ツール・ド・コリア 5日目
ツール・ド・コリア
クラス:1 ステージレース 5日目
開催国:韓国
距離:175km
天候:雨
イェオスからガングジンへ向かう小さなアップダウンの連続する直線のコース。
47.3km地点に4級山岳が、170.5km地点に3級山岳が有り、112km地点にはスプリントポイントがあった。
レース前のミーティング
逃げに乗って最初の4級山岳を狙いに行けという指示。
スタート直後にはトンネルも連続し道も狭い所もあるので、逃げが早めに決まるかもしれないというアドバイスももらう。
レースレポート
今日のパレードは1.1km非常に短い。
スタート前に小雨が降っていたこともあり、全体的に並ぶのが遅かった。
少し早目に行き先頭に並ぶ。
パレードが終わりレース開始。
開始直後にトンネルがあり、アタックがかかる。
トンネル内は先頭付近の選手以外が前の状況を把握しにくいため、逃げが決まりやすい。
アタックに反応し自分も飛び出す。
4人ほど飛び出しローテーションする。
簡単には決まらず集団に追いつかれる。
スタート後はしばらく登りが続く。
登りのアタック合戦は一度後ろに下がると前に上がる為にはかなり足を使う。
それに集団がやめれば差は一気に開く。
前で反応し続け位置をキープし下がらないようにする。
昨日休めたおかげで、足はこの5日間で一番楽だ。
様子を伺い、周りがキツそうな時やペースが落ちかけた時に仕掛ける。
自分もかなりキツイがここで仕掛けなければ、登りのアタック合戦では逃げれない。
出し惜しみなしで仕掛ける。
ピシュガマンの選手が積極的にチェックに入ってくる。
逃げが決まらないまま登りきり下りに入る。
下りでもアタックしてみる。
しかし下りは集団の方が速く下れるため逃げれない。
下りは休んで登りに備えるのが良いだろう。
最初の一番長い登りで決まらなかった。
このアタック合戦は長引く。
やり方を変える。
とにかく様子を見て雰囲気を感じる。
しばらく見ていると、自分が大人しくなったことでピシュガマンの山岳リーダーとコーラルの山岳2位の選手がお互いに逃げのチェックに入っていることに気づく。
基本的に一緒に飛び出している。
この2人が吸収された後にカウンターで仕掛ける作戦に変更する。
自分以外にも仕掛ける選手がいるので、それをうまく利用し足を使い切らないようにも気を付ける。
何度か仕掛け、ある程度抜け出すことはあっても結局決まらない。
ピシュガマンもチェックに入って来るし、オリカが潰しに来ることもある。
その間にもアップダウンは過ぎていく。
数名が飛び出したのを集団が追う。
集団は縦に伸び、自分は4番手辺りにいる。
自分の前後にはオリカの選手が結構な人数いる。
そろそろコントロールするつもりだろうか?
追う集団の中でギアを少し軽くし集中する。
集団が飛び出した選手に追いつく。
その瞬間に左側に飛び出しアタック。
ギアも完璧。
一気に飛び出す。
今までで一番の狙いすましたアタック。
全力で踏み、減速する前に交代する。
飛び出している選手は3人。
アンカーの内間さんとソウルの選手。
後ろは離れている。
集団が止まれば決まる。
全力のローテーション。
人数は3人と少ないが、とにかく47km地点の4級山岳まで逃げれればいい。
現在30km地点。
ガンガン踏んでローテーションを回す。
後ろに下がる毎に集団を確認する。
数名が飛び出して追走しようとしているが、集団は広がり離れだしている。
この数名が諦めれば決まるパターン。
引き続き踏みまくってローテーションを回す。
山岳に足を残しておきたくはあるが、まずはこの逃げを決めないと始まらないので、抑えない。
後乗りでコーラルの選手が追いついてくる。
集団は離れているので単独で追いついたのだろう。
追いついたはいいが、かなり足を使ったのだろう、日本語で「すみません!」と言われ前に入る。
コーラルの選手がしばらく休んでからローテーションに入り4人で回す。
集団は広がっているがそこまで離れていない。
追走の為のアタックがかかっているのだろうか?
4人で飛び出し頑張っているとバイクが上がってきてタイム差26秒と教えてくれる。
これから開くのだろうか?
幹線道路から曲がり、センターラインに反射板が埋め込んである2車線の道路に入る。
チャンス。
内間さんも「ここで集団のペースが落ちるはず!」と言っている。
ここで一気に離すためにペースを緩めずローテーションを続ける。
4級山岳までは5kmを切っている。
バイクが上がって来る。
さあっ!タイム差は!?
