ツアー・オブ・ジャパン
ツアー・オブ・ジャパン
クラス:1 ステージレース 1&2日目
開催国:日本
距離:1日目2.65km TT 2日目130.7km
天候:雨
初日の個人TTは問題なく終了。コーナーも攻めてみたがあまりタイムは良くなかった。もっとも、これからのレースでTT等関係がないくらいタイム差が付いてくると考えられるのでそこまで気にする必要はないと思う。
2日目は三重県のいなべでの開催。
今年から新しく増えたステージ。
コースは15.2kmの周回コースでゴールライン通過後に最大勾配16%の登りが1km続く。道幅も狭いためペースが上がるとキツイことが予想された。
レース前のミーティング
コースを見る限り追走が追いつきやすいコースではなさそうで、逃げに後ろからブリッヂがかかることで人数が減っていくレースになるかもしれない。コースを知らない外国チームが周回を重ねることでコースを理解しペースアップする前に逃げておく方が良いという風に言われました。
レースレポート
出走人数が100人ということもありスタート地点の密度は低い。
少し遅れていったが、先頭から2列目までスルスルッと上がれた。
9時にパレード開始。
パレード走行中は意外と道が狭いこともあり2列目をキープ。
コースに入れば道が開けるのでそこまで無理に先頭に出る必要はない。
2.8kmのパレードも終わりレース開始。
アタックがかかるが集団が伸びて追走し吸収する。
このステージは今年から加わった新しいステージだ。
外国人は試走などできていないので、コースマップや高低図は知っていても詳しい道路状況は知らない。
出来れば外国チームが1周してコースを把握する前に逃げを決めたい。
アタック。5km地点。
少し開く。
愛三の中根さんが付いてきている。
そのまま交代で踏む。
後ろを確認すると集団が縦に伸びて追ってきている。
そんなに簡単には決まらないか、とも思いつつ集団が追うのをやめる可能性にかけて踏んでいく。
集団がジワジワ追いついてきたため、中根さんが引くのをやめる。
完全に吸収されるまでは逃げれる可能性がある。
過去に何度か、吸収する直前にメイン集団が追走を緩めたことで、決まった逃げを見たことがある。
その可能性にかけて踏む。
出来れば登りまで逃げたい。
そうすれば決まる可能性が増えるし、吸収されても休みながら登れる。
しかし、結局すぐに吸収される。
10km地点。
調子が良かったので調子に乗って踏みすぎた。
かなりキツイ。
しかもすぐに登りが始まる場所で吸収された。
これは結構まずいかもしれない。
登りに入るかなりキツイ。
集団の最後尾近くまで下がってしまう。
下り区間と平坦区間を利用して前に上がるが、やはり足がキツイ。
アタックしている場合じゃない。
最初に行くべきではなかったか?とも思うが行きたかったのだからしょうがない。
今は回復させることに集中する。
雨で視界も悪く位置をキープするのにも結構苦労する。
逃げが飛び出しては吸収されるという展開が繰り返される。
逃げが決まっていないせいで登りも毎回ハイペース。
2周目が終わり3周目も終わる。
毎周ハイペースで登りに突入していたからか集団も疲れている感じがある。
逆に自分は少し回復してきた。
まだキツイことには変わりはないが。
集団の様子を見ていると周回コース南端の下り直角コーナーや鋭角コーナーはゆっくりと走っている。
道も狭く危ないからこけたくないのだろう。
3周目の下り。
直角コーナ1kmほど手前で3番手。
前のドラパックとスカイダイブが引くのを嫌がって横に広がる。
一瞬迷ったがその真ん中から思いっきりアタック。
直角コーナの電柱1本手前までダンシングで踏み続け、急ブレーキ。
後輪がロックする。
ブレーキを緩め、バイクを右に倒し直角コーナークリア。
一気に踏みなおしてダッシュ。
次の左コーナーをクリアし、鋭角のコーナーへ。
ギリギリまで踏んで直前で一気に減速しコーナーを曲がりきる。
鋭角コーナー後の緩やかなコーナーの連続する狭い道をハイスピードで一気に下りきる。
一瞬後ろを確認すると3人。
交代するとマトリックスの外人選手が前に出る。
その後に続いてアンカーの内間さん。
下りきった先の右コーナーをクリア。
平坦の直線に出る。
遅れて何人か追いつき、8人になる。
追いついてきたメンバーは、ブリッツェンの真理さん、シマノの入部さん、アバンティ、ランプレ、スカイダイブ。
アバンティが時々交代を抜けながらも全員が回る。
スカイダイブの選手が特に踏んでいる。
タイム差45秒。
ゴールライン少し手前で50秒まで広がる。
自分としてはこのまま逃げ続けたい。
メイン集団には是非とも必死で追いかけて苦しんで足を使ってもらいたい。
ラスト5周。
ゴールラインを過ぎ登りへ入る。
細い区間ではイーブンペースで登っていたが道が開けた際に、先頭を引いていた自分の右から、スカイダイブとランプレが先行する。
付けなくは無いが無駄に踏みたくない。
先行が2人であれば残り6人で下りで追えばすぐに追いつける。
と思っているとマトリックスの外人が前を追う。
3対5。
微妙かもしれない。
内間さんと真理さんも前に出るが先行3人とは少し差がある。
他の選手が前に出てこないということは、遅れているのか、下りで追うつもりなのか?
どうしようかと思ったが、KOM少し手前で頑張れば追いつけそうだったので、踏みなおして前の外人3人に追いつく。
下りだしてしばらくしてから確認すると8人になっていた。
しばらく下っていると、ドラパックが増えている。
最初からいたか?と思い人数を確認すると9人。
後ろから追いついたのだろうか?
