ブエルタ・ア・ブルゴス2016 4日目
ブエルタ・ア・ブルゴス 2&3日目
クラス:HCクラス・ステージレース
開催国:スペイン
日程:8月5日
距離:145km
天候:晴れ
出場チームメイト:グレガ・ボーレ、ジャコモ・ベルラート、エドワード・グロス、ダニエレ・コッリ、山本元喜、アントニオ・ニーバリ、小林海
Aranda de DueroからLermaに向かうコース。
55kmと、114km地点に3級山岳が設定されていた。
レース前のミーティング
前日のステージで全員トップ集団から遅れた為、全員で逃げに挑戦しろという指示。
レースレポート
スタートラインの先頭に自分、ベルラート、グロスが並ぶ。
今までよりは少し長めのパレードを挟んでレース開始。
0km通過前からルームポッドの選手が少し飛び出していきそのままアタック。
それにベルラートが反応し5人が飛び出していく。
少し遅れてAG2Rの選手が飛び出したのでそれに着く。
前の5人に追いつき後ろを振り返ると集団が離れている。
回れ回れ、という声が上がり全力のローテーションが始まる。
メンバーはブルゴス2人NIPPOが自分とベルラート、AG2R1人、ルームポッド1人、FDJ1人、ジャイアント1人の8名。
赤いリーダージャージを着たジャイアントがローテーションを渋るがそれ以外は全力で回る。
特にAG2Rの曳きが半端無くてヤバい。
うしろに付いているだけで足に来る。
ちょくちょく後ろを確認するが追って来ている。
数名がブリッヂを試みてそれを集団が追いかけるという状態。
ローテーションに回れなくなる選手が出て来て乱れ始める。
それでもAG2Rは変わらず本気で曳いている。
自分も頑張って回るが足がかなりキツイ。
粘った結果、集団に追いつかれる。
何km粘った!?と思いメーターを確認すると6km。
集団に吸収され中盤まで飲み込まれる。
緩い登りに入る。
昨日の経験を活かして踏んで位置を下げないように気を付ける。
その後、海を含む5名の逃げが出来る。
数名がブリッヂを仕掛けようとするが失敗して集団に帰って来る。
その後も集団のペースが落ちずかなり速い。
逃げが30秒当たりの位置で見えたままレースが進む。
集団が逃げを吸収したいという雰囲気ではない。
恐らく18kmにある道が細くなる地点に向けての位置取りをしているのだろう。
自分もそこを警戒して出来る限り前に上がっておく。
そして18km地点通過。
思っていた以上に道が細くならず、集団も一気にペースを落とす。
そこから逃げとの差が一気に広がる。
昨日は集団中盤に居続けようとして無駄に消耗していたので今日は集団後方で休むことにする。
集団後方で休みながらレースが進んでいくのを見守る。
最初はアスタナが曳いていたが途中でモビスターやスカイもコントロールしていた。
緩めのペースで最初の3級山岳を登る。
今日のコースは最後が1周半の周回になっており、この登りももう一度通る。
そこからアップダウンが続き平坦区間に入る。
ペースが安定していることもありそこまでしんどくは無いが横風が吹いている。
1回目のゴールラインまで1kmを切る。
ゴール前500mから道が狭くなり石畳の登りが始まる。
集団が石畳の無いわずかなスペースを取り合って縦に伸びる。
集団後方で入ったという事もあり少しでも位置を上げておきたかったので、空いている石畳の部分を無理やりに前に上がって行く。
ゴールラインを通過し石畳の登りも終わる。
集団が1列になり思いっきり伸びている。
下りに入りペースが上がる。
登りで伸びた分を取り戻すために下りが半端無く速い。
緩い下りなので踏まなくてはいけないのだが、アウタートップでも完全に回り切っている。
アウターに入っていないんじゃないのかというぐらい思いっきり足が回っているが前から遅れそうになる。
前を見ると少しバラけている。
平坦に入る。
前と差が少し開き、頑張って追うが埋めきれずに交代する。
その集団の最後尾に付こうとするが失敗しさらに遅れる。
さらにその後ろに居た集団に合流する。
そこにNIPPOのニーバリも居た。
自分を見て少し嬉しそうに「ウェーイ、チャオ」と言ってくる。
チャオ、とか言っている場合じゃない。
今回のニーバリは絶不調。
