パワートレーニングに関して
CATEGORYレース
今回は競技志向の方向けの話。
パワートレーニングに関する記事になります!
パワートレーニングに関する記事になります!
自分が自転車を始めた頃から比べると想像できない程に普及してきているパワーメーター。
皆さんの中にも使っている!という方は多いのではないでしょうか?
さて、そのパワーメーターですが所有されている方はどれくらい使いこなされているのでしょうか?
せっかくのパワーメーターも正しい使い方が出来ていなければ「ただ高いだけのパーツ」になり下がってしまいます。
例えば「毎日のトレーニングで左右差を確認して左右均等に踏めるようにしている!」や「トレーニング後にどれだけ踏んでいたか確認している!」こういう使い方。
これでは使いこなせているとは言いません。
高級なおもちゃを買った程度になってしまいます。
左右差なんてどうでもいいのです。
右が強かろうと左が強かろうと踏めば進むのですから。
充分な力を付けた後に気にするべきなのが左右差なので順序が逆です。
トレーニング後にどれだけ踏んでいたか確認するのも間違っています。
パワーメーターは「トレーニング中に踏む力を調整するために使う」ことで真価を発揮するのです。
パワーメーターの真価はインターバルトレーニングにおいて発揮されます。
10分走や2分走、低ケイデンスでの筋力強化トレーニング、こういうトレーニングにおいて「最適な出力」を維持しながら踏むために使用することでやっと金額相応の価値が出てくるわけです。
さて、ではその「最適な出力」というのはどうやって知ることが出来るのか?という事ですが……。
専門のトレーナーの方に聞いてみたり、専門書籍で調べて下さい!
などとは言いません。
なぜなら調べると意外に簡単に見つかるから。
秘密にする必要が無いわけです。
しかし、専門用語を知っていたり「知ろうとしなければ辿り着けない」というのもまた事実。
という事でこのブログを見てもらっている方には知ってもらおうというのが今回の記事の目的です。
それでは本題へ。
「最適な出力」を知る上でのキーワードが「FTP」
「FTP」とは英語の略なのですがそれはどうでもいいんです。
その意味が大事で「60分間全力で踏み続けれる限界の出力」という意味を持っています。
パワートレーニングではこの数値に係数を乗算して各メニューに対する「最適な出力」を求めます。
という事で、パワーメーターを持っている皆さん!60分間の全力TTを行ってください!
無理ですね。
まず場所がありませんし、あったとしてもペース配分を失敗してろくな数値が出ません。
なので別の方法でその数値を算出します。
代表的な方法としては「20分の全力走」と「MAPテスト」があります。
自分的には「MAPテスト」を推奨します。
「20分の全力走」はその平均値からFTPを算出するのですが、条件によって数値が多少変動しますし、集中する必要があるので一般公道で行うには少し危険です。
特に夏場において20分の全力走はその暑さから「死」を意味します。
後半の辛くなったタイミングで下を向いてしまい事故を起こす危険もありますし。
一定の勾配が延々と続く登りでなければ出力はかなり乱れてしまうので測定値がブレます。
そもそもの自分にとっての問題として「20分間登り続ける登り」が存在しないという点があります。
その点において「MAPテスト」は機材さえ揃えればどこでも簡単に行うことが出来ます!
必要なのは「やる気」と「死ぬ気」だけです。
必要な機材は、自転車、パワーメーター、固定ローラーのみです!
少ないですよね!すでに持っておられる方も多いのではないでしょうか?
