ジェイコ・ヘラルドサン・ツアー 2日目
CATEGORYレースレポート
クラス:2.1クラス ステージレース
開催地:オーストラリア
日程:2月6日
距離:121km
天候:晴れ
開催地:オーストラリア
日程:2月6日
距離:121km
天候:晴れ
平均ワット:231W
最大ワット:921W
※パワー2マックスでの測定
出場チームメイト:1中島康晴、2トマ・ルバ、3マルコス・ガルシア、4サルバドールグアルディオラ、5山本元喜、6椿大志、7新城雄大
オーストラリアの南側、メルボルンから少し離れた地域で開催されている、1クラスのステージレース。
参加チームには、EF、ミッチェルトン、サンウェブ、イスラエルなど、ワールドチームが4つも出場する豪華さ。
ちなみにレース名のジャイコはキャンピングカーの製作会社、ヘラルドサンは地元の新聞会社らしい(椿談)
レース前のミーティング
今日は最後に山岳があるので、トマ、サルバ、マルコスはそこにフォーカスし、他の選手はそのアシスト。
もしチャンスがあれば逃げに乗る、という方針。
レースレポート
さて、今日のレースはどうしたものか。

今回のレースを通して、1度は逃げに入りたい、という目標を持っているがそれがどの日か、というのは具体的に決めていない。
チャンスがあれば、という感じではあるが、脚の状態的にそこまで自信を持って挑むことが出来る感じでもない。
かといって動かなことには逃げに入ることはできないし、もし逃げに入れるチャンスが今日で最後だったとして、それが分かるのは最終日になってから。
結局は後のことを考えてどうこうするよりも、逃げたいのであれば常に動くしかないのであろう。
なんてことを考えていたらレースが始まっていた。
前を見ると集団が伸びている。
とりあえず、前に上がるか、と思いつつ先頭に上がる。
先頭に出たタイミングでアタックがかかったので、スルリと反応する。
先に3人が逃げており、それを追うメンバーに加わる。
しかしイマイチ噛み合っておらず、自分が単独でブリッヂを仕掛ける。
かなり速い前に何とか追いつき、状況を確認すると、オリバー、ブリッヂレーン、黄色のチーム。
4人でローテーションを回しながら逃げを決めにかかるが、滅茶苦茶速い。
調子の微妙さもあって「ヤバイ、これはヤバイ、もたない、千切れる」と思いながら必死に食らいつく。
最初に黄色のチームが千切れて3人になる。
ローテーションが短くなったことでさらに追い込まれる。
オリバーが登りでグリグリ踏み始め、自分が千切れる。
7分半375W
ダメだ、集団に帰りたい、と心が折れていると後ろから、最初に一緒に抜け出したメンバーのうち、唯一の生き残りであるブラックスポークの選手が追いついてくる。
自分より先に千切れた黄色ジャージの選手を添えて。
やめておけばいいのに、そこに合流しローテーションを回す。
後ろを振り返ると、集団があまり離れていない。
心が折れそうになるが、一生懸命頑張る。
前の2人と詰まらないし、後ろもあまり離れない。
かなり辛いが我慢する。
しばらくして後ろを見ると、集団が離れ始め、代わりに2人の追走が生まれている。
オリバーとブリッヂレーンの2人、自分達3人、後ろに2人、集団という形で山頂を通過。
下りで後ろの2人が追いつき、5人で前の2人を追う。
前2人も分が悪いと踏んだのか、5人と合流し7人の逃げが形成される。
メンバーは、オリバー、ブリッヂレーン、ブラックスポーク、ネロ、黄色のチーム2人、自分。
自分以外のメンバーは結構、踏めており、平坦と下りが相当速い。

反面登りはかなり抑えており、ペースで登っている。
ローテーションが始まって早々に、「中間スプリント欲しいか?」と他の選手から聞かれるが、明らかに力で負けているので「いらない」と答えておく。
しばらくしてチームカーが上がって来たのでボトルを受け取りつつ、「調子がよろしくないので、ほどほどにしておきます」と伝えておき、許可してもらう。
その後しばらくはローテーションが回るのだが、オリバーが強い。

