ツアー・オブ・チンハイレイク 2016 10日目
ツアー・オブ・チンハイレイク 10日目
クラス:HCクラス・ステージレース
開催国:中国
日程:7月27日
距離:240.30km
天候:晴れ
出場チームメイト:ニコラス・マリーニ、ダニエーレ・コッリ、リカルド・スタキオッティ、石橋学、山本元喜
チアンスイから北北東にあるピンリャンに向かうレース。
92.7kmと189.1km地点に3級山岳が設定されていた。
レース前のミーティング
スタキオッティが逃げに入れれば入るが、自分と石橋はローテーションに加わる為に待機。
中間スプリントは逃げが決まっていなければコッリが取りに行き、ラストのゴールスプリントはスタキオッティ、コッリ、マリーニで狙うという指示。。
レースレポート
パレード無しの号砲スタートでレースが始まりアタック合戦が続く。
逃げなくていいという話だったので集団後方で楽にしながら付いて行く。
しばらくしてからスタキオッティに呼ばれて前に上がる。
7人が逃げ始めておりほぼ決まっている。
まずい選手が逃げに入っているのかアタックしろと言われる。
リバッリが列車を組んで全力で曳いているのでアタックを掛けるタイミングが難しい。
一瞬ペースが緩んだのでアタック。
前が結構遠く届きそうにない。
ペースを維持して踏んでいると後ろから集団に追いつかれる。
そこから集団が再び活性化し、アタックの掛け合いが続きながら逃げを追いかける。
逃げも本気で決めたいらしく中々差が詰まっていかない。
しばらくアタックが続いた後、再びリバッリが前に集まって来て列車を組んで曳き始める。
リバッリが引いてくれるなら、といった感じで誰も前に出てこなくなる。
そこからリバッリが一生懸命曳き続け、あと少しというところまで差が詰まっていく。
力尽きたリバッリの選手が散っていきながら何故か「……NIPPOアタック……」と言ってくる。
なんで俺らやねん、と思いながらも様子を見てブリッヂをかける為にアタックをすると丁度リバッリの最後の生き残りがアタックを掛けるタイミングと被り後ろに入る。
逃げが全員捕まり振り出しに戻ったところで36.7kmの中間スプリントポイント。
コッリがもがいて行った。
そこから再びアタック合戦。
先ほどのようなことにならないように前方を維持してヤバそうな逃げにはチェックに入っていくが中々キツイ。
しばらく動いていたが終わる気配が無かったので、もう勝手にやっていてくれ、と思って下がって休む。
自分が休み始めたのが48km地点。
その後も延々とアタック合戦が続き、集団が分裂しては合流しを繰り返す。
一体誰が、どんなモチベーションで、何を目的にしてここまでやっているのだろうか?
キチガイのように繰り返されるアタック合戦を集団後方から静観し続ける。
最終的に集団が落ち着いたのが80km手前、時間にして1時間45分程。
レース全体の距離が長いからと言ってやり過ぎだと思う。
そこからしばらくの間ペースが落ちてユックリしながらレースが進む。
逃げが決まっていたことで92.7km地点の3級山岳を楽にクリアし、下りに入る。
下りの途中からサウスイーストと共にローテーションを開始。
最初はアンドローニ2人、サウスイースト2人、自分、石橋の6人で回っていたが、そこにルスとバクが1人ずつ加わり8人でローテーションすることになる。
だいたい500mずつ曳きながらのローテーション。
結構速いペースで踏んでいき最初6分あった差が15m程で2分近く縮まる。
再び登りが始まりペースを落としながら登っていく。
残りの距離を考えても3分差ぐらいで維持出来ているといいかな、と思っているとピシュガマン共が上がって来て一気にペースを上げる。
それまでペースをコントロールしていたメンバーはかなり足に来ていた為散り散りになって集団に吸収される。
集団に吸収されてからもペースに付いて行けずドンドン位置を下げていく。
ブチブチ千切れ始めている位置まで下がったところでトンネルが始まる。
緩やかに登るトンネルの中でもペースアップは行われているらしく、1列になって前を追っているが追いつかない。
トンネル内が暗く前方の集団の様子が見えず追いかけにくい。
しばらくしてトンネルを抜けて下りに入る。
前方の集団がトンネルから抜けたタイミング的にそこまで差は開いていないはず。
下りでコッリに「マリーニが……だから前を曳くな」と言われる。
……の部分が分からなかったが遅れたのだろうか?
