ディスクブレーキに関する個人的な見解
徐々に広がりを見せつつあるディスクブレーキに対する自分の見解です。
目次
知識的にはディスクブレーキが乗り気じゃなかった理由企業の策略に抵抗を感じる山本元喜
実際にディスクブレーキを使ってみての感想
少ない力でブレーキできることによるメリットは非常に多い
特に雨の日のブレーキ性能は抜群
知識的にはディスクブレーキが乗り気じゃなかった理由
皆さんはディスクブレーキをご存知でしょう。今ロードで主流になっているリムでのブレーキと違い、ハブの周囲に取り付けられた金属製の円盤を挟み込むことでブレーキするアレです。
少し前にヨーロッパのプロロードレースで使用されるも、円盤で切れる可能性があるので使用中止という判断が下されたアレです。
確かにブレーキの利きはかなり良いと聞いていましたが、正直に言って自分はあまり乗り気ではありませんでした。
理由としては
・今のブレーキ性能で十分
・そもそもブレーキの利きが良くなったところでタイヤが耐えれずスリップする
・熱せられた円盤で怪我する可能性がある
・そもそも、コンポーネント企業が買い替えを促進したいがために出している商品でしょ?
と言った具合の考え方がかなり大きかったです。
企業の策略に抵抗を感じる山本元喜
特に4つ目に関してはディスクブレーキが登場した一番の理由だろうと自分は考えていました。だって、たいていの人は満足のいく自転車を一度購入すれば買い替えないでしょ?
破損したとしてもそのパーツを交換するだけのはずです。
ですが、ブレーキシステムを完全にディスクブレーキに移行することが出来れば既存の顧客に新たな需要を生み出す訳です。
そうなればフレームも買い替えに至るためにフレーム企業もウハウハです。
フレームの会社がメインスポンサーになっているチームも多いヨーロッパレースで一早くディスクブレーキが導入されたのも頷けます。
少しでも早くディスクブレーキに対応するフレームを販売したメーカーは新商品に食いつくタイプの顧客の需要を引き込むことが出来るわけです。
チームに宣伝効果が求められる以上は作り出したフレームを選手に乗って宣伝してもらう必要もある訳です。
やはり注目が一番集まるためにその効果が一番大きいヨーロッパレースでの使用許可を降ろさざるを得なかったのでしょう。
実際にディスクブレーキを使ってみての感想
さて、そんなディスクブレーキに対する自分の見解はと言いますと……。かなり良い感じなんじゃないか?というのが正直なところです。
ほんの少し前までは上にも挙げたようにかなり否定的な立場でした。
ですが、Panasonicさんにe-bikeのXM-1を提供して頂いた際に取り付けられていたディスクブレーキを扱ってみて考えが一気に変わりました。
上に上げたようにブレーキの減速の性能としては現在ですでに頭打ちだと思っている自分としては良くブレーキが利くという点には何のメリットも感じませんでした。
では、一体ディスクブレーキのどの点に良さを感じたのか?と言いますと、ブレーキをかける際に必要な力の少なさです。
リムのブレーキに比べて圧倒的に少ない力で同じブレーキ性能を発揮することが出来ます。
少ない力でブレーキできることによるメリットは非常に多い
これに何の意味があるのか?というと、長い下りや指先の感覚がマヒするような寒い日のレースに非常に適しています。リムブレーキの現状では下り終わった際に手がかなり疲れていたり、手が動きにくく反応が遅れるという事態も発生するため、かなり大きなメリットだと言えると思います。
どちらかというと選手よりも普段に趣味で乗られている方の方がメリットは感じやすいのではないかと思います。
やはりヒルクライム系のイベントで事故が起こりやすいのは下りですので、少ない力で確実に減速できるディスクブレーキは安全面においてかなり優位に立つのではないでしょうか。
当然ブレーキの感覚はリムブレーキと大きく変わってきますがそこは「慣れるしかない」としか言いようがありません。
使ってみた感覚だと急にブレーキが利くという事も無かったので十分に調整しつつブレーキングが可能だと感じました。
ブレーキローターに対する安全対策にはまだまだ考えるべき点は存在すると思いますが、
特に雨の日のブレーキ性能は抜群
安全にブレーキングするという面ではリムブレーキに対して完全な優位性を持っています。特に雨の日のブレーキ制動力には大きな差が生まれます。
リムブレーキの場合にはリムに張り付いている水の膜が剥がれないと制動が効きません。
それに比べてディスクブレーキは関係なく制動を効かすことができるので、タイムラグが無くブレーキできるわけです。
ただでさえ反応が遅れる雨の日に素早くブレーキを効かすことができるというのは、レースの面でも非常に大きなメリットです。
欠点ばかりが先行して目立ったためにあまりいいイメージを持っていない方もおられるかもしれませんが、機会があればぜひ試してみてください。
その良さを実感できるのではないでしょうか?

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