オリバーは高速ローテーションでペースを上げたいのだが、他の選手が対応できず、長めに牽くローテーションになる。
自分はというと、一番大きい選手の後ろに入り少しでも楽しようと、狡い走りを繰り出す。
30km過ぎの1回目の中間スプリントはもがきたい選手だけがバトルし、自分含む他のメンバーは巡行を継続。
再び一つにまとまった逃げ集団だったが、それからしばらくしたところで、オリバーが「遅いお前らなんかと一緒に逃げれるかよ!」とでも言うかのようにアタックして行く。
どうせ帰って来るだろう、と暖かい目を向けていたが、彼が逃げ集団に帰って来ることは無かった。
6人になった逃げ集団は協調しながら逃げを続ける。
残りの距離も少しずつ減っていく。
自分の個人的な目標としては、ラスト30kmから始まる登りの途中までは逃げたい。
さすがに登りの入り口で捕まってしまうと、集団に付いていくのは無理だし、大幅に遅れればタイムアウトの可能性もある。
無駄足を使わない事、少しでも逃げ集団で粘ることが自分のミッションである。
しばらくすると、ブリッヂレーンの選手が明らかに辛そうな走り方になってくる。
強いはずなのにおかしいな……、なんて呑気に考えていると、それから少し先でアタックしていった。
「え? 何? 集団来たから最後のアタック?」などと戸惑いながら、振り返るが集団の影も形もない。
いったいブリッジレーンは何がしたいんだ?と不思議に思いながら、残ったメンバーでローテーションを回して追うが、自分達が追いつく前に、ブリッヂレーンがオリバーに追いつく。
「なるほど、三味線弾いて、脚溜めて、一気にアタックしてオリバーに追いつきたかったのね! こりゃ一本取られたぜ!」
なんて言っている場合ではない。
オリバーもブリッヂレーンも脚が有るなら協力して逃げを維持すればいいのに、なぜ、他を置き去りにする!?
全員で協力した方が絶対に楽なはずなのに、なぜ、弱者を切り捨てるのか!?
と半泣き。
実は理由は分かっている。
この先の85km地点にある中間スプリント! ではなく、「アグレッシブライダー賞」だろう。
前回のニュージーランド遠征でも苦しめられた、逃げ崩壊を引き起こす諸悪の根源。
「一番積極的に動いた選手に与えられる」という凄いフワフワした判断基準で与えられるあの賞だ。
この時点で心が折れつつある自分は黄色ジャージの選手一人と共にローテーションに回らなくなり始める。
心も折れかけているが、脚もかなり辛い。
無理すればまだ、踏む力は残っているが、この先で待ち受ける30kmの登りの考えると、余裕はない。
当然、ローテーションに回らない選手は必要無いわけで、しばらくしたところでブラックスポークがアタックする。
85kmのスプリントポイント3km手前辺り。
もういいかな、と思い、そこには反応せずに、黄色ジャージの1人と遅れる。
逃げは粉砕され、オリバーとブリッヂレーン、ブラックスポークとネロと黄色ジャージ、自分と黄色ジャージに分断される。
黄色ジャージの選手が「集団と3分半」と教えてくれたので、少しでも粘れるように、完全に流すのではなく、ペースを保って走り続ける。
中間スプリントを通過し、87km地点のKOMスタート看板を越える。
山頂まで30km。
後ろを振り返ると、集団まで100mくらいで絶望する。
逃げとして、一番捕まってはいけないタイミングで追いつかれた。
ここから待っているのは、ただの地獄。
集団に追いつかれ最後尾にへばりつく。
この登りは前半は3%ほど。
集団に付けるのであれば、付いた方がまだ楽。
頑張ってへばりつくが、ここでオールアウトしてしまっては元も子もない。
ギリギリのペースを維持し耐えるが、ラスト27km辺りで千切れる。
自分より早くに諦めていた選手も多く、自分が千切れてからもパラパラと千切れてくる選手がいたので、そういった選手と合流しつつ頂上を目指す。
前もって調べておいた、タイムリミットをこまめに計算しつつ、安全圏でゴールできるように、ある程度頑張って踏みつつ、中島さんと一緒にゴールした。

