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JPT宇都宮ロードレース

クラス:Jプロツアー
開催地:宇都宮
日程:8月9日
距離:73.7km
天候:曇り
平均出力:242W
最大出力: 1012W




出場チームメイト:281中島康晴、282山本元喜、283椿大志、284新城雄大、285山本大喜、288トマ・ルバ



レース前のミーティング

基本的に動きを見ながらキナンに有利な展開に持っていけるように連携して動くという作戦。
特にブリッツェンの動きに気を付けつつ逃げに選手を送り込み、基本的には自分とトマが最後の展開で勝負できるように後詰めを任されるという形。
状況次第、判断次第で前半に動く可能性も十分あり、距離が短くキナンは6人参加という事もあってキツい展開に持ち込んだ方が有利になるだろうという、ことになった。


レースレポート

レースの前半は下りがメインになっていることもあり危険なので、パレード走行になる。
しかし、そのパレード走行中の鶴カントリーの下りを過ぎたところで落車が発生。
レース中は知らなかったが、雄大が派手に巻き込まれていた模様。
自分はトップ10のシード権にて先頭で走っていたので、特に被害はなし。
落車の影響でパレード走行の距離が延び、萩の登り口からレースが始まる。
先頭から3番手辺りの位置で走っていたが、集団が過密過ぎて前に出れる状況では無かった。
パレードが開けた後も、集団の先頭が固められていたせいでアタックはかからず。
それは萩の下りが終わり、ジャパンカップのコースに合流した後も同じ。
ジャパンカップの道に合流してからは、道路がカラーコーンで半分に規制されており、危険回避以外でカラーコーンを越えることは禁止という連絡が事前に行われていた。
そのせいで、集団先頭は活性化せず一定のペースのまま進む。
しかし、ルールを無視してコーンの外側から前に上がってくる選手が数名おり、その選手がカラーコーンの向こう側から戻ってくる際に、集団に圧力をかけたり、カラーコーンに接触して倒したりという事があり非常に危険だった。
これに関しては確実に問題にした方が良いと思ったが、証拠が残っているのかどうか、というところだろう。
レースを動かすためにアタックするにしろ、アタックに反応するにしろ、先頭に出れない事には何もできないので、先頭の状況を伺いつつもかなりピリピリしていた。
しかし、レースは膠着状態のまま1周を終える。
本格的にレースが動いたのが、2周目に入った直後の鶴カントリーの登り。
マトリックスのキンテロ選手のアタックを皮切りに集団が活性化。
少し遅れた位置で反応することになったが、下りが終わったところでは集団が棒状1列で繋がっていたため、逃げにはならず。
レースをハードな展開にはしたいのだが、自分ばかりが動いていても脚を消耗するだけなので、基本的にはチェックであったり、追走集団に混ざって脚を温存したいところ。
平坦区間で連続してアタックがかかり続けるので、集団のペースが落ちることが無い。
しっかりと集団の前方をキープし続け、動きを把握し続けることで危ない動きには反応できるように備えておく。
萩の登りの頂上で大喜のアタックにより6名が先行するが、3周目に入る頃には集団が繋がる。
ペースが落ちている訳では無いので、集団は縦に長く伸びた状態で3周目の鶴カントリーの登りへ。
ここでもアタックがかかるが集団は1列に繋がったままで下り切り、平坦区間に入る。
自分は前ばかりに集中していたので、後ろの状態は知らなかったのだがこの時点で60名程に集団が絞られていたらしい。
平坦区間の後半で2人が抜け出し、一旦集団のペースが落ち着く。
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2人逃げが決まって集団のペースが落ち着くと、ハードな展開にはなりにくいのでどうしたものか、と考えていた。
が、心配無用。
まずは萩の登りで、1分半417Wのペースアップ。
その後、萩の下り終わりからの登り返しでトマが先頭に出てきて、そのままペースアップ。
ダンシングでのアタックではなく、シッティングのままゴリゴリ踏み始め、集団先頭だけがロケットの切り離しのように離れていく。
これは乗らないとマズイ、と判断し前を追う他の選手を利用しながら自分もトマ達6名を追う。
40秒間456W
本来であれば、少人数に集団にチームメイトが入っていれば、見送って問題ないとなるところだが、トマに関してはそのまま行ってしまう可能性があるので、チームメイトではあるが動きを外したくない。
4周目に入り15名の集団になった状態で鶴カントリーの登りへ。
トマが先頭で鶴カントリーの登りで再び加速。
それに付いていき、34秒間603W。
15名にはブリッツェンとマトリックス以外の全コンチネンタルチームの選手が含まれており、かなり強力。
しかもキナンからは、トマ、自分、椿の3人が入っていた。
追って来るであろう、ブリッツェンとマトリックスに確実にダメージを与えられるように、逃げのローテーションに加わる。
同時に有力選手が脚を溜めるためにローテーションから抜けていないかチェックしながら、踏み過ぎて脚が無くならないように気を付ける。
萩の登りでのタイム差は25秒。
すんなりとタイム差が離れなかったので、一度は追いつかれる可能性も考えて脚を温存方向に切り替える。
逃げの人数が多いことで、萩の登りを一定のペースを刻みながら登り切る。
下ってジャパンカップのコースに合流。
登り返しを過ぎて、ほぼ最後尾に付いていた自分が後方を確認すると、集団があと少しで追いつくという感じだった。
「あの状況で追いついて来るか」という気持ちはあったが、「この後の鶴の登りで再び集団が粉砕する可能性がある」という気持ちもあったので、焦ってはいなかった。
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吸収前にアタックしたヒンカピーの選手に大喜がブリッジし、2人が少し先行した状態で5周目に入る。
この時点で集団の人数が36人くらい。
鶴カントリーの登りで先行する大喜たちに向けてアタックする選手に混ざって一気に踏む。
40秒間566W。
集団がかなり引き延ばされつつも、完全には分断されていない状態で頂上を通過する。
下りを過ぎた区間で逃げを決めるために踏んでいると、集団が止まり2人なる。
しかし、直後に追走が発生し平坦区間に入った際には5名の小集団にまとまる。
そこに自分と大喜が入っている。
さらに後ろから雄大を含む3人が合流するも、集団が追いつき一つになる。
その直後に、雄大とブリジストンの今村選手、愛三の大前選手の3人が抜け出し、萩の登りへ。
萩の登りでは若干のけん制気味になるが、トマのブリッジの動きに合わせて再び集団が引き延ばされ、頂上手前で一つになる。
頂上から大喜がアタックし、少し先行したところに右京の小石が単独ブリッジ。
ゴールライン通過時にはトマも前に合流し8人が数秒先行する状態。
今日の登りの感じには自信があったので、鶴カントリーの登りでアタックしてやろうと、集団の前方に控えて6周目へ。
コーナーで伸びた集団の横からアタックし、先行していた集団を抜かして先頭で登り切る。
35秒間611W
頂上からそのまま踏んでローテーションを回し、下りにかけて5人で抜け出すことに成功する。
平坦区間で後ろから5名が合流し10人逃げになる。
10人の内に
キナン・自分と大喜。
ブリジストン・今村選手
右京・内間さん、横塚選手
ブリッツェン・西村選手
愛三・伊藤さん
フィッツ、ブラーゼン、ヒンカピーから1人ずつ
という構成。
各チームがエース級の選手を送り込んでおり、かなり有力かつ自分と大喜が入っているのでキナンにとっても有利な逃げ。
これは決め切った方が良いと判断し、ローテーションを回していく。
萩の登りでは、逃げを確実にするために大喜が麓から頂上まで先頭で踏み切る。
ローテーションが綺麗に回ったことと集団も疲労していたことで、7周目に入る頃には40秒弱のタイム差がメイン集団と開いていた。
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鶴カントリーに入ったところで、後ろからトマが6人で追ってきているという情報を貰い、振り返ると見える位置にいた。
すぐにトマ達が合流して16名の逃げになる。
合流したのが、
トマ
エンシェア・阿曽選手
ヒンカピー・門田選手
愛三・大前選手
右京・小石
埼玉ディレーブ・高木選手

