2023ツール・ド・九州 第3ステージ
CATEGORY未分類
クラス:UCI2.1
開催地:大分県
日程:10月9日
距離:129km
天候:雨
出場チームメイト:山本元喜、新城雄大、孫崎大樹、ドリュー・モレ、ライアン・カバナ、畑中勇介
レースレポート
今日のステージはおなじみのオートポリスを3周後に日田市内へ下り基調で一気に駆け下りたのちに、市内を5周回る、というコースだった。
キナンとしてはライアンが総合8位に付けてはいたが、それを守るような走りはせず、積極的に全員で逃げを狙う、というかなり攻撃的な作戦で挑むこととなった。
レースはオートポリスを1周のニュートラルの後にスタートとなった。
2周目の終わりにスプリントポイントが設定されており、そこに向けてブリヂストンが集団をコントロールする気配を出していたが、何度かアタックを仕掛けて逃げを決められないか試してはみたが、ダメだった。
スプリントポイント通過後のタイミングでドリューがチェーン落ちしてしまい、集団から離れてしまったが、それを畑中さんと孫崎、雄大がフォローに回ってくれた。
自分とライアンは激しく打ち合いの続く集団先頭で逃げのタイミングをうかがいながら動いていた。
オートポリスの周回を抜け一般道に入ると時速80kmは超える下りに突入するため、技術の差によって集団が割れる可能性を警戒していたので、一般道に入る直前にアタックして3名で先行した。
お互いに踏む気が無かったため、失速はしたがカウンターでアタックを仕掛けてきた右京のプラデス選手に反応し、下りに入っていった。
ハイペースで下る中でギリギリ視界にとらえながら下るのが精いっぱいだったが、途中で後ろから2名に抜かされたことで逆に楽になった。
後ろを振り返る余裕は無かったが、先行する選手に合わせて下るだけでよくなったので、ある程度の余裕を持ちつつ、直線区間では離れた差を取り戻すべく踏みなおして埋めていた。
下り切ったところで後ろを確認すると10名弱しかいなかったが、ライアンも残っていた。
そこから遅れていた選手が追いついてきて、20名弱の集団まで膨れ上がった。
それでも、後ろに集団の姿は見えず、加えて各チームのエース級の選手がそれぞれ加わっていたことで、後ろの集団を牽引するチームが存在しないのでは?とも考えていた。
比較的スムーズに先行集団のローテーションは回っていたが、1回目の山岳ポイントを通過したのちの区間でドリューを含む数名が合流し、30名弱まで集団が膨れ上がった。
その結果、ローテーションが上手く回らなくなり始め、アタックを仕掛ける選手が出てきた。
キナンとしてはライアン、ドリュー、自分が先頭に居るので、ゴールまで行ききってしまっていい状況だったため、積極的に集団のペースを引き上げて、逃げ切りを確定すべくペースが落ちないように動いていた。
ダム周辺の激しいアップダウンで逃げの打ち合いが行われたまま2回目の山岳ポイントへ登り始める。
前半の勾配がキツイ登りでジワジワとペースが上がったことで、遅れる選手も居た。
自分も登りに入るまでに動いていたこともあり、中々に苦しい状況ではあったが、粘り切って集団で先頭を通過。
再び20名前後まで絞られた集団ではあったが、やはりあまり上手くローテーションが回らず、ペースが落ちそうになるたびに先頭に出てペースを上げなおしていたが、後ろが付いて来ないことで先行する場面もあった。
直線的な下り区間に入ってからはアタックの打ち合いが本格的になり始め、自分も積極的に反応はしていた。
ステージ狙いと総合狙いの動きが絡み合って動いており、ステージ狙いの自分は総合狙いの選手とは逃げたくないわけだが、総合狙いの選手は逃げを外さないように動いているので、中々チャンスが無かった。
何度も打ち合いを繰り返した後に、ライアンとビクトワールのダイボール選手、ARAの選手の3人逃げが決まった。
これを確実にするべく、追走の動きをしっかりと潰した結果、アスタナの総合1位2位の2名と右京の武山選手の3名による集団の牽引が始まった。
ちなみにアスタナの2位の選手は昔NIPPOでチームメイトだったアントニオ・ニバリ。
コントロールの後ろをビクトワールとARA、キナンで固めていたが、他のチームが牽引に加わる様子もなかったので、位置を下げて後ろの方で休んでいた。

