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レース展開について ~浪章~

ロードレースには流れがある、エースが勝つための流れだ。
しかし、時折、そんな流れから外れた展開が生まれることがある。
今回は浪漫あふれる千載一遇のチャンスについて語ろうか。



目次


逃げへの導入
逃げ切りのパターンとは?
ステージレースにおける逃げ切りとは?
逃げ切りの容認が発生しやすい状況とは?

逃げへの導入


これまで3回に分けて、ロードレースの展開に付いて紹介してきた。
そのどれにおいても勝利するのは各チームのエースであった。
レースの緻密な作戦が各チームのエースを勝利させるために組み上げられるのである以上、エースが勝利することは必然である。
しかし、そんな緻密な作戦が大きく崩れることがある。
その結果、生まれるのが『逃げ切り』
逃げ (2)
本来であればレースの一展開を作り出すために奔走するだけに終わる『逃げ』がレースの主役となる奇跡の瞬間
今回はそんな逃げに生きる選手の想いや浪漫を紹介していきたい。

逃げ切りのパターンとは?


とまぁ、かっこよく入ったわけで、今回は逃げ切りの展開について紹介していきます。
逃げ切りが発生するのは2パターン。
「集団が逃げ切りを容認した場合」「計算ミスで逃げ切られた場合」
前者パターンに関してはワンデーレースで起こることは非常にまれです。
可能性としては多くのチームのエースが逃げに入っている場合、ぐらいですが、それはもはや逃げがメイン集団と言えるのではないかと自分は思います。
ステージレースにおいては、総合時間が大幅に遅れている選手達が逃げた際に見られる光景です。

ステージレースにおける逃げ切りとは?


ステージレースでは一日のレースにおける優勝=ステージ優勝よりも、全日程を通しての優勝=総合優勝、が重要視されます。
したがって、全日程を通して大幅に遅れている選手が逃げに入った場合には、その日のステージ優勝争いを避けることで疲労を抑えるために、リーダーチームが逃げとのタイム差を広げ、逃げ切りを容認する場合があります。
当然、ステージ優勝を狙いたいチームは逃げとのタイム差を詰めたがるわけですが、リーダームとしては他のチームがレースをコントロールしてくれるのであれば、休めるので願ったりかなったりです。
逃げ切りを容認するという判断の中にも駆け引きが発生しているわけです。
リーダーチームが逃げ切りを容認したレースで、他のチームがタイム差を詰め切る可能性は五分五分といったイメージです。
ステージレースであっても逃げ切りは中々生まれないのです。

逃げ切りの容認が発生しやすい状況とは?


集団の容認による逃げ切りの可能性の高いコースとしては、ある程度のアップダウンが含まれるコースになります。
強烈なアップダウンが繰り返されるコースでは、以前に紹介したように、総合順位が大きく入れ替わる可能性があるので激しい展開になり、逃げ切りの可能性が低くなります。
逆にド平坦のコースでは、スプリンターチームがゴールスプリントに持っていくために逃げを潰すので、これも可能性が低くなる。
よって、総合順位が入れ替わるほど激しい展開になりにくいが、ペースが上がるとスプリンターが遅れる可能性がある、こういうコースで逃げ切りが発生しやすくなるのです。
それがある程度アップダウンのあるコースとなります。
また、ステージレースにおける折り返し辺りの日数、においても逃げ切りの可能性が高くなります。
皆疲れてきているので、そろそろ休もう、といった具合ですね。
もっとも、だいたいの場合レース前に「今日が逃げ切りの展開になりそう」と、多くの選手が感じ取るので、そういう日に限って逃げが決まるまで激しい展開が続いたりもします。
そのアタック合戦を制して逃げに入り、集団に容認してもらえて初めて逃げ切りが見えてくる。
「集団の容認による逃げ切り」も中々厳しい世界なのです。
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