振り返ってみると集団が見える。
マジか……。
コース南端のコーナー連続地帯に入る。
先頭でコーナーをできる限り攻めて抜ける。
メイン集団は必ずここでペースが落ちるはずなので再び離れるかもしれない。
しかし、下り切り平坦区間に入ったところで吸収。
再びしつこく最後まで逃げてみたが結局吸収。
しかし、今の逃げをイーブンペースで走れていたおかげでかなり足が回復した。
この感じならここからの展開でも絡んでいけそうだ。
集団はイランがコントロールしている。
ゴールラインを通過する。
ラスト4周。
登りのペースはさっきよりは速くない流石に全員疲れてきたのだろうか。
集団内で様子を見ながら待機する。
何度かアタックもかかるが結局決まらないまま。
自分的にはメイン集団でそのままゴールという展開にはなって欲しくない。
出来れば逃げて先頭集団でゴールというのが望ましい。
登りで仕掛けても下りでイランやランプレに潰される。
ということで、再びコーナー区間を狙うことに。
前回に近いタイミングで突っ込んでいく。
恐らくさっきよりも速い。
右の直角に突っ込み、左のコーナーをクリア。
右の鋭角コーナーに突っ込む。
滑った。
そのままこけた。
先頭でコーナーに突っ込んでいってそのまま一人でこけた。
すごく悲しい。
何とも言えない気分になる。
バイクに跨って再スタート。
チェーンが外れていたが、下りだったので乗ったまま直す。
先頭でこけたこともあり、集団が過ぎ去る前に復帰できた。
集団最後尾で平坦区間に入る。
落車について考える。
やはりあれだけ突っ込むとさすがに滑るか……
コーナリング中にスピード調整でフロントブレーキを少し使ったのがいけなかったのかもしれない。
しかし、あまり悩む必要は無いだろう。
それまではかなり上手く曲がれていたし、1回こけただけでそれを気にしてコーナーが下手になっても困る。
今こけたのは忘れよう。
むしろ次の周でもう一度あのコーナーをせめて今の失敗を忘れておいた方が良いかもしれない。
タイミング的に行けそうだったら突っ込もう。
登りでペースアップした際に対応するためにも集団の前方でゴールライン通過。
ラスト3周。
登りに入る変速の調子が悪い。
さっきの落車で曲がったのだろうか?と思っていると、バキッという音とともに後輪ロック。
?と思い見ると、後ろの変速器が割れて、もげて、後輪に絡まっている。
左に寄ってチームカーを待とうとも思ったが、登りが狭く集団もまだ通過していない。
これは時間がかかるなと思い、後輪を持ち上げて歩いて登りだす。
しばらく登っているとチームカー到着。
超高速でバイクをスペアバイクと交換し再スタート。
焦って無駄足を使ってはいけない。
ゴールも近いし、終盤の登りはペースも上がるだろうから残らないといけない。
車列も利用してタイミングを見ながら前に上がっていく。
しかし、南端のコーナー連続区間では集団の最後尾には戻っておきたい。
コーナーは確実に車よりバイクの方が速い。
うまい具合に右の直角コーナー入り口で緩んだ集団の最後尾に合流する。
平坦区間で集団内を前へ上がっていく。
気を付けてたとはいえ、やはり追いつくのに足を使っている。
結構きつい。
集団前方でゴールラインを通過。
ラスト2周。
登りが重い。
足にきているのだろうか?
位置をキープできずに少しずつ下がってしまう。
集団中盤でKOM通過。
チラッと見えた感じだと結構な人数が飛び出していた。
登りで力ずくで抜け出したのだろう。
そのペースアップのせいで登りが重く感じたのだろう。
逃げにはNIPPOからはニーバリとチャパッロが乗っていた。
集団が追いつかなければ今日のレースの仕事は終了だろう。
自分も前に乗りたかったが、いろいろとタイミングが悪かった。
今日はもう休めということだろう。
しかしまだ気は抜けない。
もしかしたら追いつくかもしれないし、そうなれば集団スプリントでマリーニのアシストをしなければいけない。
あるいは、最終周回の登りで飛び出して前に追いつこうという動きがあれば反応しないといけない。
集団の前方位置をキープする。
平坦区間に入ると逃げは完全に見えなくなっていた。
日本のコンチネンタルチームが協力して前を追い始める。
NIPPOはメイン集団に残っている4人で固まって先頭付近をキープする。
ラスト周回に入る。
今まで引いていなかった海外チームがアタックを仕掛ける可能性がると思い警戒する。
先頭から7,8番手で登りに入る。
愛三が先頭でアタックをかけているが、海外チームは反応しない。
前に送り込んだ選手で十分ということだろうか?
登りは思っていたよりペースも上がりきらず、ある程度余裕をもってクリアできた。
下りに入ってから妙にペースアップしているなと思うと、集団が少し分裂しかけていたようだった。
しかし結局1つになり、大きな集団のままゴールへ。
マリーニがゴールスプリントするかと思い前方にいたが、どうやらラストの登りから流していたようだった。
ゴール1km手前で後輩が吹き飛んだりしていたが、自分は落車することなくゴール。
チームではチャパッロが9位で、ニーバリが13位という結果。
感想
今シーズン初の日本でのレースということで少しはしゃぎ過ぎたかもしれない。
もう少し落ち着いて走らないといけない。
重要な場面で勝負できるようにそこまでのアプローチも重要だと感じた。
明日は今大会最長の139kmのレース。
しかしコースは平坦基調なので、けがの様子を見つつ落ち着いて勝負するようにしたい。
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