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プレジデンタル・ツアー・オブ・ターキー 4日目

プレジテンタル・ツアー・オブ・ターキー

クラス:HC ステージレース 4日目 

開催国:トルコ

距離:132km

天候:晴れ




 

今日のコースは32km地点に3級山岳が一つありそれ以外にも小さめの登りが何回もあるという平坦基調の山岳コースでした。

 

 

レース前のミーティング

自分への指示はやはり逃げろという指示。

特に昨日のレースで総合順位は安定したので逃げは決まりやすいはず、とのこと。

 

 

レースレポート

 

スタートラインに並ぶのが少し遅くなり3列目辺りに並ぶ。

本日のパレードは5km。

その内に先頭まで上がる。

集団先頭付近の様子を見てみるとプロツアーチームが今まで以上に多い。

さらに総合リーダーであるCCCも結構な4人ほど選手を前方に置いている。

プロツアーチームが前に集まっているのは「逃げるため」ではなく「ペースを安定させるため」だろう。

ミーティングの内容と合わせて考えても今日の逃げは速攻で決まりそうだ。

パレードが終わりレースが始まる。

いつもなら開始と全く同時にアタックが始まるのに今日は始まらず、CCCが先頭に出る。

おそらくプロツアーチームが前に上がって来すぎているせいで、アタックしたい選手が飛び出せないのだろう。

開始早々にコントロールが始まったという事はやはり直ぐに逃げが決まるのだろう。

右サイドから一気にアタック。

同時に左サイドからもアタックした選手がおり、合流し5人ほどで飛び出す。

2分ほど飛び出したが集団に捕まる。

いつもならアタックの連続で、レース開始一発目のアタックが長時間飛び出すなんてことはありえない。

やはり今日は速攻で逃げが決まると確信し、キツイが先頭付近に留まる。

ポッツォが自分と入れ替わりでアタックをかけるが決まらない。

そのアタックが吸収されるというタイミングで再びアタック。

今度は6人が飛び出す。

集団は?

少し離れている。

6人ともが全力で先頭を牽き交代する。

時々後ろを確認すると少しずつ離れている。

行ける。

決めるしかない!

キツさを我慢しローテーションを続ける。

バイクが上がってきて「25秒差」とタイム差を表示する。

逃げが決まった。

集団はこの6人を逃がす事に決めたのだろう。

その後徐々にタイム差が開いていった。

ちなみに逃げが決まるまでにかかった時間は7分ほどだった。

やはり速攻だった。

そこからは逃げもペースを安定させて疲れすぎないように気をつけながら逃げていく。

ヨーロッパレースでの初逃げ。

1年以上狙い続けていた逃げがやっと成功した。

それを思うと嬉しさで鳥肌が立った。

しかし大事なのはここから。

踏みすぎて足が無くなり千切れてしまってはいけないので周りのペースに合わせて無理をしない。

逃げのペースが登りで上がりキツイ時があったので先頭に出た時にペースを若干落として長めに牽く。

特に後ろから文句も言われないので、全員キツかったのだろう。

そんな感じで問題なく逃げは進み、タイム差は3分30秒ほどまで開き32km地点の3級山岳の登りに入る。

良いペースを刻んで登る。

逃げているメンバーのうちの1人がボソッと「集団が凄い勢いで登っている」と呟く。

後ろを確認すると、曲がりくねっている登りの結構近めに集団がいるのが見える。

しかし集団に追いつかれること無く山頂通過。

KOM争いで3人もがいていたが、足を温存しておきたかったので自分はもがかず。

下りに入る。

登坂中にカメラマンの辻啓さんが「下りがかなり滑る」と逃げ集団に教えてくれていたおかげで、若干ペースを落としつつ無事に下りをクリア。

下りが3車線の直線になった時に審判車や先導車(コミッセールカー)に大量に抜かれる。

メイン集団が追いついてきた証拠だ。

しばらくローテーションしていたが、メイン集団が直後まで迫ってきたので全員踏むのをやめて集団に吸収される。

40km地点。

吸収されるのが早すぎる。

自分の予想では100km辺りまでは逃げれると考えていたのに、正直意味が分からなかった。

たぶん登りでメイン集団がかなりペースアップしたのだろうが、その理由が分からない。

意味は分からないが、現状逃げが吸収されてしまったのだから次の展開に備えないといけない。

90kmも残りの距離があるのでもう一度逃げが行くんじゃないだろうか?

とりあえず状況の確認と指示を貰おうと思い集団内のチームメイトを探す。

コッリ、デネグリ、ポッツォが残っていた。

デネグリから「逃げに注意しろ」と言われ前に上がり直す。

途中で先に上がって行ったポッツォを抜かす。

先頭に出ると既に数人が飛び出しており、100m程先行している。

メイン集団はキュベカが全力で牽いており、その後ろにプロツアーチームが並んでいる。

状況的にキュベカが追うのをやめると逃げが決まるだろう。

しばらく様子を見ていると2人目のキュベカが先頭で追い出す。

そこに2人のキュベカが集団内から上がっていき先頭に到着する。

「三人で交代で牽くのか?」と思っていると何やら会話している。

牽いていたキュベカ先頭から外れる。

「ヤバイ!逃げが決まる!」と即座に判断し一気にアタック!

