ツール・ド・コリア 6日目
ツール・ド・コリア
クラス:1 ステージレース 6日目
開催国:韓国
距離:193.7km
天候:晴れ
ガングジンからグンサンへ向かう前半がは小さなアップダウンのが連続し、ラスト30km程は橋を渡り続けるという直線のコース。
23km地点に4級山岳があり、142.8km地点にはスプリントポイントがあった。
レース前のミーティング
逃げに乗って行けという指示。
しかし、ピシュガマンやコーラルが山岳ポイントを狙ってくるのなら少し抑えて、山岳ピント通過後に逃げを狙った方が良いという指示。
レースレポート
今日のパレードは5.2kmと長い。
スタートラインにも早く並びに行き先頭でスタート。
パレード中も先頭付近を維持する。
パレード中にオリカの選手が結構な人数前に上がって来る。
今日は早く決まるかもしれない。
レーススタート。
開始直後にアタックかかり数人飛び出す。
集団は様子見で少し待つ。
決まりそうなので追いたい。
しかし2列目の真ん中にいるので動けない。
幸い集団が横に広がらなかったおかげで追走がかかり、飛び出した選手達は吸収された。
今の感じでもすぐに決まりそうな雰囲気があったので自分から仕掛ける。
ピシュガマンの選手が付いてくる。
交代の合図を出すとピシュガマンの選手は前に出てこない。
完全にマークして潰す姿勢だ。
ピシュガマンが前に出なかったせいでペースが緩みカウンターで他のチームがアタックをかける。
ピシュガマンが後ろにいるが追わないとまずいのでアタックをかけて追う。
交代しようとすると再びペースが緩み、今度はオリカの選手まで飛び出す。
これはさすがにヤバいだろうと思うが、オリカが行ってしまったせいで集団を牽引するチームが居なくなった。
左側からアンカーの井上さんがアタックしたのでそれに付く。
ローテーションで先頭を交代するが再び後ろにいるピシュガマンが前に出ずペースが落ちる。
とことん鬱陶しい。
代わりにドラパックの選手が出てくる。
自分の後ろでピシュガマンがブロックするせいで3人ぐらいで先頭を回し前を追うが、詰まらない。
他の選手はどうしているんだと思い後ろを見ると、離れている。
先頭の逃げ集団、自分達の集団、メイン集団という形になっている。
これは最悪。
自分達の集団が吸収されれば集団が緩んで逃げが行ってしまう可能性がある。
少しでも前と詰めるために踏むが、集団に追いつかれる。
ペースが緩む。
前を追いたいが足がない、どこか前を追ってくれと思っているとアバンティが先頭に出て引き出す。
しかし前も全力で逃げているので中々詰まらない。
前にどこの選手が乗っているか分からない位に離れている。
アバンティが引けなくなるのも時間の問題。
アバンティが追うのをやめれば差が一気に開くだろう。
集団のペースがほんの少し緩む、諦める前兆だ。
「石橋行け!」前にいた石橋に指示を出して追わせる。
自分がその後ろに付いて足を溜める。
石がペースを維持できる限界を見極めて自分が後ろから発射。
全力でもがいて前との差を一気に詰める。
さっきまでの半分以上を詰めた。
ここまで詰めれば集団も追いかけるはず。
交代する。
ピシュガマンがブロックする。
コイツら……
ペースが緩み、カウンターアタックで前へのブリッジが連発する。
30人くらい前に行った。
遅めのアタックの後ろに付いて自分も追いつく。
ここまでの展開で足を使いすぎた為限界。
休むしかない。
かなりヤバい逃げが行けば無理でも反応しなければいけないが。
集団前方から2人が飛び出す。
ピシュガマンと誰か。
2人なら大丈夫だろう。
様子を見る。
ピシュガマンが先頭で抑えている。
差が開いていき、後追いも無く逃げが決まる。
15km程の地点。
集団内で休む。
4級山岳では3位まで点数が付く。
取れるなら狙った方が良い。
集団前方で待機する。
山岳スタートの看板を過ぎる。
集団の左側の先頭に出る。
山岳リーダーと2位のピシュガマンが右側にいる。
ラスト1kmの看板を過ぎる。
軽くアタックしてみる。
これで飛び出せれば楽にポイントがとれる。
アタックとほぼ同時に右サイドが反応する。
ここは争わない方が良いと思いやめる。
先頭が何人かで勝負し出し、集団がそれをイーブンペースで追いかける。
この山岳ポイント通過後に逃げの後追いができるかもしれないと思い備える。
山岳ポイントを通過する。
勝負していたメンバーが先行していたので、前を追う選手の後ろに付いて追いかけ、合流する。
結局、後追いは出来ず集団が一つにまとまる。
チームカーに指示を聞きに下がる。
集団内で待機していていいが、後追いができる可能性があるのでそれに注意するようにと指示される。
集団の先頭から10番手辺りで様子を見る。
ピシュガマンの選手が集団の先頭でペースを落として差を広げようとしている。
しばらくするとタイム差が7分と表示される。
それから少ししてオリカの選手が先頭に出て引き出し、ペースが上がる。
こうなれば後追いは発生しないだろう。
集団内の楽な位置まで下がる。
それから100km地点辺りまではズットハイペースが続き集団内でも結構苦しむ。
100km辺りの登り通過時点で、タイム差4分半。
思ったより詰まっていないがここからジワジワ詰めていくのだろう。
スプリントポイントが近づいてくる。
2人逃げの状態なので集団でトップ通過すれば1秒のボーナスタイムが狙える。
狙えるのであれば狙えという指示を石橋が伝えてくれる。
スプリントポイントに向けて集団の位置取りが激しくなっていく。
逃げまでのタイム差1分半。
かなり詰まっているが、逃げは吸収されないだろう。
士揮の後ろに付いて前に上がる。
ラスト1km右サイドにアバンティの列車が飛び出し、左側にチャンピオンシステムの列車が並び、その後ろに2人で付く。
ラスト500mでチャンピオンシステムの更に左側から士揮が出る。
千切れそうになりながらそれに付く。
ラスト150mで自分が発射。
伸びない。
限界の速さだ。
ラスト50mを切る。
取れるか!?
