2023ツール・ド・熊野 第2ステージ
CATEGORYレースレポート
クラス:UCI2.2
開催地:太地町
日程:6月4日
距離:103km
天候:晴れ
出場チームメイト:トマ・ルバ、ドリュー・モレ、ライアン・カバナ、山本元喜、新城雄大、津田悠義
レースレポート
初日にてチーム内の最高順位がドリューの13位という事もあり、2日目は完全にステージ優勝を狙うことにチームとして目的を定めた。
序盤から逃げを仕掛けたり反応したりはするものの、総合順位において同タイムの選手が多いことから、2回目の中間スプリントまではボーナスタイムを稼ぎたいチームが集団をまとめてくる可能性が高い、という予想だった。
レースは開始からかなり激しい展開となった。
アタックを仕掛ける選手が居るのは当然なのだが、それが登りや平坦だけでなく下り区間でも発生するので集団の伸び縮みが恐ろしく激しかった。
集団の後方に下がると激しすぎるインターバルで動いておらずとも強烈に脚を削られてしまい、何もできなくなるのでできる限り前の位置を維持し動きに反応していた。
コースの幅が狭くなる区間も多いので、登りや多少脚を使ってしまう状況であってもある程度は無理してでも前に上がるという動きを繰り返していた。

結果的には2回の中間スプリントを終えるまでに逃げは決まらなかったが、何度も大き目の先行が発生する場面があっただけでなく、集団の人数がドンドンと絞られていたので、前に攻め続ける必要があったレースであるのは間違いなかったと思う。
途中でドリューがチェーン落ちしてしまい集団から遅れてしまうその間は攻撃を仕掛けてしまうと集団のペースアップにつながってしまい、復帰が難しくなるので動きを抑えていた。
ちょうどドリューが復帰した周が2回目の中間スプリントで、それ以降はボーナスタイムを獲得できるのがフィニッシュ時のみとなる。
ゴールに向けた動きもここから意識されるため、逃げが決まりやすくなる状況でもあったので、登り手前の平坦区間でアタックし、そのまま登りを踏んでいった。
NIPPOの選手だけが反応しており、2人での抜け出しとなったが登りで踏んだことで1人になった。
後ろからペースを落としてくれ、という叫びはあったが、登りで踏んでおかないと力づくでブリッヂを仕掛けてくる選手に追いつかれて振り出しに戻る可能性があったので踏み切った。
そのまま平坦区間もペースを緩めずに踏み切って単独逃げを決められた。

登りで少人数が追いついてくるものかと考えていたが、完全に単独になってしまったのは予想外だった。
それでも、戻る意味はないのでゴールまで踏み切れるペースを意識しつつタイムトライアルのつもりで逃げていた。
リーダーチームの右京としては逃げ切らせていい状況だというのを理解したうえでの逃げだったが、他のチームが牽引を行ったりもしていたようで、タイム差が思った以上に広がらなかった。
こうなったら行けるとこまで行くしかない、と切り替えて逃げ続けていたが、2回目の登りを越えたところで後ろからトマが単独ブリッヂ。
予想外の動きでビックリしたが、キナンとしては思ってもない2人逃げとなった。
トマがかなり強力に牽引してくれて自分は短めで交代しながら逃げを維持し続けていた。
タイム差は常に40秒前後で一見すると射程圏内のようにも感じていたが、コースに直線区間が少ないため、追う側としては逃げを視認できず、そのおかげで詰めにくいだろうな、とも感じていた。
チーム右京的には最終周回までタイム差を詰めてこないだろうから、ラストの状況次第で自分が全力で牽いて発射することでトマに単独で逃げ切ってもらう展開になるかもしれないと考えつつ、逃げ続けていた。
逃げのペースとしては登りでは踏み過ぎないように抑えて平坦部で踏むことにより2人の体力を最適に使えるように調整していた。
想定通りラスト1周までは逃げ続けることが出来、その時点でタイム差は40秒だったが、何度か詰まったり離れることがあったので、後ろが調整しているか、吸収に向けてアタックがかかっている状態だろうと考えていた。
本来であればラスト1周の10kmで40秒差は吸収される展開であったが、自分が逃げだしたタイミングですら集団の人数は絞られており、結構疲弊しているように見えていたので、組織だって終えるチームはほぼないと考えていた。
そうなるとアタックによるペースアップになるのだが、それはそれで上げ下げが激しく、より集団が消耗することになる。
また、逃げがキナン2名という点も特殊で、ゴールスプリントを考える必要が無いので牽制が起きず、最後まで二人で全力で踏み切れるというのも、かなりの強みであった。
逃げ切りの確率は半々という感じではあるが、普通のレースよりは確率が高くなっているかな?という感じ。
トマから「登りは抑えて、登りを越えてからゴールまで全開で踏み切るぞ」と伝えられて心構えておく。