この位置は確実にマズイ。
残り60km。
150kmのレースで60kmを残してグルペットはかなりリスクがある。
何としても前に追いつくか、20人近い集団にする必要がある。
ちなみに今は7人。
これはかなりヤバい。
自分と同じ判断をしているであろうFDJの選手が全力で前を追う。
ブルゴスの選手が2人いるが足が尽きているようで戦力にならない。
遅れてしまいたい選手が「グルペット~」と叫び出す。
今はグルペットじゃない、勝手に遅れてくれ。
追うのを諦めたのか足が終わったのか自分達の集団の人数が減っていく。
ニーバリが居ない、チャオしやがった。
前にチームカーの車列が見えるという状態でかなり長い間追い続ける。
足が尽きる、と思ったところでとうとう車列に追いつく。
そこからは車列を最大限利用して集団に追いつく。
やっと追いついたと思ったら再び3級山岳へ。
山岳入り口で集団の左側で他の選手と接触したスペインのコンチネンタルチームの選手が右側に吹き飛んでくる。
グレガと共に足止めを食らう。
グレガが「このアマチュア野郎」と罵っていた。
集団から遅れてしまったが焦らずにグレガと一緒に集団に追いつく。
ここで焦って足を使いすぎるとペースが上がった時にすぐさま千切れてしまう。
同じ千切れるにしても少しは粘りたい。
集団に追いつき休憩する。
スカイがコントロールしている。
いつペースが上がるのかとビクビクしながら登ったが結局、一定のペースのまま山頂を通過。
かなり助かった。
登りの後のアップダウン区間で海が集団に吸収される。
聞くと、あと2人逃げているらしい。
後は下りと平坦のみ、もしかしたら残れるかもしれない。
でも残ったところで何かできる訳でもないしアタックに行ってみたい。
アップダウン区間を過ぎ平坦に入りペースが落ちる。
集団後方でグレガに「調子はどうだ?」と聞かれ「まぁまぁ、アタックに行ってみたい」と言ってみる。
微妙そうな顔をされ「この後に横風が吹くから多分一緒に千切れるぞ」と言われる。
微妙そうな反応ではあったが挑戦してみた方が良いと考え前に上がれないか見てみる。
ペースが落ちてはいるが、その分集団先頭の密度が半端無いことになっており上がれそうにない。
ふと、気になり速度を確認してみると50kmオーバー。
集団内だから楽に感じているだけでかなり速い。
それでも上がれないか?と集団左から前を伺っていると、左側にスペースが出来る。
それと同時にペースが上がる。
急いで踏む、半端無い、踏んでいる足が痛い。
ユックリの時には気付けなかったが足に逃げを打てるような余裕は残っていない。
マジか!と思いながら付いて行く。
横風が始まり集団が左に寄せられる。
今なら右側は思いっきり空いている。
上がれるかも!と思い列を外してみると横風が半端無い。
即座に列に戻る。
前方の選手が左に寄せられた集団から凄い勢いで右側に抜けていく。
擬音を付けるとすればパァッン、パァッンという感じ。
なに?なに!?と思って前を見ると集団がブチブチ。
諦めた前の選手をかわして、追ってみるが前に届くわけも無く散る。
そこからは遅れた選手で集まってゴールした。
グロスが8位に入り、ニーバリがリタイアした。
感想
調子は良くなっていると思うが、登りに関しては不安がある。
足に関しては筋肉が重いといった感じで中々絶好調の時のように踏めているという感じは無い。
頭のクラクラは完全に無くなりレースに集中できている。
4日目になり集団が落ち着いてきていることもあってか、初日ほど怖いと感じる事は無くなっている。
ブエルタへ向けてかなりの数のワールドツアーチームが出場していることもあり、去年と比べてかなりレベルが上がっていると感じる。
横風での分断は前に上がっていないと残る事が出来ないというのは分かってはいるのだが、前に上がれる余裕が無いという感じ。
明日は最終日、頑張って挑みたいと思う。
キツさレベル
8
1回目のゴールライン通過後からが半端無くキツく、リタイアが頭をよぎった。
代わりに登りでペースが上がりきらなかったので登りで苦しんだというイメージは無かった。
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