そしてやり方。
① 15分間ウォーミングアップする
絶対にここで踏まないで下さい。汗ばむ程度のウォームアップで大丈夫です。
② 150Wで計測開始。
テスト開始です。最初は150Wで踏み始めて下さい。
③ 1分ごとに25Wずつ上げていく。
1分終了後に175W、2分終了後に200Wと脚を止めることなく出力を上げて言ってください。
④ 踏めなくなったところでテスト終了。
死ぬ気で踏み続けてぶっ倒れそうになるか、完全に踏めなくなった時点でテスト終了です。後半は本当に地獄の苦しみですが最後まで踏み切らないと数値が計測できませんので死ぬ気で追い込んでください。
やり方を見てもらうと分かると思いますがこのテスト、相当辛いです。
どれくらい辛いのか分かりやすいように自分のMAPテストの動画をYouTubeにアップしています。
ラスト1分辺りが必死の形相になっているので見てみて下さい!
https://youtu.be/r3TXzf5LnGg
汗の量も半端なくかきますので室内でクーラーMax&タオル常備をオススメ。
基本のやり方は今説明した感じなのですが、自分の場合は1分毎に10W上昇に変更しています。
また、前輪だけ8cmほど高くしておくと踏みやすくなります。
このテストの利点は「天候に左右されず」「いつでも同じ条件で」「少ない時間で測定できる」という部分にあります。
FTPというのは体重やコンディションによって常に変動していくので定期的に測定する必要があります。
高すぎても低すぎてもオーバーワークや練習不足に陥るからです。
選手の理想的には月に1回のペースで測定するのが望ましいと聞いたことがあります。
FTP測定の際には前日、或いは前2日のトレーニング量を落としてコンディションを調整する必要があるため、前後のトレーニングプランとの兼ね合いで測定の日程が天候で左右されるとかなり困ります。
室内で行える「MAPテスト」その心配をする必要がありませんし、今の時期のような夏場でも問題なく行う事が出来ます。
また、普段使用している自転車を利用することで「ポジションの調整」や「パワーメーターが変わる事への不安」もありません。
専門の設備では専用の測定バイクを使用しますが、ポジション調整に手間取ります。
また、普段から使用しているパワーメーターを使う事で数値の確実性も保証されます。
1回の測定が1時間以内で確実に終わるというのもこの測定方法の利点でもあります。
忙しい方にもオススメ出来る方法ですね。
データの記録に関してはガーミン等で記録したものから解析します。
1分ごとにラップを計測しておけば終了後にすぐ数値を確認することが出来ます。
ラップを取るのが面倒くさいという方は少しコツが要りますがGolden Cheetahのような解析ソフトを使用することで算出することが出来ます。
さて、この「MAPテスト」で測定したデータの利用方法に関してです。
必要なのは「ラスト1分」の平均出力のみになります。
そのため最後まで死ぬ気で踏む必要があるのです。
慣れてくれば「これ以上は確実に踏めない」というラインが分かりますが、初めて行う場合には「ぶっ倒れる限界」まで踏む必要があります。
健康状態が良くない場合には測定しないで下さい。
この「ラスト1分の平均出力」が「MAP」になります。
「FTP」は「MAP」のだいたい75%と考えられていますので0.75を乗算することで「FTP」を算出することが出来ます。
さてここで算出された「FTP」が「1時間持続できる最大出力である」という事を前提に、MAPに係数を乗算することでトレーニングメニューにおける最適な出力を算出します。
簡単に紹介しますと
10分走は「MAP」×0.7
2分走は「MAP」×0.83
SFRは低ケイデンスで「MAP」×0.55~0.7
といった具合です。
実際のトレーニングではこれに加えて「ケイデンス」「1セットの本数」「インターバル時間」「セット数」「セット間インターバル」「フォーム指定」「メニューの組み合わせ」といった複数の要素で構成されます。
ローラートレーニングも似たような内容で構成され、1時間でぶっ倒れるレベルのメニューを組むことが出来ます。
この詳しい内容に関しては選手のトップシークレットであり、正に「企業秘密」となっています。
それに紹介してもバリエーションが多すぎて書き切れません。
という訳で今回紹介した「MAPテスト」による「FTP」の推定とそれを利用したトレーニング。
パワーメーターを所有されている方は体調を整えたうえでぜひ測定してみて下さい。
パワーメーターに興味を持たれた方には自分も提供を受けているPower2Maxがおススメです。
※「MAPテスト」による「FTP」の算出は、『「FTP」が「MAP」の約75%である』ということを前提条件の上に行われています。しかし、一般の方の場合この条件が当てはまらず、もっと低い%である場合があります。「MAPテスト」による「FTP」の値に実走での感覚とのズレを感じる際には20分走などで再確認することが必要になります。 amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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皆さんの中にも使っている!という方は多いのではないでしょうか?