逃げの3名と1分半で後方の集団と2分差ほどでレースが進み、周回コースに入った後にアスタナが牽引を緩めて後方集団と合流した。
集団のコントロールはアスタナのアシスト選手達と、ブリッツェンと右京とシマノの協力体制が出来上がっていた。
しかし、プラデス選手の総合を守りたい右京はともかくとして、シマノとブリッツェンが牽く意味はあまり無いように感じたため、ローテーションに加わっていたアベタカさんに、なぜローテーションに回っているのか尋ねてみたところ、「監督の指示」とのことだった。
アスタナのアシスト勢が消耗すれば、総合で2位に付けているニバリも牽引に加わらなければならなくなるため、場合によっては終盤の局面で消耗したニバリを遅れさせることでライアンやドリューの総合を上げることが出来る。
したがって、意味のないローテーションへの参加は阻止したかったため、アベタカさんに状況を説明しようとしていたが、後ろからニバリに「何も言うな」的なニュアンスのことを言われる。
まぁ、ニバリの立場からすれば、それはそう(笑)
また、先ほど話した際にアベタカさんの様子が結構かたくなだったので、話をしても意味が無い気がしたこともあり、諦めて集団内で休んでいた。
終盤にかけて逃げ3名とのタイム差は詰まっていったが、同時にアシスト選手も少しずつ削れていき、ラスト1周では逃げ切りの可能性がかなり高まっていた。

もし、ライアンの逃げが捕まった際に、総合で遅れないようにアシストするべく集団最後尾で構えていたが、逃げ切りの可能性が高い、という事で集団からアタックがかかった際に反応できるように同じく後方にいたドリューを集団の先頭付近まで引き上げた。
そして案の定、ラスト5kmの登りでペースが上がり、必死に食らいついていたが諸々の疲労の蓄積で耐え切れず。
集団から千切れたものの、復帰を目指して延々と踏み続けて1分弱遅れでのゴールとなった。

先頭では限界ギリギリで踏み切って逃げ切ったライアンが2位に入ってくれた。
感想
序盤から積極的に動くことができ、一時的にはかなりチャンスな状況にも持ち込めていたが、微妙なところで生かし切れずに終わった感じがあった。
コンディション的には中々悪くなく動くことが出来ていたので、個人的にはあと一歩リザルトが欲しい、という何とも言えない結果となった。
チームとしては最終日にステージを狙うと決めて挑んだレースで、2位に入ることが出来たので良かった。
キツさレベル
9
メイン集団に吸収されてからは休めていたが、全体的な疲労の蓄積でしっかりと消耗していた印象が強い。
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開催地:大分県
日程:10月9日
距離:129km
天候:雨
出場チームメイト:山本元喜、新城雄大、孫崎大樹、ドリュー・モレ、ライアン・カバナ、畑中勇介
レースレポート
今日のステージはおなじみのオートポリスを3周後に日田市内へ下り基調で一気に駆け下りたのちに、市内を5周回る、というコースだった。
キナンとしてはライアンが総合8位に付けてはいたが、それを守るような走りはせず、積極的に全員で逃げを狙う、というかなり攻撃的な作戦で挑むこととなった。
レースはオートポリスを1周のニュートラルの後にスタートとなった。
2周目の終わりにスプリントポイントが設定されており、そこに向けてブリヂストンが集団をコントロールする気配を出していたが、何度かアタックを仕掛けて逃げを決められないか試してはみたが、ダメだった。
スプリントポイント通過後のタイミングでドリューがチェーン落ちしてしまい、集団から離れてしまったが、それを畑中さんと孫崎、雄大がフォローに回ってくれた。
自分とライアンは激しく打ち合いの続く集団先頭で逃げのタイミングをうかがいながら動いていた。
オートポリスの周回を抜け一般道に入ると時速80kmは超える下りに突入するため、技術の差によって集団が割れる可能性を警戒していたので、一般道に入る直前にアタックして3名で先行した。
お互いに踏む気が無かったため、失速はしたがカウンターでアタックを仕掛けてきた右京のプラデス選手に反応し、下りに入っていった。
ハイペースで下る中でギリギリ視界にとらえながら下るのが精いっぱいだったが、途中で後ろから2名に抜かされたことで逆に楽になった。
後ろを振り返る余裕は無かったが、先行する選手に合わせて下るだけでよくなったので、ある程度の余裕を持ちつつ、直線区間では離れた差を取り戻すべく踏みなおして埋めていた。
下り切ったところで後ろを確認すると10名弱しかいなかったが、ライアンも残っていた。
そこから遅れていた選手が追いついてきて、20名弱の集団まで膨れ上がった。
それでも、後ろに集団の姿は見えず、加えて各チームのエース級の選手がそれぞれ加わっていたことで、後ろの集団を牽引するチームが存在しないのでは?とも考えていた。
比較的スムーズに先行集団のローテーションは回っていたが、1回目の山岳ポイントを通過したのちの区間でドリューを含む数名が合流し、30名弱まで集団が膨れ上がった。
その結果、ローテーションが上手く回らなくなり始め、アタックを仕掛ける選手が出てきた。
キナンとしてはライアン、ドリュー、自分が先頭に居るので、ゴールまで行ききってしまっていい状況だったため、積極的に集団のペースを引き上げて、逃げ切りを確定すべくペースが落ちないように動いていた。
ダム周辺の激しいアップダウンで逃げの打ち合いが行われたまま2回目の山岳ポイントへ登り始める。
前半の勾配がキツイ登りでジワジワとペースが上がったことで、遅れる選手も居た。
自分も登りに入るまでに動いていたこともあり、中々に苦しい状況ではあったが、粘り切って集団で先頭を通過。
再び20名前後まで絞られた集団ではあったが、やはりあまり上手くローテーションが回らず、ペースが落ちそうになるたびに先頭に出てペースを上げなおしていたが、後ろが付いて来ないことで先行する場面もあった。
直線的な下り区間に入ってからはアタックの打ち合いが本格的になり始め、自分も積極的に反応はしていた。
ステージ狙いと総合狙いの動きが絡み合って動いており、ステージ狙いの自分は総合狙いの選手とは逃げたくないわけだが、総合狙いの選手は逃げを外さないように動いているので、中々チャンスが無かった。
何度も打ち合いを繰り返した後に、ライアンとビクトワールのダイボール選手、ARAの選手の3人逃げが決まった。
これを確実にするべく、追走の動きをしっかりと潰した結果、アスタナの総合1位2位の2名と右京の武山選手の3名による集団の牽引が始まった。
ちなみにアスタナの2位の選手は昔NIPPOでチームメイトだったアントニオ・ニバリ。
コントロールの後ろをビクトワールとARA、キナンで固めていたが、他のチームが牽引に加わる様子もなかったので、位置を下げて後ろの方で休んでいた。