平坦区間では逃げの人数が多くなったことで、ローテーションがギクシャクし始める。
後続の20名強の集団とタイム差が1分前後を行き来する状態ではあるが、ゴールに向けて脚を溜めたい選手、逃げを潰したい選手の思惑が交錯する。
特に西村選手はブリッツェンが一人という事で脚を温存する方向に切り替えていた。
ここまで目まぐるしくレース展開が動き続け、温存しながら動いていたつもりの自分も結構な脚を消耗していた。
もっとも、他の選手もかなり辛そうなので、自分が明らかに不利という状況にはなっていない。
それに、見た感じ大喜はまだ元気そうだし、トマも踏める。
逃げに同数を送り込んでいる右京ではあるが、内間さんが明らかにアシストっぽい動きをしているので、勝負してくるのは小石か、横塚選手だろう。
愛三は2人とも強いので警戒が必要ではあるが、登りを考慮すると伊藤さんの方が怖い。
他のチームについては人数的にキナンが勝っているので、後半になって脚が消耗するにつれてキナンにアドバンテージが増えてくる。
現状、逃げの中ではキナンが圧倒的に有利なはず。
トマのペースアップで時折、苦しみつつも逃げ集団15名で8周目に入る。
そもそも、ここに来てやっと展開が落ち着いてきたが、それまではずっとハードな動きが連続していた。
脚もそうだが心拍数もずっと高いままで気分が悪く、朝食のカレーが何度か上がってきたくらい。
やっと持ち込むことができた子の有利な状況をうまく生かしていきたいところ。
鶴カントリーの登りでは大きな動きは生まれず。
後方集団が追える状態に無いと自分達の集団が認識したことで、本格的にゴールに向けた駆け引きが始まる。
平坦区間で阿曽選手と今村選手がアタックし、先行する。
見送るわけにはいかないので、追い始めた集団の流れに乗り、前に出る。
ちょうど萩の登りまで少しだったので、このままペースで踏んで2人を捕まえればいい、と判断して先頭で踏み続ける。
1分36秒435W
ペースで踏んで集団ごと前の2人に追いつくつもりだったが、山頂で追いつきざまに後ろを振り返ると集団が離れていたので、そのまま踏んだが下りで追いつかれて集団が一つになる。
下り切った登り返しでアタックしたのがトマ。
そこに小石とヒンカピーの石原選手が反応する。
反応するか悩んだが、集団を引き連れるわけにもいかない、しかもトマが動いているのだから他のチームが追走を仕掛けるはず、という考えが自分の中にあった。
追走が仕掛けられれば、そこに乗っかり温存して次の展開に備えられる。
ここは待ちの方が正解、と判断し動かない。
しかし、集団から追走の動きが現れないまま9周目に向かう。
もし追走の動きが無ければ鶴カントリーの登りで一気に仕掛けて単独ブリッヂを狙いたい。
しかし、9周目に入ったところでタイム差30秒。
これは単独で追いつくのは無理。
トマが逃げていることを理由に脚を温存して終盤の展開に備えるしかない。
タイム差が詰まるようであれば単独でブリッヂを、追いつかずとも他のチームが消耗してくれれば抜け出して4位狙いを、と考えていたのだが自分の想像以上に集団が消耗していたようだった。
自分の目からは前の3人を追いかける動きではなく、4位を争うような動きが集団で生まれる。
後方の集団ともタイム差が開いたことも影響していたとは思う。
前の牽かせ合いのような状況の中で、中切れや細かいアタックも発生し、ミスはしないように動き続ける。
大喜と話した結果4位争いを始めているこの集団では、脚を温存しているだけでは残っているスプリンターに負ける可能性が高い。
したがって、登りでアタックを仕掛けて逃げ切りを狙う必要があるという結論になる。
ほぼ消化レースのようになった集団で残りの距離を消化していく。
作戦としては鶴カントリーの登りで自分がアタック、萩の登りで大喜がアタック、という事でまとまる。
トマ達3人とのタイム差が1分以上に広がった状態で最終周へ。
鶴カントリーの登りが始まると共に全開でアタック。
今日一番のパワーで頂上まで踏み切った。
30秒間772W
そのまま踏み切って逃げ切りを狙おうとしていたのだが、下りでヒンカピーの門田選手が追いつきて来て2人になる。
平坦区間までは2人で回っていたのだが、やはり集団に追いつかれ振り出しに戻る。
その後に何度か分断が生まれたが、集団一つのまま萩の登りへ。
大喜が門田選手のアタックに反応して仕掛けるが、差が開き切らない。
自分がそこ目掛けてブリッヂしつつアタックを仕掛けるが、独走には持ち込めない。
下り切った登り返しで西村選手がアタックし、それが見送られる。
その西村選手を阿曽選手が追い、それに集団が繋がる。
西村選手先行のまま、阿曽選手が掃けて横塚選手を先頭にスプリント開始。
横塚選手、伊藤さん、自分の順番でもがいていたが、全然踏めず順位を上げれなかった。
それどころか、ゴール直前で意味もなく大喜が自分を刺してきた。

