に出発したガスプロムを追い越すことが出来た。
「これで最後尾は確実に回避」
その後下りに入るが、1人になった事により下りが遅くなる。
前に誰かいればその選手に付いて行くだけでいいので速く下れるが、自分1人になるとライン取りやコーナーへ入る速度が分からず過剰にブレーキしてしまい遅くなる。
その結果ラスト2kmで抜かしたガスプロムに抜き返される。
その後はガスプロムを追いかけてゴールした。
感想
スタート直後から調子が悪くて大変だった。
自分がゴールしてしばらくしてから雨がパラつき出していたが、ホテルに帰って来てテレビでジロの中継を見ると本降りになっていた。
いろんな意味でこの雨で走らなくて良かったと思う。
体調面でも心配だし、路面が濡れていれば下りが更に遅くなるのでタイムアウトを食らう可能性もあった。
状況的には去年の全日本選手権タイムトライアルに近いので後半に出発した総合上位陣は不憫である。
調子が崩れかけはしたが、幸いなことに明日は休息日。
しっかり休んで体を回復させて調子を上げてイタリアでの2周目に挑みたい。
というより、調子を上げた状態でないと生き残れない。
キツさレベル
6
調子が悪かった分踏むことが出来ず、休むことが出来たという微妙な感じになってしまった。
幸い雨にも打たれずに済んだので休んで体調の回復に努めたい。
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