ジャパンカップ 2016
ジャパンカップ
クラス:HCクラス ワンデーレース
開催国:日本
日程:10月23日
距離:144.2km
天候:曇り
出場チームメイト:ダミアーノ・クネゴ、ピエールパオロ・デネグリ、小石・佑馬、山本元喜、イウリ・フィロージ
栃木県宇都宮市で行われた日本最高ランクのレース。
レース前のミーティング
自分とフィロージで逃げに乗るようにという指示。
残りのメンバーは後半に備える。
レースレポート
昨年は開始5秒で逃げが決まったこのレース、今年もそうなる可能性が高いと踏んではやめに並びに行く。
20分前に並びに行くとほとんど誰もおらず先頭に並んでレース開始を待つ。
自分のいる右側には他のNIPPOの選手も並んでいる。
フィロージは自転車だけ置いて近くにあるスターターの人が立つ台に座っている。
スタートの時間が近づくにつれて徐々に選手が増えていく。
逃げに乗るようにという指示のため最初が重要で集中するとともに心拍数が上がる。
若干緊張した状態でレースが開始される。
パレード無しの号砲スタート。
シューズをペダルに固定してアタックをかける選手に反応するために左側に目を向ける。
アタックがかかりそれに反応する。
自分の右後方でガチャガチャとメカトラっぽい音が鳴り「オーゥ、〇×△□」とフィロージが言っている。
一体何をやっているのか。
アタックに反応し飛び出す、ローテーションを回し逃げを図るが集団が追いついてくる。
古賀志の登りが始まる。
中途半端に後ろに下がると飲み込まれて上がれなくなる可能性がある。
登りでペースが上がらないわけだし先頭で登り切る方がいい。
上手くいけば中切れで逃げが決まる可能性もある。
頂上まで失速しないペースをイメージして踏んでいく。
遅くはない。
しかし足が重い。
これは調子がいいとは言えないな……。
そんなことを思いながら踏んでいく。
一瞬後ろを確認すると集団が1列になってはいるが逃げが決まる雰囲気ではない。
頂上まで300mを切ったところでキャノンデールの選手二人が後ろから抜いてくる。
このレースではワールドツアーの選手が逃げを打つことは少ない。
ペースをコントロールして安全に下るつもりだろうか?
キャノンデールの後ろにブリジストンやキナンの選手が付いて行き6人ほどに抜かされる。
頂上手前でそこからキャノンデールを含む4人の選手がアタック。
前に上がってきたワールドツアーの選手が5人ほどで先頭に蓋をする。
これは判断ミス。
完全に油断していた。
下りで何とか抜かして前に出ようとするが抜かすことが出来ない。
クレイジーな動きをして藪に突っ込んでいくわけにもいかないので抜かせない。
集団の下るペースはかなり遅い。
飛び出した選手は全力で下っているはずなので差はどんどん開いて行っているだろう。
焦るが前に出れないという状況が続き、下りのほぼ終わりでやっと抜け出すことに成功する。
一気に踏んで前を追いかけるが前には誰もいないし、見えない。
どうするか、と思って後ろを振り返ると集団が全力で追ってきていて追いつかれる。
自分が飛び出しても潰されるだろうと判断し集団内に戻る。
その後集団からの後追いが1人逃げに追いつき5人の逃げが形成された。
その後体感的にはそれほどペースが落ちずにレースが進む。
逃げにキャノンデールの選手を含む強力なメンバーが入っているためか、差が3分以上に広がらず登りも結構踏んでいるため辛い。
デネグリに指示されながら集団内で位置取りを行う。
前の方に上がりすぎるとデネグリから「ワールドツアーチームの前には無理に入るな、自分たちはワールドツアーの後ろに付ける」と言われる。
そこからしばらくは集団のワールドツアーの後ろで位置取り。
比較的前方にいるおかげで古賀志の下りで伸びる集団の影響を受けにくく体力を温存できる。
だがイマイチ良くない。
結構しんどいしジワジワと足が削られて行っているのが分かる。
正直、去年のジャパンカップほど走れる気がしない。
そんなことを思いながら周回数を減らしていくとデネグリが何かに気付いた様子で自分たちに聞いてくる。
「フィロージはどこに行った?」
確かにしばらくの間フィロージを見ていない。
しかし自分たちに聞かないで欲しい。
クネゴが無線機で「全員で固まって動いているのだから、フィロージ前に上がってこい」というとしばらくして何食わぬ顔でフィロージ合流。
そこから周回数をさらに重ねる。
重ねるごとに、足がヤバいという思いが大きくなっていく。
ラスト6周に入る。
補給所でボトルを受け取ったが、混雑していたせいで結構後ろに下がってしまう。
急いで前に上がろうとするが、その時に集団が結構絞られていることに気が付いた。
やはり集団の前方を維持していないと辛いのだろう。
古賀志の登りで頑張って前に上がっていくが上がり切れずに山頂を越える。
案の定下りで伸びた集団に引きずられて相当足を使ってしまう。
ヤバいヤバい、と思いながら平坦区間で頑張って前に一気に上がって他のメンバーと合流する。
合流したが結構ヘロヘロこれはまずい。
集団前方で一緒に頑張って付いて行きラスト5周の古賀志を登る。
今度はうまく前方で登り切れたが辛い。
残れる気があまりしない。
集団が逃げを吸収するためにペースを上げだしていたせいで集団の比較的前方で下り切ったにも関わらず、平坦部のペースアップで相当踏むことになる。
必死こいて付いて行きラスト4周へ。
登りでペースが上がっているわけではないが踏み切れず、付いて行けない。
ジワジワと遅れていき登りの頂上の前で千切れてしまう。
頂上が見えたタイミングでは集団がギリギリ視界に入っていたが、下りがうまいわけではないので追いつくことが出来ずに遅れてしまう。
ラスト3周に入る前にそのままチームのテントに向かいDNF。
感想
完全にコンディショニング不足という感じであったが、せっかく出場したのにそれは言い訳にはできないと思う。
気持ちの面においては今シーズン初の日本でのレースということもありかなりノリノリだったのだが、残念だった。
最初の逃げに加わることが出来なかったというのが今回の結果のすべてだったと思う。
あそこで失敗した時点で自分の結果としてはダメだった。
去年には後半で動くことが出来ていたので今年それが出来なかったというのは自分的にかなりマイナス。
状況やコンディションはあるにしても、前回から後退するというのは良くない。
どんな状況であろうとも先に進もうと、自分の目標に向かって進もうとする姿勢は絶対に必要であると思うし、そうでなければいけないと思う。
チームが変わるということで色々と話題にしてもらっているというのは注目してもらえる存在だということでうれしい限りではあるが、まずは今年のNIPPOでの最終レースであるタイフンレイクにベストなコンディションで挑めるように集中しなおして挑みたいと思う。
キツさレベル
9
全体的に辛かった上に、DNFになる数周前ではヘロヘロになりながら付いて行っていたのでかなりしんどかった。
正直ダサかったと思うので走っていて中々恥ずかしかった。
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