ツアー・オブ・チンハイレイク 2016 8日目
ツアー・オブ・チンハイレイク 8日目
クラス:HCクラス・ステージレース
開催国:中国
日程:7月24日
距離:234.76km
天候:晴れ
出場チームメイト:ニコラス・マリーニ、ダニエーレ・コッリ、リカルド・スタキオッティ、石橋学、山本元喜
レヅからスタートし南東のリンキアに向うコース
177.3km地点に2級山岳が設定されていた。
レース前のミーティング
今日は自分と石橋が逃げを狙って動きそれ以外のメンバーはゴールスプリントに備えるという指示。
レースレポート
様子を見ながら動く為に中盤からスタート。
サインボードにサインをしたときに数えてみたが、すでに46人ぐらいがリタイアしているので集団が小さくなっている。
NIPPOは骨折により2人リタイアという事で23チームが出場していることを考えると平均的なリタイア人数だが、チームによっては5人以上リタイアしてしまっているチームもある。
チーム成績は上位3人の合計タイムで競われるので、そういうチームはチーム順位から除外される。
現在チーム順位は21チームで争われている。
レースが始まってすぐに石橋がアタック。
集団から先行ししばらく粘り続ける。
4人ほどで行っているのでもしかしたら決まるかもしれないと思いながら集団前方で待機する。
コルスは追っていないが、トレンガヌやリバッルが追っている。
どうせならコルスに追わせればいいのに何がしたいのか良く分からない。
かなり粘ったが追い付きかける。
そのタイミングでカウンターアタックに行く。
しばらく一人で先行しそこに1人が追いついて来て2人なる。
その後1人やって来て3人になり、更に2人が追いつき5人になる。
逃げようとするがパークホテルがローテーションに入りたがらない。
だから、リーダーチームでもないのに逃げるつもりが無いなら飛び出して来るな。
逃げが上手く回らず崩壊しかけていたので、5人の内、逃げたがっている2人を先行させて、パークホテルとやる気のないもう1人と一緒に遅れる。
そこから単独でダッシュして前に追いつく。
後ろを見るとパークホテルは付いて来ておらず3人になりローテーションをしばらく回す。
しかし結局集団に追いつかれる。
前を曳いているのはトレンガヌのメガネをかけた選手。
一旦集団に戻り様子見。
その後リバッルの選手がアタックしたので付いて行く。
自分のチームのアタックを潰すはずがないのでリバッルが前を曳かなければ決まるかもしれない、と思って反応してみた。
しかしアタックの勢いが無さ過ぎて飛び出しにすらならずに不発で終わる。
その後3人が飛び出し集団がペースを落とし逃げが決まった。
20km地点辺り。
そこからは珍しくユックリ目のペースで進む。
逃げとのタイム差を3分程でキープしたまま進んでいく。
延々と進んでいき、次の動きが現れ始めたのが130km過ぎ。
進行方向が変わる為、横風を警戒して前に上がる選手が出てくる。
自分達も前に上がっていたが、結局横風もペースアップも無くそのまま進んだ。
その次が165km過ぎ。
登りでのペースアップに備えて集団前方に上がろうとする動きが出てくる。
前に前にと上がり続けていたが、前をキープする為にかなり頑張る必要がある。
ここで頑張るぐらいだったら登りで頑張って付いて行けばいいと考えを切り替えて無理に位置取りをしないことにする。
位置取り争いを眺めながら走っているとスタキオッティがパンク。
登りの直前でかなりマズイが待ったとしても復帰できる保証が無い。
登りで集団に残ってから、上がって来るのを待って引き上げた方が良い。
集団に残る事に集中する。
すぐに山岳ポイントの登りが始まる。
最初はイーブンペースで進んでいく。
このペースで登りきるか?と思いながら前を見ているとピシュガマンが前に出てペースを上げ始める。
集団が徐々に伸びていく。
しかしこの登りは短いはず、限界まで耐えれば集団でクリアできる可能性が高い。
自分の位置もペースが上がり始める。
そこまでしんどいペースでは無い。
注意するべきは中切れのみ。
前での中切れを警戒しながら登っていく。
中切れを発生させる選手が出てくるが致命的な差が開く前に前の集団に追いつく。
ラスト1kmの看板を越える。
ここからは全力で踏み続けても耐えられる。
山頂まで付いて行けるのは確定。
集団が伸びたままで登り切り、若干のアップダウン区間に入る。
遅れた選手を引き離すためかペースが速いまま。
少ししてペースが落ち始めたので後ろに下がる。
チームカーの車列に交じりスタキオッティが上がって来るのを待つ。
中々帰って来ない。
そうこうしているうちにチームカーの車列が審判により止められる。
車列の中に紛れ込んでいた自分は集団から離れた位置に取り残される。
全力で追えば追いつける距離。
追おうかと思った時に無線からスタキオッティの声が聞こえる。
後ろを振り返ると10数名の集団がやってきている。
その集団が楽をしないようにチームカーの車列を止めたのだろう。
そこにスタキオッティがいるのであれば合流して後ろの集団が復帰するのを手伝った方が良い。
集団を待って合流し一番後ろまで下がる。
スタキオッティがいない。
チームカーが後ろに居たので呼んで状況を聞く。
スタキオッティは更に後ろの集団に居るらしい。
どうしたものか?
