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ツール・ド・コリア 2日目

ツール・ド・コリア

 

クラス:1 ステージレース 2日目 

開催国:韓国

距離:174.4km

天候:晴れ




 

グミからムジへ向かう基本的に平坦基調で中盤から後半にかけて3級山岳を2つ含むアップダウンが少し増えるコース。

48.8km地点にスプリントポイントが有り、71.3kmと109km地点に3級山岳がある。

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レース前のミーティング

 

レース全体としてまだ始まったばかりという事もあり、チームとして山岳ジャージを守るというような動きはしないが、自分自身は守れるように逃げに乗ることを考えて動くようにという指示。

また、アタック合戦が長引く可能性もあるので様子を見ながら反応していくようにという指示も。

 

 

レースレポート

パレードは7.4km。

昨日に山岳リーダージャージを獲得したため今日は先頭でスタート。

パレードは長めだったので先頭を維持しつつ軽めで回してアップする。

0kmの看板を過ぎレース開始。

開始と同時に10番手ぐらいまで下がる。

指示どうりにアタック合戦の様子をジックリ見て判断することに。

アタックがかかるが集団が伸びた状態で追いかけているため決まらない。

基本的にはリーダーチームのドラパックがコントロールしている。

しばらく様子を見てから自分もチェックに入りだす。

とにかく決まりそうな逃げを待って待って反応する。

回数もいつもよりかなり減らし慎重に行く。

1回行った後には20番手辺りの前が見える位置まで下がりしっかり休む。

連続で行ってしまうと疲労が溜まってしまい後半にもたなくなる。

1回1回狙いを定めて飛び出すが決まらない。

1度アンカーのフランス人と4人で抜け出すが、後から追いかけてきた選手が多く、ドラパックに潰される。

アタック合戦がかなり長い。

集団が緩もうとしてもドンドン追加でアタックがかかる為、集団が全然落ち着かない。

40km地点辺りから少数の選手が飛び出し、そこに集団から少しずつ選手が飛び出して追いつき、20名ほどが先行する状態になる。

しばらく様子を見るが、他の選手も様子を見ているせいで差が少しずつ開いていく。

不味いと判断したアンカーの内間さんがアタックをかけ、それに自分も続く。

そのアタックで活性化した集団が、緩やかな登りで1列になりながらかなりのペースで20名ほどの集団に繋がる。

さすがに疲れて来て集団中盤まで下がりつつ登りきる。

48.8km地点にはスプリントポイントが有る。

集団はスプリントポイントを通過するまで逃げを決めさせるつもりはないだろう。

集団内でしばらく休む。

スプリントポイントを通過する。

スプリント後のペースが緩むタイミングを見てアタック。

3名ほどで少し飛び出したが吸収される。

やはり難しい。

少ししてから道幅が狭くなり数名が飛び出すと集団が横に広がる。

いつもの奴だ、と分かったが位置が悪い。

広がった集団の右端の4番手辺りにいる。

前はまだ見えている。

今飛び出せれば追いつけると思い右端の隙を伺う。

ドラパックの選手が路肩まで走って完璧にブロックしている。

さすがにこれ以上右側からは上がれない。

しばらくどうにかならないか見ていたが、時間だけが過ぎてどうしようもできず。

かなり逃げと離れてしまったため諦めて集団内で待機することに。

今日は山岳ポイント前で逃げが潰れれば山岳ポイントを狙い、それが無理ならスプリントのアシストだろう。

集団内で休みつつレースが進む。

65km地点辺りの山岳でピシュガマンがペースを上げ苦しむがクリアする。

71.3kmの山岳ポイントへの登りに入る。

またピシュガマンがペースを上げた際に対応できるように先頭に出る。

しかし今回の登りはドラパックのコントロールで登り、比較的楽にクリアする。

山岳ポイントを通過し再び集団内で休む。

若干の下り基調という事もあり集団はかなりいいペースで進んでいる。

もしかしたら山岳手前で逃げを吸収するのではないだろうか?