集団の先頭では、途中でサルバがアタックして見せ場をつくり、トマが最後まで粘り9位に入った。

感想
今日は辛かった。
調子もイマイチというのはあるが、そもそも逃げたメンバーがかなり強力だったというのもある。
2時間で830m登りつつ、時速42kmで逃げているので、辛くて当然ではある。
疲労感が結構残っているので、なんとかリカバリーしないと最終日に到達できない可能性があるので、何とかしたい。
キツさレベル
10
辛かった。
心が折れかけたがゴールを目指して頑張れた。
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今回のレースで使用しています。
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今回のようなある程度の距離があり勾配が急な坂のあるコースで本領を発揮します。
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最大ワット:921W
※パワー2マックスでの測定
出場チームメイト:1中島康晴、2トマ・ルバ、3マルコス・ガルシア、4サルバドールグアルディオラ、5山本元喜、6椿大志、7新城雄大
オーストラリアの南側、メルボルンから少し離れた地域で開催されている、1クラスのステージレース。
参加チームには、EF、ミッチェルトン、サンウェブ、イスラエルなど、ワールドチームが4つも出場する豪華さ。
ちなみにレース名のジャイコはキャンピングカーの製作会社、ヘラルドサンは地元の新聞会社らしい(椿談)
レース前のミーティング
今日は最後に山岳があるので、トマ、サルバ、マルコスはそこにフォーカスし、他の選手はそのアシスト。
もしチャンスがあれば逃げに乗る、という方針。
レースレポート
さて、今日のレースはどうしたものか。

今回のレースを通して、1度は逃げに入りたい、という目標を持っているがそれがどの日か、というのは具体的に決めていない。
チャンスがあれば、という感じではあるが、脚の状態的にそこまで自信を持って挑むことが出来る感じでもない。
かといって動かなことには逃げに入ることはできないし、もし逃げに入れるチャンスが今日で最後だったとして、それが分かるのは最終日になってから。
結局は後のことを考えてどうこうするよりも、逃げたいのであれば常に動くしかないのであろう。
なんてことを考えていたらレースが始まっていた。
前を見ると集団が伸びている。
とりあえず、前に上がるか、と思いつつ先頭に上がる。
先頭に出たタイミングでアタックがかかったので、スルリと反応する。
先に3人が逃げており、それを追うメンバーに加わる。
しかしイマイチ噛み合っておらず、自分が単独でブリッヂを仕掛ける。
かなり速い前に何とか追いつき、状況を確認すると、オリバー、ブリッヂレーン、黄色のチーム。
4人でローテーションを回しながら逃げを決めにかかるが、滅茶苦茶速い。
調子の微妙さもあって「ヤバイ、これはヤバイ、もたない、千切れる」と思いながら必死に食らいつく。
最初に黄色のチームが千切れて3人になる。
ローテーションが短くなったことでさらに追い込まれる。
オリバーが登りでグリグリ踏み始め、自分が千切れる。
7分半375W
ダメだ、集団に帰りたい、と心が折れていると後ろから、最初に一緒に抜け出したメンバーのうち、唯一の生き残りであるブラックスポークの選手が追いついてくる。
自分より先に千切れた黄色ジャージの選手を添えて。
やめておけばいいのに、そこに合流しローテーションを回す。
後ろを振り返ると、集団があまり離れていない。
心が折れそうになるが、一生懸命頑張る。
前の2人と詰まらないし、後ろもあまり離れない。
かなり辛いが我慢する。
しばらくして後ろを見ると、集団が離れ始め、代わりに2人の追走が生まれている。
オリバーとブリッヂレーンの2人、自分達3人、後ろに2人、集団という形で山頂を通過。
下りで後ろの2人が追いつき、5人で前の2人を追う。
前2人も分が悪いと踏んだのか、5人と合流し7人の逃げが形成される。
メンバーは、オリバー、ブリッヂレーン、ブラックスポーク、ネロ、黄色のチーム2人、自分。
自分以外のメンバーは結構、踏めており、平坦と下りが相当速い。

反面登りはかなり抑えており、ペースで登っている。
ローテーションが始まって早々に、「中間スプリント欲しいか?」と他の選手から聞かれるが、明らかに力で負けているので「いらない」と答えておく。
しばらくしてチームカーが上がって来たのでボトルを受け取りつつ、「調子がよろしくないので、ほどほどにしておきます」と伝えておき、許可してもらう。
その後しばらくはローテーションが回るのだが、オリバーが強い。

