レース展開について ~漫章~
CATEGORYレース戦略・戦術
さて今回は逃げ切りに関する後半の解説になります。
千載一遇の計算違いにより発生した逃げ切りの展開やいかに!?
前回の「許された逃げ切り」と違い、今回は「許されざる逃げ切り」に関する紹介になります。
本来は集団が捕まえるつもりであったが、「計算ミスで逃げ切られた場合」の解説です。
このパターンの逃げ切り勝負はワンデーレース、ステージレース共に関係なく起こり得ます。
予想外の展開なのでどのレースにおいても可能性があるということです。
この展開になるパターンとしては「コントロールしていたチームが予想以上に非力だった」「逃げが強すぎた」「集団が牽制し過ぎた」など様々です。
どの状況においても、理由一つで逃げ切りが決まることは、まず無く、複数の要因が組み合わさることによって逃げ切りが決まります。
基本はアシストとして走っている選手の、勝負しなければならない立場に立った際の様子や、必死に追いすがる集団の形相なんかが見ものになります。
展開としては大荒れ、特にワンデーレースではその傾向が強く、優勝予想が非常に難しくなります。
走っている側は非常に困惑しますが、観戦側からすれば興奮間違いなし。
ワンデーレースで予想外の逃げ切りが発生しそうになった時、その際には集団から強烈な追い上げが発生します。
各チームのエースが、自チームのアシストすら振り落とす勢いで追走を開始するからです。
「追いつけば優勝が狙える」という思惑の元、協力し合いながら追走が始まるので、それまでの複雑な思惑の絡み合いから一転、純粋な力勝負の面が強くなります。
逃げは逃げで、お互いを出し抜くための動きが活発化するため、集団の前後で激しい動きが発生するため、どこを見ても面白い、という観戦客を盛り上がらせる展開です。
そんな状況の中で逃げ切った選手は、普段勝負に絡めない選手であるだけに、普段以上に感動的な優勝インタビューとなります。
レースだけでなくレース後にも注目です。
ステージレースにおいても同様ですが、ワンデーレースと比べると諦める傾向が強くなっています。
理由としては総合下位の選手が逃げ切りで上位に返り咲いたところで、「実力不足で遅れていた選手」という事実は変わりません。
すなわち、それ以降の日程で再びタイム差を引っ繰り返せる可能性があるのです。
わざわざその日に無理して追う必要は無いのです。
何なら、優勝させてしまうことで総合トップに押し上げ、翌日からの集団コントロールを押し付けるなんて考え方も発生します。
ステージレースは複数日にわたって行われる特性上、予想外の事態が起きても大きなミスに繋がりにくいのです。
しかし、一つだけ例外が存在します。
最終日です。
最終日のミスは敗北に直結します。
ワンデーレースと同様、熾烈な争いが繰り広げられますし、最終にの一発逆転を狙った大逃げも発生しやすく、見どころになっています。
ここまで紹介した逃げ切りの展開ですが、十分に分かっているとは思いますが、非常にレアケースです。
基本的には逃げ切れないと考えた方が正解です。
しかし、
では、
なぜ、
逃げ選手は逃げを狙うのか?
勝機の少ない逃げで勝利を狙うのはなぜなのか?
それはそこに浪漫があるからです。
対大人数の圧倒的に不利な状況。
普通に考えれば敗北は必須。
こんな状況で勝利を狙う。
これを浪漫と言わずに何と言いましょうか?
逃げ切りを狙う選手には、可能性が低くともそこに全てをかけるという熱い思い、そして浪漫が詰まっているのです。
純粋な力勝負のゴールスプリントとはまた違う、少ない可能性に勝機を追い求める逃げ切り。
そんな浪漫溢れる展開が逃げ切りだということを心に残しつつレースを観戦してください。
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千載一遇の計算違いにより発生した逃げ切りの展開やいかに!?
許されざる逃げ切りとは?
前回の「許された逃げ切り」と違い、今回は「許されざる逃げ切り」に関する紹介になります。
本来は集団が捕まえるつもりであったが、「計算ミスで逃げ切られた場合」の解説です。
このパターンの逃げ切り勝負はワンデーレース、ステージレース共に関係なく起こり得ます。
予想外の展開なのでどのレースにおいても可能性があるということです。
この展開になるパターンとしては「コントロールしていたチームが予想以上に非力だった」「逃げが強すぎた」「集団が牽制し過ぎた」など様々です。
どの状況においても、理由一つで逃げ切りが決まることは、まず無く、複数の要因が組み合わさることによって逃げ切りが決まります。
基本はアシストとして走っている選手の、勝負しなければならない立場に立った際の様子や、必死に追いすがる集団の形相なんかが見ものになります。
展開としては大荒れ、特にワンデーレースではその傾向が強く、優勝予想が非常に難しくなります。
走っている側は非常に困惑しますが、観戦側からすれば興奮間違いなし。
ワンデーレースにおける想定外の逃げ切り
ワンデーレースで予想外の逃げ切りが発生しそうになった時、その際には集団から強烈な追い上げが発生します。
各チームのエースが、自チームのアシストすら振り落とす勢いで追走を開始するからです。
「追いつけば優勝が狙える」という思惑の元、協力し合いながら追走が始まるので、それまでの複雑な思惑の絡み合いから一転、純粋な力勝負の面が強くなります。
逃げは逃げで、お互いを出し抜くための動きが活発化するため、集団の前後で激しい動きが発生するため、どこを見ても面白い、という観戦客を盛り上がらせる展開です。
そんな状況の中で逃げ切った選手は、普段勝負に絡めない選手であるだけに、普段以上に感動的な優勝インタビューとなります。
レースだけでなくレース後にも注目です。
ステージレースにおける想定外の逃げ切り
ステージレースにおいても同様ですが、ワンデーレースと比べると諦める傾向が強くなっています。
理由としては総合下位の選手が逃げ切りで上位に返り咲いたところで、「実力不足で遅れていた選手」という事実は変わりません。
すなわち、それ以降の日程で再びタイム差を引っ繰り返せる可能性があるのです。
わざわざその日に無理して追う必要は無いのです。
何なら、優勝させてしまうことで総合トップに押し上げ、翌日からの集団コントロールを押し付けるなんて考え方も発生します。
ステージレースは複数日にわたって行われる特性上、予想外の事態が起きても大きなミスに繋がりにくいのです。
しかし、一つだけ例外が存在します。
最終日です。
最終日のミスは敗北に直結します。
ワンデーレースと同様、熾烈な争いが繰り広げられますし、最終にの一発逆転を狙った大逃げも発生しやすく、見どころになっています。
逃げ切りの可能性
ここまで紹介した逃げ切りの展開ですが、十分に分かっているとは思いますが、非常にレアケースです。
基本的には逃げ切れないと考えた方が正解です。
しかし、
では、
なぜ、
逃げ選手は逃げを狙うのか?
勝機の少ない逃げで勝利を狙うのはなぜなのか?
それはそこに浪漫があるからです。
対大人数の圧倒的に不利な状況。
普通に考えれば敗北は必須。
こんな状況で勝利を狙う。
これを浪漫と言わずに何と言いましょうか?
逃げ切りを狙う選手には、可能性が低くともそこに全てをかけるという熱い思い、そして浪漫が詰まっているのです。
純粋な力勝負のゴールスプリントとはまた違う、少ない可能性に勝機を追い求める逃げ切り。
そんな浪漫溢れる展開が逃げ切りだということを心に残しつつレースを観戦してください。

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