山岳ポイント10km手前辺りでボトルをもらいにチームカーまで下がる。

チームカーから、「現在逃げとのタイム差が2分なので、登りが始まったら石橋とチャパッロに逃げを潰してもらい、山岳ポイントを取りに行け」という指示が出る。

水を受け取り、前に上がり指示を伝える。

山岳での動きの為に固まって上がる。

その最中にドラパックのリーダーが後ろに下がっていった。

リーダーが下がったという事はドラパックの引くペースが落ちるので、逃げとの差が詰まっていかなくなる。

山岳ポイントの入り口で追いつけそうにないタイム差であれば、ポイントを取りに行くのは無理だ。

やはり集団のペースが落ち、逃げとの差が3分にまで広がる。

ドラパックとしては逃げとの差は詰めておきたかったが、まだ吸収はしたくないという事だろう。

山岳ポイントの入り口でも差は3分のまま。

さらにドラパックとノボノルディスクが先頭で横1列になって塞いでいるので、誰も前に出れない。

おそらくピシュガマンがペースを上げるのを嫌ったからだろう。

集団のまま山岳ポイントを通過。

少し下った直後の登りでピシュガマンが再びペースアップ。

集団内で苦しみつつクリア。

下りに入って集団内で再び休憩。

平坦区間に入る。

少ししてから石橋が先頭のローテーションに加わる。

他のメンバーは集団の中ほどで集まる。

150km地点にある小さな登りに入る

逃げとの差も詰まってきて1分を切っていたので、逃げの4人が前に見える。

逃げが前に見えたことで集団が再び活性化しアタックがかかりペースが上がる。

石橋と一緒に前を引いていたドラパックの選手がすごい勢いで下がっていく。

石橋は自分の少し前方で粘っている。

登りきり、標高差100mほどの登りへ。

マリーニの横で登る。

マリーニが集団から遅れだしたので自分もマリーニを待って登るペースを落とす。

集団から少し遅れた程度で登り切れればマリーニを集団に引き上げ直してゴールスプリントに備えれるはずだ。

しかし集団から遅れだしてからも結構登りが続く。

マリーニと一緒に上っていた士揮からマリーニが「もう無理」と言ったと聞く。

マリーニをメイン集団に引き上げ直すのは不可能になったので、自分たちが集団に復帰する為に急いでペースを上げて登る。

マリーニを結構待ったこともあり頂上に付いた時点では、集団が見えるが結構遠いという印象。

正直追いつけるかは微妙な距離である。

遅れた選手で集まって前を追いかけるが、自分たちと違い限界になって千切れた選手ばかりなのでペースが上がらず少しずつしか差が詰まらない。

このままだと追いつく前に足に限界が来て一気に遅れることになる。

遅れた選手もドンドン集まっていき20名程になる。

しかしペースも上がりきらず、微妙に追いつけない状態が続く。

メイン集団は3列程に膨らみ若干ペースが落ちている様子。

しかし追っている選手は出せる全力でローテーションをして追っている。

でも少しずつしか詰まらない。

自分も先頭では全力で引いて一気に詰めようとするが詰めきれない。

不味いと思い、少し後ろの方まで下がり足を溜める。

この集団のままだと追いつかないかもしれない。

ラスト10kmを切る。

メイン集団はゴールに向けてペースが上がる筈なので早い内に追いつかないと完全に遅れてしまう。

集団が頑張って追い、今までで一番集団と近づいたタイミングでオリカの選手が単独で飛び出して前を追う。

オリカの選手はかなり引いてくれていたのであの選手がいなくなると、ますます追いつく可能性が低くなると判断し、自分も飛び出す。

単独で追いつくにはかなりきつい距離。

だが、ここで追いつけなければ総合順位が一気に下がってしまう。

足がつりかけているがとにかく全力で踏む。

逃げを後追いする時と同じだ。

メイン集団が下りだし、伸び始めている。

最後尾が下り出す前に追いつかないと下りでは追いつけないのでおしまいだ。

オリカの選手が追いつき、ほっとした表情で振り返ってくる。

クソッ。

あと10mほど。

全力でもがく。

ちょうど下りに入るところでギリギリ追いついた。

オリカと違い、ほっとした表情では振り返らない。

むしろこれからペースが上がるであろう集団に付いて行かないといけないので、ほっとできない。

ちなみに自分より後ろの選手は追いつけなかったようだ。

その後、最後の小さい山も集団後方で何とか粘りきり集団内でゴール。

ゴール前が下りだったので、昨日の様に落車があれば今日は確実に吹き飛ぶと思いかなり冷や冷やしたが今日は落車がなかった。

 

 

感想

 

最初のアタック合戦は見ながら動けたとは思ったが一番重要なタイミングで前にいれなかったのは完全な判断ミスだったと思う。

今日は全ステージの中で唯一3級山岳が2回あるステージで山岳ポイントを一番稼げる日だった。

今日逃げた選手で、山岳ポイントを2回ともトップ通過した韓国の選手は、去年のツール・ド・コリアで山岳リーダーを獲得している。

偶然ではなく、確実に狙って逃げたのだろう。

自分は狙って確実に逃げることが出来ていないので、もっと改善していけるのだろうと思う。

最後のところでギリギリ前に残れたのは、総合順位が絡んでいたからだろうと思う。

それがなければ諦めていたかもしれない。

しかし、どんな時でも前に残るという意識を持たなければいけないと思うので、今回のレースで「絶対に前に残る」という意識を体に刷り込みたい。

明日は99kmの周回レース。

どんなステージでも遅れれば総合順位は一気に下がるので、「何としても残る。そしてチャンスがあれば何でも狙う」という気持ちを忘れずに挑みたい。

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