逃げの3名と1分半で後方の集団と2分差ほどでレースが進み、周回コースに入った後にアスタナが牽引を緩めて後方集団と合流した。
集団のコントロールはアスタナのアシスト選手達と、ブリッツェンと右京とシマノの協力体制が出来上がっていた。
しかし、プラデス選手の総合を守りたい右京はともかくとして、シマノとブリッツェンが牽く意味はあまり無いように感じたため、ローテーションに加わっていたアベタカさんに、なぜローテーションに回っているのか尋ねてみたところ、「監督の指示」とのことだった。
アスタナのアシスト勢が消耗すれば、総合で2位に付けているニバリも牽引に加わらなければならなくなるため、場合によっては終盤の局面で消耗したニバリを遅れさせることでライアンやドリューの総合を上げることが出来る。
したがって、意味のないローテーションへの参加は阻止したかったため、アベタカさんに状況を説明しようとしていたが、後ろからニバリに「何も言うな」的なニュアンスのことを言われる。
まぁ、ニバリの立場からすれば、それはそう(笑)
また、先ほど話した際にアベタカさんの様子が結構かたくなだったので、話をしても意味が無い気がしたこともあり、諦めて集団内で休んでいた。
終盤にかけて逃げ3名とのタイム差は詰まっていったが、同時にアシスト選手も少しずつ削れていき、ラスト1周では逃げ切りの可能性がかなり高まっていた。

もし、ライアンの逃げが捕まった際に、総合で遅れないようにアシストするべく集団最後尾で構えていたが、逃げ切りの可能性が高い、という事で集団からアタックがかかった際に反応できるように同じく後方にいたドリューを集団の先頭付近まで引き上げた。
そして案の定、ラスト5kmの登りでペースが上がり、必死に食らいついていたが諸々の疲労の蓄積で耐え切れず。
集団から千切れたものの、復帰を目指して延々と踏み続けて1分弱遅れでのゴールとなった。

先頭では限界ギリギリで踏み切って逃げ切ったライアンが2位に入ってくれた。
感想
序盤から積極的に動くことができ、一時的にはかなりチャンスな状況にも持ち込めていたが、微妙なところで生かし切れずに終わった感じがあった。
コンディション的には中々悪くなく動くことが出来ていたので、個人的にはあと一歩リザルトが欲しい、という何とも言えない結果となった。
チームとしては最終日にステージを狙うと決めて挑んだレースで、2位に入ることが出来たので良かった。
キツさレベル
9
メイン集団に吸収されてからは休めていたが、全体的な疲労の蓄積でしっかりと消耗していた印象が強い。

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