ジロ・デ・イタリア 11日目
ジロ・デ・イタリア 11日目
クラス:WT ステージレース
開催国:イタリア
日程:5月18日
距離:227km
天候:晴れ
起床時体重:60.5
起床時心拍:42
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ジャコモ・ベルラート、アレサンドロ・ビソルティ、グレガ・ボーレ、リカルド・スタキオッティ、エドワード・グロス、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ
コースプロフィールは省略。
レース前のミーティング
今日はグレガにアタックに行け!と言われたタイミングでアタックに行けばいいと言われる。
明日は真っ平らで休めるから今日は頑張っても大丈夫!と言われる。
レースレポート
集団の最前列に並んでパレード開始。
指示が出た際にいつでもアタックに行けるように集団前方で待機しつつレース開始。
開始直後のアタックでベルラートを含む数名が飛び出す。
その後何度かアタックがかかるがベルラートは集団に帰ってこず、そのまま逃げて行った。
その後一旦ペースが落ちる。
(今日もベルラートが行ったな。後は落ち着いた集団内で休憩の1日かな)と思いながら走ろうとする。
集団のペースが上がり始める。
かなり上がる。
何で!?と思い集団先頭を見るとランプレとバルディアーニが協力して逃げを追いかけている。
またバルディアーニか……と思いながら集団に付いて行く。
かなりのハイペース。
しかし横風が吹いているわけではないので前の選手の後ろに付いていれば楽。
しかし足はあまり調子が良くない。
昨日のレースがハード過ぎたせいで疲労が抜けきっていない。
(しかしこの追走も逃げとのタイム差が広がって行けば諦めるはず。頑張れ!ベルラートと逃げている選手達!)
ペースの上がりだしのタイム差が40秒。
残念な事にそこから少しずつタイム差が縮まって行く。
40km辺りで無線から「次のアタックに備えて前に上がれ!」という指示が出る。
付いて行くのは出来るが前に上がれるようなペースでは無い。
それでも少しずつ前に上がって行くが、前に上がり切る前に逃げが捕まる。
45km地点程。
そこから再びアタック合戦開始。
中々逃げが決まらずアタックが繰り返される。
その内に自分も集団の先頭に上がる。
アタックしそうな選手の後ろに付いて、一緒に飛び出す。
逃がして貰えず。
集団先頭付近に戻り再び機会をうかがう。
カチューシャの選手が飛び出したのに反応。
決まらず。
数名の飛び出しに反応。
人数が多すぎて集団が付いてくる。
集団内での位置取りに失敗し飲み込まれる。
前に上がり直そうとするが、前に上がりたい選手がいっぱいで中々上がれず。
集団中盤まで飲み込まれる。
集団のペースが落ちて来て、もうそろそろ逃げが決まったかな?と思って集団の先頭を見る。
疲れて来ているのかキレの無いショボいアタックがかかっては潰されてを繰り返している。
(あの感じだとそろそろ決まる!今なら逃げに乗れるかもしれない)と思い前に上がる。
正直今の足の感じ的に逃げに乗っても良い動きが出来る自信は無い。
しかし楽して逃げに乗れるのなら乗りたい。
逃げに乗りたい気もするが、早く決まってペースが落ちて欲しい気もする。
そんな微妙な気持ちを持ちつつ、全力で前に上がろうとする。
その最中に3人が飛び出す。
直後に集団が「もういいやろ」という感じで一気に減速し逃げを決める。
逃げが決まるまでの約1時間半を平均時速51kmで走り抜けた。
かなり速かった前半を終えそこからはかなりペースが落ちる。
ボーとしながら集団後方や他の選手の側で走る。
今日は休息日。
昨日にフルで使った頭と足を回復させるために、気持ちを緩め何も考えずにボーっとしながら走る。
気を緩め過ぎて眠たくなって来る。
前半が速すぎたせいですぐに補給所がやって来る。
補給を受け取って再びボーっと。
その後無線で各選手に「今日の調子はどうか?」と聞かれ、自分は「まぁまぁ」と答える。
するとグレガが「ヤマモトは今日4級山岳が始まったら千切れるって言っていたぞ!」と無線で伝える。
グレガには今日のスタート前に「今日は逃げる為にアタックするが、もし逃げに乗れなければ一緒に4級山岳でグルペットか?」と聞いていた。
グレガは「お前はグルペットで良いが、俺は今日狙う」と言っていた。
無線から「全く問題ない、それでいい」と伝えられる。
それからはボーっとしつつ、時々集中して走っていた。
