全日本選手権ロードレース 2016
全日本選手権ロード・レース
クラス:ナショナルチャンピオンシップ
開催国:日本
日程:6月26日
距離:154.7km
天候:曇り
出場チームメイト:山本元喜、石橋学、小石祐馬
レース前のミーティング
前半からの動きに乗って行って前々で展開していけるようにする事、しっかりとコミュニケーションを取ってそれぞれの体調をお互いに把握して協力して走るようにという指示。
レースレポート
前から3列目辺りに並んでパレード開始。
短めのパレードを経てレース開始。
レースは11.9kmを13周する154.7km。
恐らくは最初の3周で逃げが決まるハズ。
アタックの流れの乗って逃げに入っていくことが出来るのがベストのパターン。
スタートしてからの登りでアタックがかからない。
少しの間様子を見ていたが1度自分で軽くアタックしてみる。
逃げを決めるつもりではないが、この動きで集団が活性化してくれると助かる。
集団が付いて来ていたので交代する。
そのタイミングでアモーレの菱沼が単独で飛び出す。
単独であれば問題ないとでもいうかのように泳がされて(逃がして貰えるわけでも捕まえられるわけでもない状態にされる事)しばらくして菱沼が集団に帰って来る。
集団の活発さがそこまで無い。
登りが終わってからも逃げが決まらない。
数名が飛び出しはするが、飛び出してから飛び出した選手のペースが落ちるせいで集団に吸収されるという展開が続く。
事前の作戦では逃げに複数人送り込むという事になっていたので人数が多くなりそうな逃げには最低でも2人が入るように協力して動いて行く。
2周目に入る。
登りで逃げたい選手が本格的にアタックを仕掛け始め本格的にペースが上がる。
かなり速いしかなりキツイ。
ここで遅れる訳にはいかないので全力で付いて行く。
集団が一気にバラけている。
しかし登りが終わったところでペースが落ちる。
ペースが落ちた事により登りで遅れた選手が追いついてくる。
下りのもそこまで速くない。
海岸線に出て少しするとかなり大きい集団になっている。
そこからアタックが散発的にかかるが逃げは決まらず。
極少数の選手が抜け出しては帰って来るという展開。
海岸線で小石と話すと「登りで行ってもその後にペースが落ちるから決めれない」と言っていた。
3周目に入る。
登りはじめから先頭に出てペースを上げる。
頂上までギリギリ維持できるペースで踏み続ける。
良い作戦ではないがある程度の人数に絞り込むか逃げを作れない限りは自分達に有利にならないので仕方がない。
自分がペースを維持していると「今上げれば集団が分解する!」と言いながら小石が先頭に出てくる。
若干小石が集団から飛び出す。
自転車1台分くらい遅れて自分が付いて行く。
逃げる小石を自分が追いかけるというような感じになっている。
NIPPO同士の潰し合い。
小石が後ろを振り返って「後ろの選手に曳かせた方が良いのに」と言ってくる。
自分的には登りでは変に後ろに下がるより先頭に居る方が楽な気もするが交代して他の選手に先頭を譲る。
小石が若干先行したまま走り、その後吸収される。
集団はバラケてはいたが結局平坦と下りでまとまり、大きな集団で進む。
石橋と話しをすると「ブリジストンが人数の多い逃げを決めさせたくないみたいですね」と言っていた。
今回はそういう作戦なのだろうか?
4周目の山頂付近で愛三の中根さんとブリッツェンの鈴木譲さんが飛び出し逃げが決まる。
逃げに乗りたかったNIPPOとしては「こりゃダメな日だな」という感じだった。
逃げようと試みてはいたが、やはり注目も警戒もされていたのでかなり厳しかったとは思った。
逃げが決まってペースが安定してから小石と石橋と集まってコンディションの確認をする。
全員だいたい一緒の感想で「調子はいいと思うがアタック合戦で疲れている」という感じ。
しばらくはペースが安定して進むはずなので集団内で休んで回復し、再びペースが上がり始めるであろう5周目以降の終盤に備えるという事になる。
そこからは集団内で休みながら走る。
逃げとのタイム差は2分程で進み、内間さんが落車したことによるペースダウンで一旦3分程まで開いたがその後2分差まで詰まった。
ラスト5周程で逃げから中根さんが千切れ、譲さんが単独で逃げる展開になる。
ペースアップに備え集団前方を維持して走る。
逃げとのタイム差は1分程で進む。
ラスト3周に入る。
入ってすぐの登りでブリジストンの西薗さんがアタック。
それによって集団のペースが一気に上がる。
ペースが上がって踏み込み始めたことで気付いたがかなり足にキテいる。
若干つりそう。
かなりキツかったが付いて行くことが出来た。
平坦と下りでペースが緩み少しの間休める。
海岸線に出て小石と石橋に調子があまり良くなさそうと伝えておく。
自分はラスト1周に入ったところでアタックに行くつもりでいることも伝えておく。
ラスト2周に入る。
