ブエルタ・ア・ブルゴス2016 5日目
ブエルタ・ア・ブルゴス 5日目
クラス:HCクラス・ステージレース
開催国:スペイン
日程:8月6日
距離:162km
天候:晴れ
出場チームメイト:グレガ・ボーレ、ジャコモ・ベルラート、エドワード・グロス、ダニエレ・コッリ、山本元喜、小林海
CaleruegaからLagunas de Neilaに向かうコース。
21kmと、66km、105km地点に3級、123kmと152kmに2級、133km1級、ゴールに超級山岳が設定されていた。
レース前のミーティング
ベルラートは最後まで残れる可能性があるのでそこまで積極的には動かず、自分、グロス、海が逃げを狙うという指示。。
レースレポート
スタートラインの先頭付近に並ぶ。
短めのパレード中に集団のほぼ先頭に出る。
0km地点通過と同時にグロスがアタックに反応する。
自分も踏み始めるとチェーンが落ちる。
急いで元に戻そうとするが上手くいかず。
その間にもドンドン失速していき抜かされていく。
仕方が無いので一度降りて直そうとするがフロントディレイラーがおかしくなっている。
チームカーが止まりメカニックが来てくれるが直せずバイクチェンジ。
そこから追走開始。
とは言ったものの相当遅れている。
カーペーサーして貰い取りあえず車列に追いつく。
そこから復帰する為に車列を上がって行こうとするが、集団のペースが速いのか中々上がれない。
平坦や下りで車列を上がっては登りで下がるを繰り返す。
しばらくして遠くに集団が見えだす。
そこからかなり時間がかかって徐々に前に上がって行く。
ボトルの水を飲もうとする。
バイクにボトルが付いていない。
バイクチェンジをしたせいでボトルが無い。
ちなみにメーターも付いていない。
ボトルも無い、メーターも無い、脚も無い。
かなりヤバい辛い。
しばらくしてやっと集団に追いつく。
そうとうヘロヘロ。
どうしようもない。
復帰まで35kmもかかったらしい。
しかも……逃げが決まっていない。
だからずっとペースが速く中々追いつけなかった訳だ。
登りでアタックが掛かり、ペースが上がる。
当然耐えきれずチームカーの車列に逆戻りする。
下りに入ったところで一気に集団に復帰する。
ヘロヘロ、マジでキツイ。
ベルラートが下がって来てくれてボトルを1本くれる。
ボトルの中身を半分くらい一気に飲み干す。
そこからしばらくしてやっと逃げが決まりペースが落ち着く。
66kmにある3級山岳に向かう登りに入る。
ちなみにメーターが無いせいで自分が今何kmを走っているのかは分からない。
追い込み過ぎたせいで相当辛い。
自分のあまりの顔の死にっぷりにAG2Rの選手に笑われる。
3級山岳をクリアし少し余裕が出来たのでボトルを取りに下がる。
多めにボトルを受け取って集団に戻る。
全員にボトルを配り終えたところで自分の後輪がパンクする。
マ・ジ・カ!
無線でパンクを伝えてチームカーがやって来てくれたところで後輪を交換する。
後輪を交換し復帰している最中に補給所に入る。
チームカーが止まっていたり補給員が道路に立っていたりしてかなり危険。
無線から「補給所だから気を付けろ」と言われる。
しかし補給所では集団のペースが落ちるので復帰の絶好のチャンス。
全力で踏んで、止まっているチームカーの横をすり抜ける。
前方を見ると道路の横断をしている人が何故かいる。
ペースを落とす訳にはいかないので、全力で叫んで自分の存在を知らせる。
自分が迫る事に気付いた小太りのおじさんが慌てた顔で急いで道路を渡る。
渡るな、引き返せとは思ったが、自分もおじさんを軽く躱して再加速。
そのおかげか意外と簡単に復帰することが出来た。
でも足はかなり限界。
かなり気分も悪くて捕食も食べる気が起きない。
レース中には気が付かなかったが前半に水を飲めていなかったせいで軽く脱水になっていた。
捕食を食べないとエネルギーが尽きるので押し込むように口に入れて食べる。
105kmの3級山岳に向かう登りに入る。
ペースが全然上がっていないがメチャクチャキツイ。
千切れたい。
遅れてしまいたい。
一瞬冷静になり、気持ちが折れているんじゃないかと考える。
気持ちが折れているせいでキツクもないのにキツイと思い込んでしまっているんじゃないか?と。
………違う、脚がキツイ。
肺は問題ないが足がキツイ。
心が折れているせいでキツイのでは無く、脚がキツ過ぎるせいで心が折れている。
マジでキツイ!
ペースが速くも無いのにキツイ。
千切れたいと思いながらもギリギリ付いて行けるペースのせいで千切れることも出来ず山頂を通過する。
下りに入る。
コーナーが連続し集団が伸びているのが分かる。
終わりが近づいて来ている。
下り切ったところで伸びた集団が縮むために加速。
踏める余裕など微塵も無く一瞬で千切れる。
チームカーがやって来て「すぐそこに集団があるぞ追いつけるぞ!」と言われるが限界突破状態。
そのまま力尽きて遅れていき降りた。
感想
1日中キツかった。
比喩表現では無く本当に辛かった。
最初に負ったダメージがデカすぎて1日中苦しみ続ける最悪の1日だった。
なんの罰を受けているのかという程にキツかった。
限界まで追い込むことが出来たので良かったと思う事にする。
しっかり休んで回復させてトレーニングを頑張って次のレースに挑みたいと思う。
キツさレベル
11
キツかった以外の言葉が浮かばないぐらい本当にキツかった。
降りてからしばらくの間ぶっ倒れていた。
amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!山本元喜のYouTubeチャンネルはコチラ!
山本元喜の本はコチラ!