抑えるといった割には登りで380Wほど出ていて辛かったが、それは耐えきって平坦区間で全力でローテーションを回した。
コミッセールバイクからタイムボードが提示されるたびにタイム差が詰まってはいたが、思っていたよりも強烈には詰まってこず、やはり後ろも疲弊しているのだろうと考えていた。
実際は疲弊に加えて、ライアンが上手く立ち回ることで追走の動きがかかりにくくしてくれていた。
タイム差20秒ほどで追走とのタイム差が詰まらなくなり、ラスト2kmを切ったところで逃げ切りをほぼ確信できた。
トマが「勝っていいよ」と言ってくれたので、ゴール前でも再度確認したうえで、優勝させてもらった。

感想
チームとして最重要なレースに位置付けている熊野でステージワンツーを決められて本当に嬉しかったのと同時に安心した。
一番の目標は総合優勝ではあるが、チャンスを逃した際にはステージを狙いに行くのは大切なので、そこを抑えることが出来たのは良かった。
勝ち方もキナンとして得意とする積極的な動きで結果を残せたので良かったと思う。
レースの開催にあたって地元チームとして主催者の重いや頑張りを肌で感じていただけに、今年の悪天候で予定通りの開催が行えなかった悔しさというのも、とても感じており、そういう思いに選手として結果でこたえることが出来たのではないかと感じた。
来年以降も引き続き総合優勝を目指して頑張りたい。
キツさレベル
10
最後まで捕まるかどうかの瀬戸際で限界まで踏み続けて出し切った。
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開催地:太地町
日程:6月4日
距離:103km
天候:晴れ
出場チームメイト:トマ・ルバ、ドリュー・モレ、ライアン・カバナ、山本元喜、新城雄大、津田悠義
レースレポート
初日にてチーム内の最高順位がドリューの13位という事もあり、2日目は完全にステージ優勝を狙うことにチームとして目的を定めた。
序盤から逃げを仕掛けたり反応したりはするものの、総合順位において同タイムの選手が多いことから、2回目の中間スプリントまではボーナスタイムを稼ぎたいチームが集団をまとめてくる可能性が高い、という予想だった。
レースは開始からかなり激しい展開となった。
アタックを仕掛ける選手が居るのは当然なのだが、それが登りや平坦だけでなく下り区間でも発生するので集団の伸び縮みが恐ろしく激しかった。
集団の後方に下がると激しすぎるインターバルで動いておらずとも強烈に脚を削られてしまい、何もできなくなるのでできる限り前の位置を維持し動きに反応していた。
コースの幅が狭くなる区間も多いので、登りや多少脚を使ってしまう状況であってもある程度は無理してでも前に上がるという動きを繰り返していた。

結果的には2回の中間スプリントを終えるまでに逃げは決まらなかったが、何度も大き目の先行が発生する場面があっただけでなく、集団の人数がドンドンと絞られていたので、前に攻め続ける必要があったレースであるのは間違いなかったと思う。
途中でドリューがチェーン落ちしてしまい集団から遅れてしまうその間は攻撃を仕掛けてしまうと集団のペースアップにつながってしまい、復帰が難しくなるので動きを抑えていた。
ちょうどドリューが復帰した周が2回目の中間スプリントで、それ以降はボーナスタイムを獲得できるのがフィニッシュ時のみとなる。
ゴールに向けた動きもここから意識されるため、逃げが決まりやすくなる状況でもあったので、登り手前の平坦区間でアタックし、そのまま登りを踏んでいった。
NIPPOの選手だけが反応しており、2人での抜け出しとなったが登りで踏んだことで1人になった。
後ろからペースを落としてくれ、という叫びはあったが、登りで踏んでおかないと力づくでブリッヂを仕掛けてくる選手に追いつかれて振り出しに戻る可能性があったので踏み切った。
そのまま平坦区間もペースを緩めずに踏み切って単独逃げを決められた。