登りで再びペースが上がる。
耐えきれずに千切れる。
相当キツイ。
足が更につりそう。
これはゴールを狙える状態では無い。
前に追いつけなければ次のゴールラインで降りようかとも思う。
しかし、平坦と下りで前のペースが落ちたことと、前に追いつく為に路面の悪い下りを全力でかっ飛ばしたおかげで追いつくことが出来た。
前に追いつきペースの落ちた集団で一息つく。
ラストの登りでアタックに行きたいが、そもそもそこまで耐えれるかが微妙。
それであれば海岸線でアタックに行ってみた方がまだマシかもしれない。
海岸線に1か所だけある登りでアタックして飛び出す。
少し飛び出せたが、足にキテいることもありペースが上がらない。
後ろを見ると一定の距離でズット追って来ている。
完全に泳がされている。
ある程度泳がされたところで捕まる。
集団に戻ると小石から「フィニート(終了)ですか?」と笑いながら聞かれる。
「あと1回登りで行くよ!(集団に)いればな!」と言って小石の後ろに入る。
集団内で休んで登りに備える。
ゴールラインを過ぎてラスト1周の登りへ。
登りが始まると同時に集団先頭で佐野さんがゴリゴリ踏み込んでペースアップ。
自分のアタックチャンスが潰れる。
細い登りが終わり広い道に出て再び登る。
アタックに行こうと思ったが足が限界な上にペースが上がり千切れる。
これはもう終了かな?と思いながら走っていると後ろから結構な人数に集団に追い抜かれる。
山頂が近かったこともありその集団に付いて行く。
海岸線に出たところで前方にトップグループが居るのが見える。
自分は石橋と小石が前に残っていたので後ろに付いて行くだけ。
前を追いかけている最中に沿道から「アンカー2人とシマノ1人まで45秒」と聞こえる。
ラスト2kmを切ったところで前に追いつく。
追いついた勢いでアタックをしようとするが前に広がった選手の間を抜けきれずに不発に終わる。
追いついた時に一瞬確認した感じだとNIPPOの選手が1人しか居なかった。
どちらか飛び出しているのだろうか?
再びアタックを掛けようとするが10数秒前にNIPPOの選手が先行しているのが見える。
これはアタックを仕掛けると集団ごと追いついてしまう距離。
集団が追いつかなければ今飛び出しているNIPPOの選手が4位でゴールできる。
追いついてしまうと4位が取れるかどうかは微妙。
追いつくべきではないと判断する。
集団前方に残る。
追いつきそうな様子が有ればアタックを仕掛けた方が良い。
そのまま前方で待機しラスト300mを切ったところで逃げ切れると判断し遅れた。
というか付いて行くのがかなり辛い状況だった。
感想
チームとしては4位という結果に終わってしまった。
しかし、去年のジロ後にウイルス性の感染症にかかり調子を崩していた石橋が4位に入れたというのは調子の復調が見えたという事でかなり良かったと思う。
チームメイトとしても嬉しかったが、大学時代から先輩後輩としてやってきたという事もあり個人的にもかなり嬉しかった。
だが、全日本選手権の結果というのは普通のレースに比べて「チームとして」より「個人として」の部分に比重を多く置いて見るべきものだと自分は考えている。
そういう意味では今回の自分の全日本選手権の1レースのみに対する結果と走りに関しては悪かった。
走り終わって感じた事は単純に練習不足だったということである。
コリアで実感した「ジロでの疲労」を抜ききる為に練習量を相当落としていたので当然の結果だったともいえる。
しかし、コリアで感じたような「足に力が入らない」というような感覚は全くなく、「限界まで追い込んで力不足」という感じだった。
心拍データ的にも相当追い込めていた。
自分が絶好調の際には筋肉がつりそうになるようなことはマズない。
ジロの期間中もつりそうになった事は1度も無かった。
今シーズンで足がつりそうと感じたのはツール・ド・台湾のみ。
ツール・ド・台湾ではその数週前に車と接触事故を起こして指を縫っていたので練習が出来ていなかったというのが原因だった。
今回の足の感じはそれに近いものが有った。
今回のレース単体で見ればダメダメだったという感じではあるが、シーズンを通したコンディショニングで見れば、ジロの疲労を上手く抜くことが出来たのではないか?とも思う。
あとは3週間後に出場予定のチンハイレイクで調子を上げることが出来ていれば抜くことが出来たと断言できると思う。
もっとも、「ジロを走った上で全日本選手権も獲れる」そういう選手になれるのがベストなのでそこに向けて自分のキャパシティを上げて行けるように今後も頑張っていきたい。
キツさレベル
10
アタック合戦はかなりキツかった。
その後はしばらく休むことが出来たとはいえ、レース後半は足がつりかけまくってかなり苦しんだ。
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