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ツール・ド・熊野 2ndステージ

クラス:2.2クラス ステージレース
開催国:日本
日程:6月3日
距離:109.3m



天候:晴れ
出場チームメイト:ジャイ・クロフォード、マルコス・ガルシア、リカルド・ガルシア、トマ・ルバ、山本元喜、中島康晴

熊野地域で開催される4日間のステージレース。
キナンが主催していることもありチームにとってシーズンで一番重要なレース。


レース前のミーティング

トマかジャイが逃げに入り、そこに自分が加われればベスト。
入れなかった際には集団で粘るという作戦。


レースレポート

パレード中に先頭の位置をキープしスタートラインに先頭で並ぶ。
号砲でレーススタート。
昨日はペダルを嵌めるのに日配して少し遅れたが今日は上手く嵌る。
集団先頭位置をキープしてアタックの様子を伺う。
今日のコースはスタート後に登りと平坦が繰り返されると聞いている。
しょっぱなから全開でアタックに行くと集団に飲まれてから上がってこれなくなる。
踏み切ってしまわないように気を付ける。
アタックが何度かかかるが基本的には動かない。
集団先頭付近を維持して追走の最後尾に反応していく。
こうすることで一気に脚を消耗することは無い。
何度もアタックが繰り返されては吸収を繰り返す。
トマやジャイが入った大きい飛び出しには自分も反応していく。
徐々に脚に来る。
周りの選手の様子と比べれば自分の疲労度はまだマシな感じだが、結構辛い。
登りの勾配が結構あるところでトマがアタックに行く。
勢いがある訳ではないが、登りの勾配がキツイこともあり付いて行けない。
追走が何度かかかるがタブリズが一人でブリッジに成功しただけで他は全て吸収されて逃げが決まる。
そこからシマノがコントロール開始。
結構なハイスピードで追うためタイム差が1分程から開かない。
そのまま千枚田に向かっていく。
キナンの集団に残っているメンバー全員で位置を前に上げる。
登りに少しでも前で入った方が有利。
先頭を牽くシマノのほぼ真後ろで千枚田の登りに入る。
登りの中盤まで行ったところでマルコスがアタック。
ここで仕掛けるのはどうなんだ!?と思い動きを見守る。
集団前方にマルコスの動きに反応できる選手はおらず、単独で飛び出していく。
ブラインドコーナーが多くすぐに姿が確認できなくなる。
マルコスが飛び出してすぐにシマノと共に先頭のローテーションに加わっていた畑中さんがチームメイトに「前を追え」というハンドシグナルを出していたが、道が狭い&集団前方が詰まっているせいでプジョルが前に上がってこれない様子。
しばらくしてマルコスの姿が殆ど見えなくなったところでプジョルが登場。
集団のからアタックしていく。
簡単に逃がす訳が無くリカルドが反応して付いて行く。
集団も縦に伸びて追う。
勾配が急でないこともあり自分も少し遅れながら付いて行く。
登り切ったところでプジョルとリカルド含む4名ほどと少し離れている。
逃げにはトマ、前にマルコスとリカルドがいる以上、自分が追う必要は全くない。
頂上で即座に横にどけて交代し、後ろの選手を前に出す。
集団がかなり分解していたようで後ろにはタブリズの選手しかおらず、その後ろに付く。
下りで徐々に前との差が詰まっていく。
あと少しで追いつく、というところでハイスピードでコーナーに突っ込み過ぎて後輪がスリップ。
曲がり切れずにオーバーランして落ち葉に突っ込む。
落車はせず、バランスを立て直し、後ろから抜いて行く集団に復帰する。
集団にギリギリ付いて行き、下り切ったところでプジョルとリカルドに追いつく。
プジョルが先頭を牽きその後ろにリカルドがピッタリとマークしている。
プジョルがかなりの勢いで先頭を牽くので誰も前に上がってこれない。
マルコスが登りで仕掛けた時にはかなり心配したが、結果としてプジョルが追わなければいけない立場になり、登りでペースアップしたことでアシスト選手が後ろに取り残されてしまいプジョル自身が先頭を牽くことになっている。
飛び出しているマルコスだけで無くプジョルも消耗しているはずなので悪くない展開。
しばらくして右京のアシストに回っている選手が追いついてきて先頭に上がってくる。
ジョンと畑中さん、徳田優が先頭でハイスピードのローテーションを回す。
タイム差が表示され、逃げ集団と50秒、マルコスと22秒。
これは逃げには追いくのが厳しいタイム差。
