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2022全日本選手権ロードレース

クラス:ナショナル選手権
開催地:広島森林公園
日程:6月27日
距離:184km



天候:晴れ
出場チームメイト:中島康晴、畑中勇介、山本元喜、新城雄大、山本大喜、花田聖誠、小出一樹


レースレポート

今年の全日本選手権は昨年の反省を踏まえ、人数を絞りこめる展開を目指した。
チームとしては終盤の展開において、人数的に有利な状態を作りだし、そこから交互に仕掛けることで単騎で勝負せざるをえない選手の消耗させて勝利するというのが勝ち筋だった。
具体的には終盤に勝負ができる持久力やレース感を備えている畑中さん、自分、雄大、大喜の4人が最後まで残り勝利を目指す。
優先度としては自分と大喜がエースということになっていたが、展開や状況、脚のコンディション次第で畑中さん、雄大と入れ替わる可能性は全然あり得、全員が優勝を狙いつつ動くことで他選手から見た際に誰がエースか分かりにくい、というのも利点であった。
終盤の展開は状況に応じて有利に立ち回れるように組み替えていくとして、その状況にもっていくまでも重要ではあった。
昨年のように、他のチームの動きや消耗を待ってから仕掛ける形では、スローテンポなレースになってしまい、小集団でのゴールスプリントの可能性がかなり高くなる。
しかし、キナンだけが攻撃的な動きを繰り返していても消耗してしまう上に、レースのコントロールを押し付けられる可能性が高くなる。
そういった点も踏まえ、単独で勝負する選手が動きたくなる距離や消耗度合いまでレースを絞り込み、そういった選手の動きも利用して終盤へ少人数になるようにレースをコントロールする、というのがキナンの目的となった。
そのために普通であればまだまだ残りの距離が多い、と考えるラスト100kmから登り区間だけペースアップを繰り返し、他のチームのアシスト選手を消耗させる、というのが有効だと考えた。
しかも1度ではなく3周回にわたって、ペースを上げ続ける。
1回目2回目で消耗させ、3回目でもう一段階ペースを上げることでアシスト選手が仕事をできなくなるくらいまで消耗させるのが目的だった。
つまり、15周回のうち、6周、7周、8周でペースを引き上げ、7周を残した状態で集団内に動ける選手がエース級の選手しかいない、という状況を作り上げる。
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そのために、終盤まで力を発揮できるか心配な部分のある小出と花田に登りでペースを上げてアシストしてもらうことにした。
2人とも、若いこともあり終盤の勝負には心配があるが、他のアシストを消耗させるという面では地力的に十分可能であり、中盤でアシストとして使い切るには勿体ないかもしれない、とも思えたが終盤に勝負できる選手の人数がそろっている以上、それを生かせる展開にするためにアシストに回ってもらった。
ペースアップの区間が登りだけ、というのも重要で周回全てをコントロールしてしまうとキナンが過剰に消耗してしまう可能性もあったので避けたい、という部分や、登り以外のペースが緩むことで少数が抜け出すことにより、他のチームが追う展開や逃げたメンバーが消耗しきる、という可能性もあった。
また、ペースアップまでの段階でイレギュラーが起きた際には中島さんに対応してもらうということになっていた。

レースが始まり、序盤はブリジストンの松田選手が逃げる場面もあったが、大きな逃げは決まらず。
チーム右京がコントロールすることで昨年よりハイペースで進む場面も多く、地味に集団が疲労していたであろう点は自分たちの作戦にとって有利な点ではあった。
そして、作戦通りにラスト9周から3周回、毎回登り区間でペースを引き上げた。
ペースアップの終了時点でできれば20人以下に絞り込まれていれば理想ではあったが、思ったよりも多く人数が残っていた。
もっとも、残っていても勝負に絡める動きができる選手は少なく、案の定、単騎で勝負しないといけない選手の動きによって集団はさらに絞り込まれていった。
このタイミングで自分も幸也さんの動きに反応したり、カウンターを狙ってアタックしてみたりと結構動いてみたが、うまく決めることが出来なかった。
振り返ると、このタイミングで勝負を仕掛けたかったので動き過ぎた感じは結構あった。
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キナンは思惑通り終盤に15人ほどに絞りこまれた集団に4人しっかりと残すことができ、ラスト1周手前で大喜の逃げと、追走の幸也さんへのチェックに雄大が入ることもできていた。
二人ともかなりいいタイミングで理想的な動きだったので、自分もできればよかったのだが、途中の動きでの消耗と、暑さからくる脱水と熱中症のダメージが大きく、動けなかった。
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特に暑さ対策に関してはかなり注意深く念入りな水分補給と水を頻繁に浴びることで体温の上昇を抑えていたのだが、体質や筋肉量的に発熱を抑えきることが出来なかったのが辛い部分であった。
その後、先行する3人への追走を警戒しつつ集団で走行し、3人の逃げ切りが確定させることが出来た。
自分に関してはラスト1kmを切ったあたりで、幸也さんの優勝を知ってしまい、力が抜けて集団から若干遅れた12位でゴールという結果だった。


感想

チームの作戦を完璧に遂行し、理想としていた展開に完全に持ち込めたにも関わらず、勝てなかったということがチームとして完全に力で負けた、ということだった。
単独の力で見れば幸也さんが強い、というのは誰もが承知だったわけで、そこに対して国内チームという人数を揃えれる強みを生かして勝負を仕掛けたわけだが、及ばなかった。
中盤で早々に集団にダメージを与えてレースに関われる人数を絞り込んだというのは、単独で勝負する選手にとっても有利に働く面がかなり多かったと思うが、それ以降の状況においてキナンが4人残っているという方がよほど有利に展開を運べる強みがあったと思う。
今のキナンの地力とコンディションでは表彰台を2席確保することも可能だとレース間に感じており、それを達成できたのは良かったのだが、勝てなかったというのが悔しいところ。
自分個人としても細かな動きの改善や他の選手へのチェックの方法など、改善できるところはまだあったはず、というのが個人的な悔しさ。
たしかに実力では幸也さんが抜けており強かったというのは確実な事実だったが、「全日本選手権」という、出走人数がチームによって違ったり、レース距離が非常に長いといった、この特殊な条件の重なるレース単体で考えれば、勝利することも可能なところまで来れていたと思う。
後は自分がその場に居れるように、さらなるトレーニングとレースへの対策、走り方の工夫を積み重ねていきたい。


キツさレベル
10
完全に出し切った。
攣りこそしなかったが、レース後は熱中症で意識が朦朧としていた。
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