オリバーは高速ローテーションでペースを上げたいのだが、他の選手が対応できず、長めに牽くローテーションになる。
自分はというと、一番大きい選手の後ろに入り少しでも楽しようと、狡い走りを繰り出す。
30km過ぎの1回目の中間スプリントはもがきたい選手だけがバトルし、自分含む他のメンバーは巡行を継続。
再び一つにまとまった逃げ集団だったが、それからしばらくしたところで、オリバーが「遅いお前らなんかと一緒に逃げれるかよ!」とでも言うかのようにアタックして行く。
どうせ帰って来るだろう、と暖かい目を向けていたが、彼が逃げ集団に帰って来ることは無かった。
6人になった逃げ集団は協調しながら逃げを続ける。
残りの距離も少しずつ減っていく。
自分の個人的な目標としては、ラスト30kmから始まる登りの途中までは逃げたい。
さすがに登りの入り口で捕まってしまうと、集団に付いていくのは無理だし、大幅に遅れればタイムアウトの可能性もある。
無駄足を使わない事、少しでも逃げ集団で粘ることが自分のミッションである。
しばらくすると、ブリッヂレーンの選手が明らかに辛そうな走り方になってくる。
強いはずなのにおかしいな……、なんて呑気に考えていると、それから少し先でアタックしていった。
「え? 何? 集団来たから最後のアタック?」などと戸惑いながら、振り返るが集団の影も形もない。
いったいブリッジレーンは何がしたいんだ?と不思議に思いながら、残ったメンバーでローテーションを回して追うが、自分達が追いつく前に、ブリッヂレーンがオリバーに追いつく。
「なるほど、三味線弾いて、脚溜めて、一気にアタックしてオリバーに追いつきたかったのね! こりゃ一本取られたぜ!」
なんて言っている場合ではない。
オリバーもブリッヂレーンも脚が有るなら協力して逃げを維持すればいいのに、なぜ、他を置き去りにする!?
全員で協力した方が絶対に楽なはずなのに、なぜ、弱者を切り捨てるのか!?
と半泣き。
実は理由は分かっている。
この先の85km地点にある中間スプリント! ではなく、「アグレッシブライダー賞」だろう。
前回のニュージーランド遠征でも苦しめられた、逃げ崩壊を引き起こす諸悪の根源。
「一番積極的に動いた選手に与えられる」という凄いフワフワした判断基準で与えられるあの賞だ。
この時点で心が折れつつある自分は黄色ジャージの選手一人と共にローテーションに回らなくなり始める。
心も折れかけているが、脚もかなり辛い。
無理すればまだ、踏む力は残っているが、この先で待ち受ける30kmの登りの考えると、余裕はない。
当然、ローテーションに回らない選手は必要無いわけで、しばらくしたところでブラックスポークがアタックする。
85kmのスプリントポイント3km手前辺り。
もういいかな、と思い、そこには反応せずに、黄色ジャージの1人と遅れる。
逃げは粉砕され、オリバーとブリッヂレーン、ブラックスポークとネロと黄色ジャージ、自分と黄色ジャージに分断される。
黄色ジャージの選手が「集団と3分半」と教えてくれたので、少しでも粘れるように、完全に流すのではなく、ペースを保って走り続ける。
中間スプリントを通過し、87km地点のKOMスタート看板を越える。
山頂まで30km。
後ろを振り返ると、集団まで100mくらいで絶望する。
逃げとして、一番捕まってはいけないタイミングで追いつかれた。
ここから待っているのは、ただの地獄。
集団に追いつかれ最後尾にへばりつく。
この登りは前半は3%ほど。
集団に付けるのであれば、付いた方がまだ楽。
頑張ってへばりつくが、ここでオールアウトしてしまっては元も子もない。
ギリギリのペースを維持し耐えるが、ラスト27km辺りで千切れる。
自分より早くに諦めていた選手も多く、自分が千切れてからもパラパラと千切れてくる選手がいたので、そういった選手と合流しつつ頂上を目指す。
前もって調べておいた、タイムリミットをこまめに計算しつつ、安全圏でゴールできるように、ある程度頑張って踏みつつ、中島さんと一緒にゴールした。

集団の先頭では、途中でサルバがアタックして見せ場をつくり、トマが最後まで粘り9位に入った。

感想
今日は辛かった。
調子もイマイチというのはあるが、そもそも逃げたメンバーがかなり強力だったというのもある。
2時間で830m登りつつ、時速42kmで逃げているので、辛くて当然ではある。
疲労感が結構残っているので、なんとかリカバリーしないと最終日に到達できない可能性があるので、何とかしたい。
キツさレベル
10
辛かった。
心が折れかけたがゴールを目指して頑張れた。
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フルクラムが新発売したRACING SPEEDの後継モデル。
今回のレースで使用しています。
ワイドリム&ローハイトで重量面と空力面の両方を追求しています。
今回のようなある程度の距離があり勾配が急な坂のあるコースで本領を発揮します。
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