レース展開について ~序章~
CATEGORYレース戦略・戦術
今回は比較的まじめな記事になります。
レースを見慣れている人もこれから見るという人もレースの大まかな流れを理解するのに役立ててください。
レースにはいろいろな種類が存在します。
ヒルクライムやエンデューロ、タイムトライアルそしてロードレース。
今回はそんなレースの中でも代表的であり、自分の主戦場でもあるロードレースの「展開」について解説したいと思います。
まず、基本としてロードレース全体は複数のパートというものが存在します。
いろいろ思惑の重なり合うロードレースですが、そのパートが崩れることはあまりありません。
そのパートというのは
➀逃げが出来る
➁集団と逃げが追いかけあう
③逃げが捕まる、あるいは無くなる
これだけです。
簡単です。
把握しておくのは「逃げ」と「集団」だけでいいのです。
この簡単な構図の中に様々な思惑が入り組み合うのがロードレースの面白さであり、難しさでもあります。
では順に各場面で起きている状況について解説していきます。
逃げが出来るという場面。
これはスタート直後から発生するアタック合戦の結果、逃げが出来上がるまでの場面です。
集団から選手が飛び出しては捕まりを繰り返すので、スピードの上げ下げが激しく見ているとかなり面白いはずです。
はず、と書いたのは見る機会が少ないため。
このアタック合戦をテレビに映してしまうとゴールまでレースを映すことになるので、時間の関係で省かれることが多いのです。
さて、この場面はレースのはじめということもあり、各チームの思惑が表出します。
このパートでの各チームの動きを見ることでそれぞれの狙いというのがだいたい読めてくるのです。
エースが自ら逃げに乗りに行っている場合
これは「今日はレースが激しくなるから俺が自ら勝負を仕掛けるぜ!」という意思の表れです。
あまり見かけることがありません。
こういった動きが発生しているとレースが荒れる可能性があります。
アシストの選手が逃げに乗りに行っている場合
これは「チームとしては集団をコントロールしたくないから逃げに選手を送り込みたい」あるいは「とりあえず逃げに選手を送り込んで目立たせたい」という思惑があります。
アタック合戦のメインはこの層の選手が作り出します。
逃げに選手を送り込んで、集団コントロールをしない大義名分が欲しいチームとそれを潰したいチームのせめぎ合い、ということです。
「俺らは楽するけど、お前のチームは苦しめ」そのために、自分たちのチームが逃げるつもりが無くとも、ライバルチームが加わった逃げに選手を送り込んで潰す、なんてことも起きます。
逃げに選手を送り込む気が無い場合。
「今日は勝負しない」「逃がしてもらえるはずがない」「逃げる気が無い」このどれかになってきます。
この動きの根本にあるのは無駄なことをしないという考え方です。
一つ目はその日のコースが、そのチームにとって全く勝算がなく、仕掛けるだけ無駄と感じた際には、逃げを狙いに行きません。
ステージレースの山岳ステージでスプリンターチームに見られる光景です。
無駄に動いて消耗するくらいなら、翌日以降の平坦ステージに備えて脚を残す。
あるいは遅れて足切りに合わないように、体力を温存するという思惑です。
二つ目は周りからあからさまに警戒されるチームの選手は、逃げを狙ったところで確実に潰されるので、逃げを狙うような動きは起こしません。
警戒されているチームの選手が同じ逃げに入って来た際には、ライバルチームの選手は逃げを断念し、集団に吸収されることがあります。
こういう展開になると、逃げるためにアタックした脚が無駄になります。
ですので、自分達からはアタックを仕掛けずに、ライバルチームがゴッソリ逃げようとしたときにだけ、潰しに行くという動きになります。
そして三つ目に関しては上記の内容と若干被ります。
有力チームが、俺たちがレースをコントロールする、という強い意志の元、逃げずにレースの展開を見守ります。
そういった際の主な動きは、増え過ぎた逃げ集団を追って潰したり、逃げの人数があらかた定まったところで集団の前方に出て蓋をしてしまい逃げを決めさせます。

その日のメイン集団の先頭はそのチームが他の逃げに入っていないチームの協力を取り付けつつ、コントロールすることになるでしょう。 amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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レースを見慣れている人もこれから見るという人もレースの大まかな流れを理解するのに役立ててください。