ブリッジをかけようと(集団から飛び出し逃げに追いつくこと)全力で踏む。

距離が詰まって行き飛び出した時の半分以下になる。

チラッと後ろを見ると、集団が1列になって付いてきている。

「マジか……」と思い先頭交代。

集団が逃げを吸収する。

カウンターで少数が飛び出す。

集団が横に広がり出す。

今こそ逃げが決まるタイミング。

今飛び出せば確実に決まる。

しかし直前に全力で追ったせいで足の疲労が半端なく、とてもアタックできる状態じゃない。

「お願いだからポッツォ行ってくれ」と祈る。

横に広がった集団の右端をポッツォがこじ開けてアタックしていく。

一安心。逃げが決まる。

逃げが再び決まったのがおそらく51km地点辺り

その後メイン集団にのぼりで遅れたメンバーも復帰し全員で良い位置をキープしながら進む。

ラスト28km(104km)地点辺りから始まる登りに入る。

かなりペースが上がり出しキツイ。

逃げていたポッツォが追いつかれ凄い勢いで集団内を前から後ろへ下がっていく。

登りが終わり下りに入る。

途中でラスト25kmの表示が出る。

下りで50km/h以上出ているにも係わらず位置取りがかなり激しい。

集団右側で落車が発生し選手が吹き飛ぶ。

次は左側で急ブレーキがかかりタイヤを滑らしている。

下りが終わる。

それと同時にラストの登りが始まる。

位置取りの激しさに集団中ほどまで下がってしまっている。

ラストの登りが終わればゴールまで11km。

その内5km位が下りなのでここで遅れればゴールスプリントには絡めないだろう。

登りが苦手な純粋のスプリンターを振り落とそうと集団が全力で登り出す。

置いていかれまいと必死で食らい付く。

諦めた選手をドンドン抜いて前を追う。

集団最後尾でなんとか粘るが遅れそうになる。

キツさの限界を超えている。

しかし、前にはコッリとデネグリが残っており、もし集団に残ればゴール前にアシストできるかもしれない。

なんとか粘ろうと軽めのギアを全力で踏んで回して粘る。

足が限界になりフォームが崩れ踏めなくなり、もうやめようと思ってしまう。

集団から若干遅れる。

しかし、ここで千切れてしまってはここまで踏ん張った意味が無い。

登り初めで遅れた選手と何の違いも無くなる。

唸りながらフォームを整え直し踏み直す。

だが一度離れた差は詰まらない。

しかし差はキープ出来ている。

これなら下りに入る直前で全力でもがけば追いつける。

ドラパックとクイックステップの選手に抜かれ、心が折れかけるが頑張る。

「早く登りが終われ」と思いながら前を見上げる。

道が左に曲がっており先が見えなくなっている。

もし、曲がった先で登りが終わっていれば集団に追いつける。

もし、曲がった先で登りが続いていれば「さよなら」だろう。

左に曲がった先が見える位置まで来る。

若干登っている。

が、ほぼ平坦でその直ぐ先に下りが見える。

「行ける」と思い全力ダッシュ。

前の集団に追いつく。

思ったよりも早く追いついた。

それもそのはず集団が全力で踏むのをやめていた。

追いついたのはトップから千切れた30人程の第2集団だった。

登りの最後のペースアップで分断されたのだろう。

下りに入る。

その集団内にはカヴェンディッシュがいたのでクイックステップが下りを全力で踏む。

カヴェンディッシュを先頭に追いつかせたいのだろう。

自分は集団最後尾で付いていく。

下りきって平坦に入る。

前にトップ集団が見えているがかなり遠い。

平坦区間でもしばらく追っていたが、ラスト4km辺りで諦めたようで集団のペースが落ちる。

相変わらず前方にトップ集団が見えてはいたが、自分単独では追いつけ無いので自分も諦める。

そしてその集団でそのままゴールした。

 

ちなみにトップ集団ではコッリが2位に入った。

かなり凄い。

 

 

感想

 

逃げた距離は短かったがヨーロッパツアーのレースで始めて逃げに乗ることが出来かなり貴重な体験を出来た。

この経験を生かして、また逃げに乗って行きたい。

成功経験は一番成長に繋がると思う。

最後の粘りも今までで一番頑張ることが出来たと思う。

それだけにもし良い位置で登りに入れていれば、先頭集団に残る事も可能だったかもしれないので、位置取りで後ろに下がってしまったのは勿体無かったと思う。

今日はこのレースが始まってから一番調子が良かったと思う。

明日はどうなっているか分からないが、とにかく頑張りたい。

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