さて、そのパワーメーターですが所有されている方はどれくらい使いこなされているのでしょうか?
せっかくのパワーメーターも正しい使い方が出来ていなければ「ただ高いだけのパーツ」になり下がってしまいます。
例えば「毎日のトレーニングで左右差を確認して左右均等に踏めるようにしている!」や「トレーニング後にどれだけ踏んでいたか確認している!」こういう使い方。
これでは使いこなせているとは言いません。
高級なおもちゃを買った程度になってしまいます。
左右差なんてどうでもいいのです。
右が強かろうと左が強かろうと踏めば進むのですから。
充分な力を付けた後に気にするべきなのが左右差なので順序が逆です。
トレーニング後にどれだけ踏んでいたか確認するのも間違っています。
パワーメーターは「トレーニング中に踏む力を調整するために使う」ことで真価を発揮するのです。
パワーメーターの真価はインターバルトレーニングにおいて発揮されます。
10分走や2分走、低ケイデンスでの筋力強化トレーニング、こういうトレーニングにおいて「最適な出力」を維持しながら踏むために使用することでやっと金額相応の価値が出てくるわけです。
さて、ではその「最適な出力」というのはどうやって知ることが出来るのか?という事ですが……。
専門のトレーナーの方に聞いてみたり、専門書籍で調べて下さい!
などとは言いません。
なぜなら調べると意外に簡単に見つかるから。
秘密にする必要が無いわけです。
しかし、専門用語を知っていたり「知ろうとしなければ辿り着けない」というのもまた事実。
という事でこのブログを見てもらっている方には知ってもらおうというのが今回の記事の目的です。
それでは本題へ。
「最適な出力」を知る上でのキーワードが「FTP」
「FTP」とは英語の略なのですがそれはどうでもいいんです。
その意味が大事で「60分間全力で踏み続けれる限界の出力」という意味を持っています。
パワートレーニングではこの数値に係数を乗算して各メニューに対する「最適な出力」を求めます。
という事で、パワーメーターを持っている皆さん!60分間の全力TTを行ってください!
無理ですね。
まず場所がありませんし、あったとしてもペース配分を失敗してろくな数値が出ません。
なので別の方法でその数値を算出します。
代表的な方法としては「20分の全力走」と「MAPテスト」があります。
自分的には「MAPテスト」を推奨します。
「20分の全力走」はその平均値からFTPを算出するのですが、条件によって数値が多少変動しますし、集中する必要があるので一般公道で行うには少し危険です。
特に夏場において20分の全力走はその暑さから「死」を意味します。
後半の辛くなったタイミングで下を向いてしまい事故を起こす危険もありますし。
一定の勾配が延々と続く登りでなければ出力はかなり乱れてしまうので測定値がブレます。
そもそもの自分にとっての問題として「20分間登り続ける登り」が存在しないという点があります。
その点において「MAPテスト」は機材さえ揃えればどこでも簡単に行うことが出来ます!
必要なのは「やる気」と「死ぬ気」だけです。
必要な機材は、自転車、パワーメーター、固定ローラーのみです!
少ないですよね!すでに持っておられる方も多いのではないでしょうか?
そしてやり方。
① 15分間ウォーミングアップする
絶対にここで踏まないで下さい。汗ばむ程度のウォームアップで大丈夫です。
② 150Wで計測開始。
テスト開始です。最初は150Wで踏み始めて下さい。
③ 1分ごとに25Wずつ上げていく。
1分終了後に175W、2分終了後に200Wと脚を止めることなく出力を上げて言ってください。
④ 踏めなくなったところでテスト終了。
死ぬ気で踏み続けてぶっ倒れそうになるか、完全に踏めなくなった時点でテスト終了です。後半は本当に地獄の苦しみですが最後まで踏み切らないと数値が計測できませんので死ぬ気で追い込んでください。
やり方を見てもらうと分かると思いますがこのテスト、相当辛いです。
どれくらい辛いのか分かりやすいように自分のMAPテストの動画をYouTubeにアップしています。
ラスト1分辺りが必死の形相になっているので見てみて下さい!