レースの種類と大まかな流れについて
レースにはいろいろな種類が存在します。
ヒルクライムやエンデューロ、タイムトライアルそしてロードレース。
今回はそんなレースの中でも代表的であり、自分の主戦場でもあるロードレースの「展開」について解説したいと思います。
まず、基本としてロードレース全体は複数のパートというものが存在します。
いろいろ思惑の重なり合うロードレースですが、そのパートが崩れることはあまりありません。
そのパートというのは
➀逃げが出来る
➁集団と逃げが追いかけあう
③逃げが捕まる、あるいは無くなる
これだけです。
簡単です。
把握しておくのは「逃げ」と「集団」だけでいいのです。
この簡単な構図の中に様々な思惑が入り組み合うのがロードレースの面白さであり、難しさでもあります。
では順に各場面で起きている状況について解説していきます。
逃げが出来る場面から読み取れるもの
逃げが出来るという場面。
これはスタート直後から発生するアタック合戦の結果、逃げが出来上がるまでの場面です。
集団から選手が飛び出しては捕まりを繰り返すので、スピードの上げ下げが激しく見ているとかなり面白いはずです。
はず、と書いたのは見る機会が少ないため。
このアタック合戦をテレビに映してしまうとゴールまでレースを映すことになるので、時間の関係で省かれることが多いのです。
さて、この場面はレースのはじめということもあり、各チームの思惑が表出します。
このパートでの各チームの動きを見ることでそれぞれの狙いというのがだいたい読めてくるのです。
逃げに乗りに行く選手から読み取れる思惑
エースが自ら逃げに乗りに行っている場合
これは「今日はレースが激しくなるから俺が自ら勝負を仕掛けるぜ!」という意思の表れです。
あまり見かけることがありません。
こういった動きが発生しているとレースが荒れる可能性があります。
アシストの選手が逃げに乗りに行っている場合
これは「チームとしては集団をコントロールしたくないから逃げに選手を送り込みたい」あるいは「とりあえず逃げに選手を送り込んで目立たせたい」という思惑があります。
アタック合戦のメインはこの層の選手が作り出します。
逃げに選手を送り込んで、集団コントロールをしない大義名分が欲しいチームとそれを潰したいチームのせめぎ合い、ということです。
「俺らは楽するけど、お前のチームは苦しめ」そのために、自分たちのチームが逃げるつもりが無くとも、ライバルチームが加わった逃げに選手を送り込んで潰す、なんてことも起きます。
逃げに選手を送り込まないチームの思惑
逃げに選手を送り込む気が無い場合。
「今日は勝負しない」「逃がしてもらえるはずがない」「逃げる気が無い」このどれかになってきます。
この動きの根本にあるのは無駄なことをしないという考え方です。
一つ目はその日のコースが、そのチームにとって全く勝算がなく、仕掛けるだけ無駄と感じた際には、逃げを狙いに行きません。
ステージレースの山岳ステージでスプリンターチームに見られる光景です。
無駄に動いて消耗するくらいなら、翌日以降の平坦ステージに備えて脚を残す。
あるいは遅れて足切りに合わないように、体力を温存するという思惑です。
二つ目は周りからあからさまに警戒されるチームの選手は、逃げを狙ったところで確実に潰されるので、逃げを狙うような動きは起こしません。
警戒されているチームの選手が同じ逃げに入って来た際には、ライバルチームの選手は逃げを断念し、集団に吸収されることがあります。
こういう展開になると、逃げるためにアタックした脚が無駄になります。
ですので、自分達からはアタックを仕掛けずに、ライバルチームがゴッソリ逃げようとしたときにだけ、潰しに行くという動きになります。
そして三つ目に関しては上記の内容と若干被ります。
有力チームが、俺たちがレースをコントロールする、という強い意志の元、逃げずにレースの展開を見守ります。
そういった際の主な動きは、増え過ぎた逃げ集団を追って潰したり、逃げの人数があらかた定まったところで集団の前方に出て蓋をしてしまい逃げを決めさせます。

その日のメイン集団の先頭はそのチームが他の逃げに入っていないチームの協力を取り付けつつ、コントロールすることになるでしょう。 amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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