26秒。
開いていない。
タイム差の計測の仕方は、まず、バイクが止まり、トップ通過後に集団までのタイムを計る。そしてバイクが前の集団まで戻ってきて、そのタイムをホワイトボードに書いて教えてくれる。
従って今現在のタイム差ではない。
おそらく今はもっと開いているハズだ。たぶん
しばらくして、もう一度バイクが上がって来る。
22秒、詰まっている。
嫌な予感はしていたが、後ろが追って来ている。
この道でタイム差が詰まっているという事は、アタック合戦ではなく、チームで先頭を引いて追っているのだろう。
引いている候補としては、山岳リーダーのピシュガマンか、2位のコーラル。
あるいは協力しているのかもしれない。
しかし山岳まではあと少し、もしかしたら逃げ切れるかもしれない。
内間さんが集団に戻り3人になる。
諦められない!
後ろを確認すると赤い悪魔が迫っている。
山岳ポイント開始の看板を過ぎる。
4級山岳なので勾配は緩い。
ラスト1kmの看板を過ぎる。
ピシュガマンの列車がすぐ後ろに迫っている。
勾配は緩いが仕方がない、全力でアタック。
ラスト500mの看板を待つまでもなく吸収。
ピシュガマン列車の横で粘ろうとするも粘れず。
ドンドン後ろに下がっていき、集団のかなり後方で山岳ポイント通過。
山岳ポイント通過直後に新しい逃げが出来て集団が一気に減速する。
チームカーまで集団内で待機していいか聞きに下がる。
待機で良いが、追加の逃げに注意するようにと指示される。
平坦区間をユックリのペースで進みその間に休む。
長めの登りに入る。
足が回復していない、キツイ。
集団内をユックリと下がりながら登り、最後尾まで下がったところで山頂通過。
下りで一気に前に上がりNIPPOの固まっているところまで戻る。
小さな登りの連続区間でそれを何度も繰り返し、とにかく足を回復させる。
今日のラスト3級山岳で生き残る為にも何としても足を回復させないといけない。
100km地点を超えるころにはかなり足が回復していた。
一瞬見えた逃げとのタイム差は3分半。
この感じだと今日も逃げきりは無く吸収されるだろう。
集団も少しずつだがペースが上がりだしたので、後ろに下がらず位置をキープする。
ラスト40kmを切る。
集団のペースが本格的に上がりだし1列になる。
ラストの山頂からゴールまでが5km。
山岳の登りが2km。
山岳前の位置取りを含めて、ラスト10kmが激しくなる。
ラスト20kmでガラナ投入。
ラストの下りに入る。
位置取りがかなりクレイジー。
センターラインに反射板の埋め込んである2車線の下りで、ぬれた路面を気にせずセンターラインを跨ぎまくって位置取りする。
ガラナを投入しているにも関わらず泣きそうになる。
NIPPOのメンバーと少し離れてしまったが下りきる。
平坦で合流する。
そこからもかなり過密な位置取り合戦。
離れては合流しを繰り返す。
最終的にマリーニに左端から一気に前に上げてもらい、山岳開始の看板を通過。
ここからは自分の仕事だ。
何があろうとも先頭に付いて行く。
登りが始まるがまだ余裕がある、問題ない。
ラスト1kmの看板を過ぎる。
ここからが本番だろう、ペースアップに構える。
アタックがかかり、山岳ポイント狙いの選手が飛び出す。
山頂までラスト500mの看板を過ぎる。
まだ余裕がある、この感じなら問題なく付いて行ける。
ラスト300mを過ぎる。
もがく余裕はある。
しかし、山岳ポイントを取りに行くつもりでなかった為位置が後ろ過ぎる。
それに4人飛び出しているので、さすがに捕えるのは無理。
集団で山頂を通過し下りに入る。
下りで士揮が前に入る。
余裕があるのでゴールスプリントのアシストをしたい。
左側から前に上がるが、士揮との間に韓国ナショナルがいて合流できない。
ラスト3kmを切る。
位置取りの激しさで少し離れる。
ラスト2kmを切る。
左右のどちらからか上がろうとするが、囲まれている。
士揮も自分の少し前で囲まれていて動けない状態。
前に出れずラスト1kmを切る。
右の直角コーナー。
集団内でドラパックの選手がスリップする。
そのせいで集団が縦に伸びる。
ここで遅れては意味が無いと思い全力で踏んで遅れずに集団内でゴール。
集団スプリントでは士揮が8位。
感想
最初の4級山岳では逃げきれず悔しかったが、自分のできる精一杯は尽くしたので悔いはない。
山岳ポイントは現在1位22点でコーラル、2位16点でピシュガマン、3位10点で自分、4位10点(同点の際は総合順位に従う)でKSPOの選手。
残る山岳は3級と4級が1回ずつ。
両方ともトップで通過しても最大10点なので逆転は無理。
しかし、2位は狙えるしKSPOにも差を付けたい。
チームオーダーにもよるが、俄然やる気である。
ここまで来ればやりきるしかない。
総合順位も4位から6位までが同タイムで現在6位なので少しでも上げたい。
今日のスプリント前の動きとしては囲まれてしまい動けず足が有ったのにかなりもったいなかったので、韓国ナショナルをどかしてでも合流でればよかったと思う。
あの時に声をかけていれば結果は変わったかもしれなかったので次チャンスがあれば今回の失敗を生かしていきたい。
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