https://youtu.be/r3TXzf5LnGg
汗の量も半端なくかきますので室内でクーラーMax&タオル常備をオススメ。
基本のやり方は今説明した感じなのですが、自分の場合は1分毎に10W上昇に変更しています。
また、前輪だけ8cmほど高くしておくと踏みやすくなります。
このテストの利点は「天候に左右されず」「いつでも同じ条件で」「少ない時間で測定できる」という部分にあります。
FTPというのは体重やコンディションによって常に変動していくので定期的に測定する必要があります。
高すぎても低すぎてもオーバーワークや練習不足に陥るからです。
選手の理想的には月に1回のペースで測定するのが望ましいと聞いたことがあります。
FTP測定の際には前日、或いは前2日のトレーニング量を落としてコンディションを調整する必要があるため、前後のトレーニングプランとの兼ね合いで測定の日程が天候で左右されるとかなり困ります。
室内で行える「MAPテスト」その心配をする必要がありませんし、今の時期のような夏場でも問題なく行う事が出来ます。
また、普段使用している自転車を利用することで「ポジションの調整」や「パワーメーターが変わる事への不安」もありません。
専門の設備では専用の測定バイクを使用しますが、ポジション調整に手間取ります。
また、普段から使用しているパワーメーターを使う事で数値の確実性も保証されます。
1回の測定が1時間以内で確実に終わるというのもこの測定方法の利点でもあります。
忙しい方にもオススメ出来る方法ですね。
データの記録に関してはガーミン等で記録したものから解析します。
1分ごとにラップを計測しておけば終了後にすぐ数値を確認することが出来ます。
ラップを取るのが面倒くさいという方は少しコツが要りますがGolden Cheetahのような解析ソフトを使用することで算出することが出来ます。
さて、この「MAPテスト」で測定したデータの利用方法に関してです。
必要なのは「ラスト1分」の平均出力のみになります。
そのため最後まで死ぬ気で踏む必要があるのです。
慣れてくれば「これ以上は確実に踏めない」というラインが分かりますが、初めて行う場合には「ぶっ倒れる限界」まで踏む必要があります。
健康状態が良くない場合には測定しないで下さい。
この「ラスト1分の平均出力」が「MAP」になります。
「FTP」は「MAP」のだいたい75%と考えられていますので0.75を乗算することで「FTP」を算出することが出来ます。
さてここで算出された「FTP」が「1時間持続できる最大出力である」という事を前提に、MAPに係数を乗算することでトレーニングメニューにおける最適な出力を算出します。
簡単に紹介しますと
10分走は「MAP」×0.7
2分走は「MAP」×0.83
SFRは低ケイデンスで「MAP」×0.55~0.7
といった具合です。
実際のトレーニングではこれに加えて「ケイデンス」「1セットの本数」「インターバル時間」「セット数」「セット間インターバル」「フォーム指定」「メニューの組み合わせ」といった複数の要素で構成されます。
ローラートレーニングも似たような内容で構成され、1時間でぶっ倒れるレベルのメニューを組むことが出来ます。
この詳しい内容に関しては選手のトップシークレットであり、正に「企業秘密」となっています。
それに紹介してもバリエーションが多すぎて書き切れません。
という訳で今回紹介した「MAPテスト」による「FTP」の推定とそれを利用したトレーニング。
パワーメーターを所有されている方は体調を整えたうえでぜひ測定してみて下さい。
パワーメーターに興味を持たれた方には自分も提供を受けているPower2Maxがおススメです。
※「MAPテスト」による「FTP」の算出は、『「FTP」が「MAP」の約75%である』ということを前提条件の上に行われています。しかし、一般の方の場合この条件が当てはまらず、もっと低い%である場合があります。「MAPテスト」による「FTP」の値に実走での感覚とのズレを感じる際には20分走などで再確認することが必要になります。 amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!
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