登りで少人数が追いついてくるものかと考えていたが、完全に単独になってしまったのは予想外だった。
それでも、戻る意味はないのでゴールまで踏み切れるペースを意識しつつタイムトライアルのつもりで逃げていた。
リーダーチームの右京としては逃げ切らせていい状況だというのを理解したうえでの逃げだったが、他のチームが牽引を行ったりもしていたようで、タイム差が思った以上に広がらなかった。
こうなったら行けるとこまで行くしかない、と切り替えて逃げ続けていたが、2回目の登りを越えたところで後ろからトマが単独ブリッヂ。
予想外の動きでビックリしたが、キナンとしては思ってもない2人逃げとなった。
トマがかなり強力に牽引してくれて自分は短めで交代しながら逃げを維持し続けていた。
タイム差は常に40秒前後で一見すると射程圏内のようにも感じていたが、コースに直線区間が少ないため、追う側としては逃げを視認できず、そのおかげで詰めにくいだろうな、とも感じていた。
チーム右京的には最終周回までタイム差を詰めてこないだろうから、ラストの状況次第で自分が全力で牽いて発射することでトマに単独で逃げ切ってもらう展開になるかもしれないと考えつつ、逃げ続けていた。
逃げのペースとしては登りでは踏み過ぎないように抑えて平坦部で踏むことにより2人の体力を最適に使えるように調整していた。
想定通りラスト1周までは逃げ続けることが出来、その時点でタイム差は40秒だったが、何度か詰まったり離れることがあったので、後ろが調整しているか、吸収に向けてアタックがかかっている状態だろうと考えていた。
本来であればラスト1周の10kmで40秒差は吸収される展開であったが、自分が逃げだしたタイミングですら集団の人数は絞られており、結構疲弊しているように見えていたので、組織だって終えるチームはほぼないと考えていた。
そうなるとアタックによるペースアップになるのだが、それはそれで上げ下げが激しく、より集団が消耗することになる。
また、逃げがキナン2名という点も特殊で、ゴールスプリントを考える必要が無いので牽制が起きず、最後まで二人で全力で踏み切れるというのも、かなりの強みであった。
逃げ切りの確率は半々という感じではあるが、普通のレースよりは確率が高くなっているかな?という感じ。
トマから「登りは抑えて、登りを越えてからゴールまで全開で踏み切るぞ」と伝えられて心構えておく。

抑えるといった割には登りで380Wほど出ていて辛かったが、それは耐えきって平坦区間で全力でローテーションを回した。
コミッセールバイクからタイムボードが提示されるたびにタイム差が詰まってはいたが、思っていたよりも強烈には詰まってこず、やはり後ろも疲弊しているのだろうと考えていた。
実際は疲弊に加えて、ライアンが上手く立ち回ることで追走の動きがかかりにくくしてくれていた。
タイム差20秒ほどで追走とのタイム差が詰まらなくなり、ラスト2kmを切ったところで逃げ切りをほぼ確信できた。
トマが「勝っていいよ」と言ってくれたので、ゴール前でも再度確認したうえで、優勝させてもらった。

感想
チームとして最重要なレースに位置付けている熊野でステージワンツーを決められて本当に嬉しかったのと同時に安心した。
一番の目標は総合優勝ではあるが、チャンスを逃した際にはステージを狙いに行くのは大切なので、そこを抑えることが出来たのは良かった。
勝ち方もキナンとして得意とする積極的な動きで結果を残せたので良かったと思う。
レースの開催にあたって地元チームとして主催者の重いや頑張りを肌で感じていただけに、今年の悪天候で予定通りの開催が行えなかった悔しさというのも、とても感じており、そういう思いに選手として結果でこたえることが出来たのではないかと感じた。
来年以降も引き続き総合優勝を目指して頑張りたい。
キツさレベル
10
最後まで捕まるかどうかの瀬戸際で限界まで踏み続けて出し切った。
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