右京のローテーションにシマノが加わる。
そのすぐ後ろにキナンが陣取る。
マルコスが吸収される。
札立峠の入り口で位置取りが激しくなるが、前方をキープ。
札立峠の登りが始まる。
登り始めて即座にジャイがアタック。
一瞬、右京のジョンが追おうとするが止めて集団のペースをコントロールする。
ジャイは総合で1分半遅れているので先行させても大丈夫という判断だろう。
ジワジワとジャイとの差が広がっていく。
優が前に上がって来てコントロールを始め、ジョンが下がる。
優がコントロールしたままジャイが見えなくなる。
半分以上登ったところで満を持してプジョルがアタックする。
そこにマルコスとリカルドが付いて行く。
2人が行ったので自分はペースを維持する。後ろの選手が抜きにくいように左側を閉じる。
バラバラと4人ほどが追加のアタックを仕掛けていく。
自分はペースを維持して登る。
チラリと後ろを確認すると数名しか付いて来ていない。
後ろから一気に踏んで追い抜いて来る選手もいるが、自分のペースを維持してすぐに追いつく。
プジョルとマルコス、リカルドを含む集団が直線部分でチラチラ見える。
下りに入れば追いつくのは厳しい。
脚に余裕ができたので一気に踏んで前を追う。
後ろは付いて来ていない。
一気に踏み切って前に追いつく。
6人程の集団。
山頂までラスト1kmの看板を過ぎる。
飛び出していたジャイが吸収される。
かなり苦しい、早く追いつき過ぎたかもしれない。
しかしここで粘らなければ意味が無い。
根性を絞り出して付いて行く。
粘り切って山頂通過。
下りに入る。
マルコスが先頭でガンガン飛ばし、プジョルがそれに付いて行く。
その後ろにリカルド、タブリズ、自分と続く。
タブリズが遅れる。
タイミングを見てタブリズを抜かすが、開いた差を埋めるテクニックが自分にある訳ではない。
リカルドが徐々に見えなくなっていく。
後ろからジャイが声を掛けて自分を抜いて行く。
その後3人ほどに抜かされたところで下りが終了。
少し前にいたタブリズに追いつく。
更にその前にいた2人に追いつく。
マルコス、リカルド、ジャイが前に行っているので自分はローテーションに加わらず。
特にタブリズが全力で牽いてくれたおかげで前に追いつく。
前に追いついたがジャイがいない。
下りでこけている様子は無かったので、追いついてアタックを仕掛けたのだろう。
その証拠にプジョルが牽き始める。
先頭集団は11名ほどでプジョルの他も色々なチームが1人ずつ入っており、唯一キナンだけが3人も入っている。
逃げにはトマが入っており、ジャイが飛び出している以上キナンとしてはローテーションに加わらなくていい。
集団内で様子を見る。
パラパラとアタックがかかりはするが吸収される。
かなりペースが緩んでいたこともあり登りで遅れた選手が後ろから追いついて来る。
20名近い集団になって下りに入る。
この下りは千枚田の下りと同じコース。
1回目でオーバーランした箇所に気を付けながら前に付いて行く。
今回は集団から遅れずに下れた。
下り切って緩やかなアップダウン区間に入る。
集団のペースが上がらない代わりにアタックがかかり始める。
総合に絡んでくる可能性のある有力選手がアタックを仕掛けた際には自分も反応する。
チェックが目的なので後ろに付いて前には出ない。
マルコスから「ゲンキの総合順位はトップに近い位置にいるからチャンスがあれば逃げた方が良い」と言われる。
マルコスが動けない現状、自分であればチャンスがある可能性もある。
プジョルもアタックするが集団が即座に反応し、流石に飛び出せない。
そうこうしている内に後ろから中島さんを含む結構な人数が追いついて来る。
ジョンと優が前に出てきてコントロールする。
その真後ろにキナンが4人で並ぶ。
優が牽き切り集団を離れ、ジョンが牽く。
飛び出していたジャイが吸収される。
千枚田前のコーナー連続区間の手前で前にいた中島さんが位置を譲ってくれる。
恐らく登りで付いて行くのがキツイという事だろう。
先頭の位置取りが激しくなってくるが場所を守る。
ジョンが先頭のまま登り始める。
結構速いペース、中々辛い。
ここで千切れてなるものか、と粘る。
ジョンが牽き切って下がる。
そこでプジョルがアタック。
マルコスとリカルド、タブリズが食らいつく。
千枚田はこの先も長い、ここで反応しては頂上までもたない。
自分の限界ギリギリ上ぐらいのペースで踏み続ける。
心拍180、相当キツイ。