自分が今いる集団は前に追いつけるか分からない微妙な位置に居る。
この集団より後ろにいるスタキオッティは復帰できるかかなり微妙。
自分1人でも前に残る為にこの集団のローテーションに入って前を追った方が良いかもしれない。
それか、スタキオッティがこの集団に追いついてくるのを待ってから前を追うか?
その場合、メイン集団との差が広がり過ぎていると自分も前に追いつけなくなるリスクがある。
しかし、この山岳を越えれば残りは平坦区間のみなのでゴールスプリントになるのは確定的。
その場合、スタキオッティがいるといないのとでは勝率に大きな差が出る。
それに自分が今いる集団には登りで遅れたスプリンターが多いはず。
前を追うのを簡単には諦めないはずだし、スタキオッティがいない他チームのスプリンターばかりのこの集団が前に復帰するのを自分が手伝うのは馬鹿げている。
スタキオッティが合流してくるのを待つことにする。
集団の最後尾に付いてローテーションには加わらない。
もし、追いつけなければその時はその時、スプリンター達と共にグルペットで帰るしかないと腹を括る。
最後尾で待ち続けていたが一向に戻ってこない。
ペースも速いので当然かもしれない。
自分がいた集団が追いつく為に必死になり、メイン集団のペースが落ちたこともあり前に追いつく。
再び車列まで下がってスタキオッティを待つ。
今回はすぐにスタキオッティがやって来て合流する。
集団にまで戻るとスタキオッティのボトルが空だったので「水を取って来ようか?」と聞く。
最初は「大丈夫」と言われたが、空である事に気付いたようで「水を頼む」と言われてチームカーまで下がる。
丁度チームカーからボトルを受け取っているときに無線でコッリから「水を持ってきてくれ」と言われる。
全員分を受け取って集団の横を上がって行くが中々見つからない。
どこかで見落としたか?と不安になっていると集団のほぼ先頭に居た。
石橋が先頭で曳いていたので、コッリにボトルを渡してから「自分も回ろうか?」と聞くと「回ってくれ」という事でローテーションに加わる。
自分と石橋とサウスイーストの選手の3人でローテーションを行う。
曳いている最中に単独のアタックがかかる。
後ろにいるサウスイーストの選手が「急いで追うな、ペースで行けばいい」と言っており、アタックを見送る。
一定の差をキープしたままローテーションを続けていると追加でもう一人がアタックをかける。
それも見送る。
前の状況が分かっていないので石橋に聞くと、先ほどのアップダウン区間で一度逃げが捕まり、今はついさっき飛び出した2人が逃げている状況らしい。
2人とのタイム差が40秒の状態でラスト25kmを通過する。
そこからローテーションをしながら差をジワジワと詰めていく。
ラスト15km程で飛び出した2人が遠くに見えるようになる。
MAAPが2人でアタックを掛けてくる。
後ろから「逃がすな!」と言われて3人で交代しながら追走し捕える。
飛び出した2人がかなり近づいて来た状態でラスト10kmを切る。
本格的に差を詰めていく。
差が詰まった事で単独のアタックが掛かる。
それを追走すると最初に飛び出していた2人も吸収される。
吸収されてから少しの間をあけてイルミネイトの選手がアタック。
2番手だった自分が反応して追いかける。
後ろを見ると集団も付いて来ている。
無理にペースを上げずに淡々と踏み続け、差を少しづつ詰めていく。
かなりキツクなって来るが恐らくこれが最後の仕事。
全てを出し切るつもりで追いかけ続ける。
ラスト4km辺りであと自転車数台分というところまで差を詰めて交代。
限界だったので集団から遅れてゴールした。
その後の集団スプリントではマリーニが僅差で勝利した。
感想
久しぶりにロードレースらしい展開になってくれて助かった。
235kmという事で距離に警戒していたが、思っていたよりも楽に終わった1日だった。
ラスト35kmからの一連の仕事は普段ゴールスプリントのアシストをする場面が少ないだけにここぞとばかりに張り切って頑張った。
それだけに、ゴールスプリントで勝ってくれたのはかなり気持ちが良かった。
昨日今日とハイペースのローテションに加わって思ったが、登坂能力が若干落ちた代わりに平坦の巡行能力がかなり上がっている気がする。
登りに関しても気合を入れた上で一定のペースで登る分には耐えれるので悪くは無いと思う。
明日は休息日なのでしっかり休んで後半戦に備えたい。
ちなみに最後に曳ききったときに本日の最高心拍185bpmを記録していた。
最後の場面でここまで上げれるのはかなり調子がいい証拠だと思う。
キツさレベル
6
距離が長かったがその分ペースが安定した1日だったのでそこまで疲れなかった。
最後の曳きも調子が良かったのでダメージが残り過ぎるとい程でもないと思う。
amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!山本元喜のYouTubeチャンネルはコチラ!
山本元喜の本はコチラ!