レース展開について ~急章~
CATEGORYレース戦略・戦術
さて、レース展開について解説するシリーズも今回で3回目。
ラストになる今回はレースの終盤について紹介します。
前回に紹介したレース中盤の動き。
集団をコントロールするチームが現れ、他のチームと駆け引きしながら逃げとのタイム差を詰めていきます。
そしてレースもいよいよ佳境、勝負所に入っていきます。
大きな動きが現れるのはラスト40km辺り。
ここから、エース級選手による優勝に向けての争いが始まります。
平坦ステージの場合、それまでコントロールしていたチームに全く関係なく、優勝を狙うチームが集団のコントロールを始めます。
これは、集団先頭で落車や分断のリスクを減らして走る、確実に逃げを吸収してゴールスプリントに持ち込む、という二つの目的を達成するために行われます。
逃げを追いかける速度は凄まじく、時速40km後半をマークし続けることもザラにあります。
ハイスピードで進むレースではありますが、残りの距離を多く残し過ぎた状態で逃げを潰してしまうと、追加で逃げを狙う選手が現れるため、タイム差を絶妙に調整しながら詰めていきます。
具体的にはラスト10kmを切ってから吸収するのが上手なコントロールです。

絶対に一つのチームだけのコントロールという訳でも無く、複数のチームが協力してコントロールしてゴールスプリントに備えることもあり、その際にはとにかくハイスピードでゴールまで突き進む印象を受けます。
他の選手も何もジッとしているわけでなく、タイミングを見ては逃げを打ちに行きもしますが、だいたいの場合は潰れます。
逃げは集団の油断や見送り、が存在して初めて成り立つものであり、絶賛加速中の集団から逃げるのはまず無理です。
そんな状態でハイスピードのまま逃げを吸収し、最後まで突き進み、ゴールスプリント、というのが平坦ステージでのだいたいのパターンになります。
そういったステージでは、後半にどこのチームがコントロールするのか、誰がゴールスプリントで勝負するのか、を楽しみに観戦するといいと思います。
後半に山岳がある場合。
大規模な山岳がある場合は前回、紹介したように集団が木端微塵になっていくので見応えがありますが、後半にある程度の山がある場合にも、それはそれで見応えがあります。
エースとアシストを総動員した千切り合いが繰り広げられるからです。
ラスト40km辺りまで距離を減らしたのちにアタック合戦が始まります。
逃げをそっちのけで。
もはや、おまえらの仕事は終わった、とでも言うかのようにアタックが発生し、それを追う集団のペースが上がり、人数が絞られていきます。
スプリンターなんかは、今日は無理、と言って端から勝負に参加せずに集団から遅れたりします。
グルペットってやつですね。
正確な発音はグルゥぺットォ~って感じです。
バッカンバッカンとアタックが繰り返されるうちに逃げに集団が追いつき、抜き去っていきます。
追いつかれた際の、逃げのメンバーの一矢報いようとする姿も見ものです。
こういう展開においてはチーム力よりも選手個人、個人、の力量差が勝敗に繋がってきます。
当然、人数がいるに越したことはありませんが、極論、超強力な選手が登りで仕掛けると半端な選手は全員、遅れてしまうので勝敗に絡むことはできません。
当然、勝負できる選手が複数人いるチームには選択肢が増えるため有利に展開を運びやすくなります。
そのまま絞り込まれた選手たちでスカスカスプリント、あるいは力ずくで周りを引き千切った独走状態でゴールというのが山岳ステージにおけるゴール風景になります。
こういったステージでは、誰が一番今日は強いのか、どのチームが攻撃を仕掛けるのか、といった点に注目して観戦すると楽しめると思います。
レースの展開に関する解説するシリーズは今回で終了となります。
皆さんもレース展開を予想しつつ観戦する楽しみを味わってください。
終わり
………
…………
………………
終わらない
まだ、肝心のアレが残っている。
そう、逃げの解説が残っている!