スプリントラインの直前でオリカの選手が右から出て来て抜かれる。
せっかくアシストしてもらったのに申し訳ない。
しかし限界のもがきだったのでどうしようもなかった。
集団に戻る。
士揮に「取れた?」と聞かれるが。
最後にやられてしまったと伝え謝る。
少しして士揮がチームカーから指示を聞いてくる。
橋の区間に入ると風向きが変わる筈なので集団の前方まで上がっておくようにという指示。
他のチームも考えていることが同じで、ドンドン前に上がりだす。
上手くドラパックの後ろをキープし橋の区間に入る。
左後方からの横風だ。
集団はそこまでペースが上がらず進む。
このペースで進むのだろうか?
直後にこの油断が危機を招く。
集団にペースが一気に上がり右端の路肩まで寄って1列で踏み出す。
かなり速い、中切れしてしまいそう。
しかし、ベルギーでの横風に比べれば相当マシ。
まだ我慢できる。
そうこうしているうちに前で中切れが発生。
さらにペースが上がり前に追いつきに行く。
限界になった選手が下がってきて、それをかわしながら前を追う。
前から離れてしまう。
交代して前を追う選手の後ろに付き直す。
今までで一番のピンチ、今日こそは遅れてしまうかもしれない。
限界ギリギリで前に追いつく。
本当に危なかった。
そのままの勢いで集団の前方まで上がる。
前にいる方が残れやすい。
路肩にラスト20kmの看板が置いてある、マジで危ない。
今路肩を走っていれば吹き飛んでいただろう。
あと30分ぐらい耐えればいい。
再びペースが上がり1列になる。
前にアバンティの選手が入ってくる。
そして大して踏みもせず前から遅れる。
マジか!と思いながら抜いて前を追い、追いつく。
早く反応できたおかげで助かった。
そこからも何度かペースアップを繰り返し1列になったが、集団の前方にいたおかげで中切れには巻き込まれずに済んだ。
道が軽く右に曲がり完全な追い風になる。
こうなれば千切れる心配はかなり減る。
ペースも60km/h近くまで上がるが、キツイが付いて行ける。
ラスト10kmの看板を過ぎ。
あとは大体10分。
絶対に耐えきる。
ラスト5km。
集団が少し緩み足に余裕ができる。
ゴールスプリントのアシストをできればしたい。
前に上がるがチームのスプリンターとは合流できない。
ラスト2kmを切る。
右側から一気に上がろうとした瞬間集団が右に寄り上がれなくなる。
危ない。
大人しく集団ゴールしよう。
ここで無理をして落車してしまっては明日以降に支障が出る。
最後は千切れないように集団内でもがいて集団ゴール。
ゴールスプリントでは士揮が2位になった。
中間スプリントのアシストもガッツリしていたのにさすがスプリンターである。
感想
最初の逃げに乗りたかったがピシュガマンのマークの厳しさと、前に飛び出した9人を捕まえるのでイッパイイッパイだったのでどうしようもなかった。
中間スプリントでは手厚くアシストしてもらったにもかかわらずトップを取れず申し訳なかった。
もう少しスプリント力を付けれれば勝負出来るようになるかもしれない。
ちなみに自分を抜いたオリカの選手は今回のツール・ド・コリアでゴールスプリントで3位にも入っている選手だった。
やはり本物のスプリンターとのもがき合いでは勝ち目がない。
ラスト30kmでの横風区間では、本当に遅れることを覚悟したが、根性で前に残ることが出来て良かった。
やはり油断は禁物だろう。
明日も逃げるチャンスはあると思う。
ピシュガマンのマークが有るかもしれないが、何とか出し抜いて逃げたい。
逃げないことには自分の成績は良くならないので、残り2日集中して全力で頑張りたい。
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