途中で数名に抜かされるが気にしない。
後ろを見るとバラバラ。
前方にリカルドとタブリズが見える。
自分を抜いて行った愛三の早川さんともう一人が前に合流して4人になる。
千枚田のラスト1kmほどは勾配が緩くなる。
そこで一気にもがいて前に追いつく。
相当キツイ、心拍190。
頂上手前でペースが上がるが死ぬ気で食らいつく。
5人で山頂通過、下りへ。
下りで早川さんとタブリズが抜け出ていく。
1回目でオーバーランしたこともあり攻めきれない。
3番手で下りに入ったが、途中で何人かに抜かれる。
下りが直線的になったところでリカルドのところまでが1つになる。
タブリズと早川さんは抜け出したまま。
ここで別のタブリズが更にアタックをかける。
下りではあるが直線的、ここでコイツを行かす訳にはいかない。
すぐに反応し、少し遅れた状態で下り切った先にあるコーナーを曲がる。
コーナー立ち上がりを全力でもがき前に追いつく。
タブリズがガンガン踏んでいく。
自分に交代を要求するが首を振って拒否する。
意図を理解したようでタブリズは黙々と前を追う。
前2人に追いつき4人の集団になる。
早川さんに「自分は前を牽けない」と伝える。
トマが逃げており、マルコスがそこにブリッジを仕掛けに行っている。
ラスト10数kmのこの状況で前に追いつく必要があるのはタブリズと早川さん。
自分としては前に選手が増えることでチームメイトの勝てる確率を減らす手伝いは出来ない。
むしろこの3人に前を牽かせることで疲労させ、追いついても勝負に絡めないようにしておくのが自分の仕事。
自分も追いつくことができれば総合上位に入ることが確定するが、ここで自分のメリットを優先してしまってはチームにとっては裏切者になる。
タブリズ2人と早川さんは全力でローテーションを回して前を追う。
ラスト10kmの看板を越える。
タブリズのナンバーを確認する。
22番と25番、昨日逃げ切った選手。
なるほど、ここで追いつければ総合上位に入ることができるからここまで必死なのだろう。
自分としては前に追いつこうが追いつかまいが、最後にはここからアタックして抜け出してゴールする必要がある。
この2人よりも総合順位が下位の自分は2人にタイム差をつけてゴールしない限り総合順位を上げることができない。
後ろで脚を溜める。
ラスト2kmを切り、前から右京の平塚さんとブリヂストンのモニエが順に千切れてくる。
ラスト1kmで前4人が見える。
恐らくプジョルとマルコスもいる。
もし、ここで追いつければ自分としては総合順位ジャンプアップの大チャンス。
そのためには先ほど同様、飛び出してタイム差をつけてゴールしかない。
心の準備をしながら脚を溜める。
そしてラスト500mで前に合流、8人に。
追いついた勢いそのまま左側からアタック。
一気に踏んで後ろを見る、離れている。
そのまま踏む。
相当脚がキツイ。
ここまで付き位置だったからといって完全に負荷が無かったわけでは無いし、登りでのダメージもある。
それでも踏む。
ラスト200m、本当に脚が重い、ペースが落ちる。
ラスト100m、失速、直後に右側から集団に抜かれる。
そこからは全然踏めず、昨日同様3秒遅れでゴール。

チームは逃げ切りでトマが優勝、集団先頭をマルコスが抑えて3位、それによりマルコスの総合順位が3位に浮上。
自分はステージ9位で総合7位に浮上。
今日の結果で2位のタブリズと42秒差でチーム総合1位に浮上。


感想

最初は余裕が無く逃げに入ることができなかったが、それ以降の山岳で毎回、集団のほぼ先頭に残ることができていたので相当良かったと思う。
ツアー・オブ・ジャパンの反省が生かせている証拠でもあると思う。
チームとしても今日のレース展開は常に攻撃的なもので先手を取れていたので非常に良かったという話になっている。
キナン主催のレースで日頃お世話になっている多くの方々の前で活躍する姿を見てもらえたのは良かったと思うし、選手としてもとても嬉しかった。
現在の自分の総合順位は7位で、4位の西薗さんに続く日本人で2番目。
UCIポイント圏内に入ることができているのは非常にいいことだと思う。


キツさレベル

度重なる登りでのペースアップで相当苦しんだ。
しかし部分部分では休むことができていたのでオールアウトして千切れるよりは幾分マシ。
疲労をしっかりととって最終日の明日に備えたい。


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