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ラスト2kmの萩の登りでアタックし独走を決めたトマが優勝し、2位にヒンカピーの石原選手、3位が小石、4位が西村選手、5位が横塚選手、6位が伊藤さん、7位大喜、8位自分。



感想

かなりキツいレースだった。
前半から動き続け前で前で展開し続けていたので、イメージとしてはノーガードで殴り合っていた感覚。
その分脚は消耗していたしかなり疲労はしたが、走っていた選手の大半が同じような追い込む具合だったので、全員が73kmのレースとは思えないバテ方だった。
チームとしては常に有利に動けていたので、かなりいいレースだったと思う。
自分個人としてはトマのアタックが決まった際に、一緒に動けていればもっと上位を狙えていたのでもったいなかった。
周りの脚の状況を見極めれなかった判断ミス。
その後の4位争いについては、スプリンターが居なかったキナンとしては中々苦しい助教だったと思う。
しかし、もう少し頭を使っていれば効率的な攻撃は出来ていたハズ。
結果的にスプリンター系の選手にダメージを与えて千切ることはできたが、集団内での順位は自分もあまりよくなかった。
JPTの累計のポイントが自分より多い選手全員が、自分より後にゴールしているので4位にまで上がったことは良かったと思う。
また、今回のレースでトマがトップ10に入って来たので、次回以降シードでスタートすることができ、強力。

ちなみに今回のレース、1時間52分でTSS186。
半端なくキツかったことが数値からもわかる。


キツさレベル
10
展開が常に激しく、半端ない疲労感だった・
サドンデス系のレースとはまさにコレ、といった具合の削り合いになっていたように感じる。


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2020/08/13 (Thu) 00:43 | EDIT | REPLY |   

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