次回に続く! amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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ラストになる今回はレースの終盤について紹介します。
前回のおさらい
前回に紹介したレース中盤の動き。
集団をコントロールするチームが現れ、他のチームと駆け引きしながら逃げとのタイム差を詰めていきます。
そしてレースもいよいよ佳境、勝負所に入っていきます。
大きな動きが現れるのはラスト40km辺り。
ここから、エース級選手による優勝に向けての争いが始まります。
平坦ステージの終盤の展開
平坦ステージの場合、それまでコントロールしていたチームに全く関係なく、優勝を狙うチームが集団のコントロールを始めます。
これは、集団先頭で落車や分断のリスクを減らして走る、確実に逃げを吸収してゴールスプリントに持ち込む、という二つの目的を達成するために行われます。
逃げを追いかける速度は凄まじく、時速40km後半をマークし続けることもザラにあります。
ハイスピードで進むレースではありますが、残りの距離を多く残し過ぎた状態で逃げを潰してしまうと、追加で逃げを狙う選手が現れるため、タイム差を絶妙に調整しながら詰めていきます。
具体的にはラスト10kmを切ってから吸収するのが上手なコントロールです。

絶対に一つのチームだけのコントロールという訳でも無く、複数のチームが協力してコントロールしてゴールスプリントに備えることもあり、その際にはとにかくハイスピードでゴールまで突き進む印象を受けます。
他の選手も何もジッとしているわけでなく、タイミングを見ては逃げを打ちに行きもしますが、だいたいの場合は潰れます。
逃げは集団の油断や見送り、が存在して初めて成り立つものであり、絶賛加速中の集団から逃げるのはまず無理です。
そんな状態でハイスピードのまま逃げを吸収し、最後まで突き進み、ゴールスプリント、というのが平坦ステージでのだいたいのパターンになります。
そういったステージでは、後半にどこのチームがコントロールするのか、誰がゴールスプリントで勝負するのか、を楽しみに観戦するといいと思います。
後半に山岳があるレースでの終盤の展開
後半に山岳がある場合。
大規模な山岳がある場合は前回、紹介したように集団が木端微塵になっていくので見応えがありますが、後半にある程度の山がある場合にも、それはそれで見応えがあります。
エースとアシストを総動員した千切り合いが繰り広げられるからです。
ラスト40km辺りまで距離を減らしたのちにアタック合戦が始まります。
逃げをそっちのけで。
もはや、おまえらの仕事は終わった、とでも言うかのようにアタックが発生し、それを追う集団のペースが上がり、人数が絞られていきます。
スプリンターなんかは、今日は無理、と言って端から勝負に参加せずに集団から遅れたりします。
グルペットってやつですね。
正確な発音はグルゥぺットォ~って感じです。
バッカンバッカンとアタックが繰り返されるうちに逃げに集団が追いつき、抜き去っていきます。
追いつかれた際の、逃げのメンバーの一矢報いようとする姿も見ものです。
こういう展開においてはチーム力よりも選手個人、個人、の力量差が勝敗に繋がってきます。
当然、人数がいるに越したことはありませんが、極論、超強力な選手が登りで仕掛けると半端な選手は全員、遅れてしまうので勝敗に絡むことはできません。
当然、勝負できる選手が複数人いるチームには選択肢が増えるため有利に展開を運びやすくなります。
そのまま絞り込まれた選手たちでスカスカスプリント、あるいは力ずくで周りを引き千切った独走状態でゴールというのが山岳ステージにおけるゴール風景になります。
こういったステージでは、誰が一番今日は強いのか、どのチームが攻撃を仕掛けるのか、といった点に注目して観戦すると楽しめると思います。
レースの展開に関する解説するシリーズは今回で終了となります。
皆さんもレース展開を予想しつつ観戦する楽しみを味わってください。
終わり
………
…………
………………
終わらない
まだ、肝心のアレが残っている。
そう、逃げの解説が残っている!
次回に続く! amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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