170km辺りから「前に上がっておけ」という指示が出る。
自分も一緒になって前に上がるが、集団内がかなり密集していて他のメンバーとはぐれては合流しを繰り返す。
無理の無い所で合流しているのでしんどさは無いが精神的に疲れる。
コーナーが増えて来て軽い石畳の区間も入って来る。
180km辺りでグレガに「山岳が始まったら千切れても大丈夫か?」と再度確認する。
「大丈夫。問題ない」という返事を貰って集団後方に下がる。
たしか、186kmから山岳が始まるはず。
他のメンバーと離れ山岳が始まるのを待つが、中々始まらない。
集団はかなり加速している。
さっさと山岳に入りグルペットをつくって帰りたい身としては中々めんどくさい。
ラスト35kmのゲートを過ぎる。
いつから登りが始まるのかなぁ。と思いながら付いて行く。
ラスト30kmのゲートを過ぎる。
過ぎた直後に前方で強烈な落車音。
マズイと判断し急ブレーキで止まる。
前方を見るとかなりの人数が巻き込まれた大落車が発生している。
巻き込まれている人数が多すぎるせいでNIPPOの選手が巻き込まれていないか瞬時に判断できない。
見落としが無いように全体を何度か見渡して誰も巻き込まれていないことを確認。
道路の真ん中に広がる自転車と人の山を回避して再スタート。
チームカーから無線で「誰か巻き込まれたか!?」とかなり焦った声で聞かれる。
「全員無事。誰も巻き込まれていない」と返す。
落車で止まったのは想定外だったが、グルペットをつくるには丁度いいタイミング。
落車に巻き込まれた仲間を待つためにユックリ走っている選手を抜いて行き、グルペットっぽい集団が出来るのを待つ。
バルディアーニの選手を抜いた時に「ゲンキ!」と呼ばれる。
またバルディアーニか……と思いつつも、今まで「ヤマモト!やジャポネ!」と呼ばれて罵倒されたことはあってもゲンキと呼ばれたことは無かった。
ペースを落として横に並び「グルペットか?」と聞くと「そんな感じ」といった反応。
様子を見てグルペットをつくりたいという事だろう。
それならば一緒に居る方が都合がいいので後ろに下がってその集団に混ざる。
下がり際にゼッケンの名前を確認したらチッコーネだった。
そこからはその集団に付いて普通のペースで走る。
しばらく走っていると自分達の右後方から集団の来る気配がする。
(グルペットが合流かな……うわぁ……AG2Rが6人で全力でローテーションしてる……)
恐らくエースが落車に巻き込まれたのだろうAG2Rがエースをメイン集団に引き戻すために全力でローテーションして自分達の集団を抜いて行く。
これは美味しいカモが来た!と言わんばかりに自分たちの集団が抜いて来た集団の後ろに付いて行く。
別にメイン集団に戻りたい訳ではない。
速いペースで引いてくれる集団に付くことで少しでも早く楽して残りの距離を短くしたいだけ。
その証拠にチームカーの車列に追いつき、一段とペースが上がりだすと「もういいや」といった感じでブチブチに千切れていく。
そこから再びグルペット形成。
残りの距離が減っていく毎に前から後ろから選手が合流していき最終的に50人近い集団でゴールした。
感想
ゴールしてから登り開始の距離を確認したら204kmからだった。
186kmは昨日の登り開始の距離だった。
レースが連続するため距離の記憶がごちゃ混ぜになってきているので毎日しっかり確認するようにしたい。
今日でやっと折り返しに来た。
疲労は溜まってきているような、溜まって来ていないような微妙な感じではあるが引き続き頑張っていきたい。
噂のグランツールで1日あるという絶不調の日もタイムトライアルで消化したし、風邪も完治したようなので今のところ不安要素は一切ない。
あとは自分の力を信じて全力で頑張るだけだと思う。
明日はド平坦のステージなので、連続コーナーと石畳、そして横風にだけ気を付けて走るようにしたい。
ちなみに今日確認できたバルディアーニのうるさい選手はボエムだった。
バルディアーニという一括りにしてしまうのはアレな気がするので覚えておくためにも書いておきたい。
キツさレベル
6
最初のたった1時間半だけちょっとしんどかった。
たった1時間半だけ。
昨日の疲れが抜けきっておらずキツかったと思っていたが、冷静に考えれば平均時速51kmなのだから多少キツくて当然なのだろう。
日々の回復はしっかり出来ているっぽいので自信を持ちたい。
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