確かペースアップした時に自分を抜いて行っていたから前にいるはず。
一応千切れていた場合を考えて後ろを確認しながら下り、集団に追いつく。
マリーニは無事に集団に残っていた。
恐らくマリーニが前に残っているから曳かなくていいと言われたのだろう。
登りでペースアップしてきた癖に下りが終わってからはペースをコントロールするチームが無く緩いペースで集団が進む。
登りでかなり疲れたので取りあえず集団後方で休み、138km地点で補給を受ける。
その後150km辺りからサウスイーストに「行くぞ」と言われ共にローテーション開始。
タイム差が再び6分にまで広がっていたことにかなり精神的なダメージを受けた。
サウスイースト2人、アンドローニ2人、自分、石橋、ルス1人の5人でローテーションを頑張る。
こういう状況を引き起こしたピシュガマンはローテーションに加わらず。
人数が少ない事と疲れているせいでペースはそこまで上がらないが差はタイム差はジワジワと詰まっていく。
途中で「俺たちは抜ける」と謎の宣言をしてサウスイーストの2人が抜けて5人のローテーションになる。
177km地点から山岳ポイントへ向けての登りが始まる。
距離は12km、一人500mを曳くローテーションと考えて5回曳けば終わる。
前回みたいにアタックしてくるなよ、と思いながらローテーションを回していく。
登りの前半でランプレが水を貰いに集団先頭を抜いて行ったのをアタックと勘違いしたピシュガマンがアタックしようとしてくる。
アンドローニが切れて「何してんだボケ!」と叫ぶ。
今の感じ的にアンドローニも相当フラストレーションが溜まっている。
叫ばれたピシュガマンは勘違いに気付いて下がって来る。
自分もイラ付いていたので、前を開けてピシュガマンを無理やりローテーションに加わらせる。
ピシュガマンは嫌そうに200mだけ曳いて下がって行った。
そこからは5人でローテーション。
山頂までの距離が徐々に減っていき、後ろから他のチームの選手が上がって来る。
かなり不穏な感じ。
山頂まで2kmを残してピシュガマンが再びペースアップ。
イラッとしたのでペースアップに付いて行く集団の7番手辺りに割り込んで、中切れを起こして千切れた。
かなりバテた状態で集団から遅れたグループに付いて行く。
今日はこの集団でグルペットか?と思っていると自分達の集団にサウスイーストが大量に残っており、スプリンターを集団に復帰させるために必死の追走。
集団に追いついてしまった。
NIPPOのスプリンター3人は集団の前方で付いて行っていたため、誰も遅れず集団に残っていた。
アップダウン区間に入り1列の集団前方を見ると、自分が中切れを起こしたせいか集団から7人ほどが先行していた。
その7人を追いかけていろいろなチームが全力で追っている。
あわよくばスプリンターを振り落とそうという考えだろう。
この状態であれば付いて行くのはキツイが、前を曳かなくていいので助かる。
しばらくしてアップダウンが終わったところでコッリ達のところまで上が。
石橋がチームカーから貰ってきたボトルを受け渡している横から「回るのか!?」と叫ぶように聞くと頷かれる。
良いペースで進んでいく集団の横を、時々集団に入れて貰って休みつつ前に上がって行く。
サウスイーストが4人も投入してローテーションを回しておりそこに加わる。
タイム差は2分程。
そこからヘアピンの下りを下り切り平坦区間へ。
残り30km。
まずは集団から飛び出していた7人ほどを飲み込み、そのまま勢いを殺さずに逃げを追い続ける。
タイム差が縮んで行くが、相当キツイ。
千切れてしまいたいと思いながら交代して先頭に出てきたサウスイーストの選手の顔を見ると死にかけの表情。
ここで抜けると前を追う選手が足りなくなり逃げ切られる可能性がある。
マジで千切れたいなかで頑張ってローテーションを回していると、自分、石橋、サウスイースト1人になる。
どこに行った、残り3人。
タイム差は1分を切り前方に見えるくらいに近づいている。
そこから2、3回ローテーションに加わって残り20kmを切ったところで限界になり離脱する。
自分が抜けた直後に表示されたタイム差が35秒、これであれば確実に吸収される。
離脱してからは集団にも付かず、そのまま遅れて1人で走った。
残り5kmを切ったところで後ろから来たグルペットと合流してゴールした。
集団スプリントではマリーニが3位でコッリが4位。
感想
1日を通して本当にキツかった。
1回目のローテーションの時点で相当キツかったのでそれ以降のローテーションは本当に地獄という感じだった。
登りごとにピシュガマンがアタックしてくるのは本当に鬱陶しかったので、誰も逃げ切れず、ステージの着にも絡めていないのはざまぁ見ろと言う感じだった。
今日はレース後に440kmのバス移動があるのでホテルに到着するのは10時ごろの予定。
マッサージを受けることも出来ないので確実に疲れは残り、明日のレースにボロボロで挑むことになるがとにかく気合で乗り越えたい。
キツさレベル
11
久々の限界突破。
まさにボロボロという感じなので気持ちだけは強く持ちたい。
amazonをお気に入り登録される際はこちらからどうぞ!山本元喜のYouTubeチャンネルはコチラ!
山本元喜の本はコチラ!