ジロ・デ・アッペニーノ
ジロ・デ・アッペニーノ
クラス:1クラス ワンデーレース
開催国:イタリア
日程:4月17日
距離:196.6
天候:曇りのち雨
出場チームメイト:ニコラス・マリーニ、アレサンドロ・ビソルティ、アントニオ・ニーバリ、アントニオ・ビオラ、石橋学、山本元喜、ジャンフランコ・ジリオーリ
ノビ・リグーレを出発しキアバリにゴールする直線レース。
86.0kmと112.5kmと134.7kmと159.1kmと174.6kmと191.3km地点に山岳ポイントが設定されていた。
前半は平坦基調のコースだが中盤から後半にかけては山岳ポイントが連続するハードな山岳レースだった。
レース前のミーティング
自分、ビオラ、マリーニでアタックに反応し逃げに乗れるように動き、ジリオーリ、ニーバリ、ビソルティは後半で勝負するように備え、石橋は全体的なアシストといった感じ。
逃げたい選手が多いはずなので気を付けるようにとのこと。
レースレポート
パレードスタート後少し止まってからレース開始。
最初に複数名が飛び出し、そこにマリーニが入っていたので少し様子見。
結構な人数が飛び出していたが集団が追いかけて吸収する。
そこからアタック合戦が始まる。
何度もアタックがかかっては吸収という展開を繰り返す。
今日は風が強い為風向きによって集団のペースや楽に走れる位置が、コーナーを曲がる毎に変わる。
なかなか逃げが決まらないままレースが進んでいく。
自分も何度もアタックに反応して付いて行くが決まらない。
飛び出せて集団が少し離れることはあっても最終的には追いつかれる。
何度も繰り返しているうちに疲労が溜まっていく。
集団の先頭付近を維持して連続で何度も動けていたのが単発でしか動けなくなっていき、そのうちに1回反応するごとに集団に飲み込まれるようになっていく。
それでも諦めずに集団の前に上がり直し「今度こそ決まれ!」と思いながら動く。
しかし決めることが出来ず。
集団内に飲み込まれて距離を確認すると50km地点辺り。
さすがにこれ以上は限界、20回以上アタックに反応した気がする。
明らかにやり過ぎている。
頭に血が上り過ぎていた。
そこからは逃げに乗ることは諦めて集団内で様子を見ることに。
その後もアタック合戦というより勢いの死んだ飛び出し合いが続き、逃げが決まらずレースが進む。
しばらくして数名が飛び出し、そこに集団から少しずつ選手が飛び出しては加わっていった事により集団が大きく2つに分かれた。
NIPPOは石橋以外が後ろの集団に残ってしまっていた。
マズイ展開なので前を追いかける為に集団の先頭に上がる。
どこでこけたのか、左のお尻に擦り傷を作っていたニーバリが先頭を引いており、それと交代してニーバリに「行け!行け!」と言われながら自分が先頭で踏んで前を追いかける。
しばらく踏んでいると「終わりだ!」とニーバリに言われ、後ろを見るとアモーレの選手が自分を抜いて集団の先頭を引き出したので集団内に戻る。
その後集団は一つにまとまり再び飛び出し合いが続き、最終的に70km手前で数名が逃げを決めたようで集団のペースが落ち着く。
一旦チームカーのところまで下がる。
監督のマリオに「20回ぐらいアタックに行ったせいで疲れている」と伝える。
「オッケー分かった。捕食をしっかりとって回復させろ」と言われてジェルを受け取り集団に戻る。
ジリオーリを見つけて側に行き「アタックに行き過ぎてかなり疲れている。ジリオーリの後ろに付いて走っていればいいか?」と聞く。
「アタックに行っていたのは見ていた。後ろに付いて一緒に走っていれば問題ない」という事でジリオーリに付いて行く事にする。
その後バルディアーニのコントロールでレースが進み登りに入って行く。
雨も降りだし視界もかなり悪い。
山岳ポイントに向けてジリオーリと一緒に集団の前方に上がって行くが前に上がりたい選手が多いせいでかなり密度が高い。
選手同士の接触や視界が悪い中で道が急に狭くなることにより急ブレーキや落車が発生する。
それをかわしつつ集団の前方を維持し続ける。
ペースも徐々に上がり始めジワジワと疲労が出てくる。
登りの勾配が急になったところで一気にペースが上がりジリオーリから遅れ、集団内での位置を下げてしまう。
集団も若干バラけており自分の側にも遅れかけている選手が結構いる。
このメンバーの近くで下りには入れれば下りで集団に追いつける可能性が残っていると思い。
そこで全力で耐えて下りに入ることに成功する。
しかし雨が降っている上に霧まで発生しており最悪の状況の下り。
前の選手が見えるギリギリの距離で下る。
前と距離を詰め過ぎると前が落車した時に突っ込んでしまうし、逆に離し過ぎるとコーナーの深さが読めず下るのが遅くなってしまう。
ギリギリの距離で頑張って下っていると後ろから来た選手に追い抜かれる。
かなりいいスピードで下って行くな…と思っているとその選手がスリップして落車。
上手くかわしてそのまま下っていく。
やはり飛ばし過ぎるとかなり危険な下りだ。
その後、霧が薄くなり下りやすくなる。
しかし下りやすくなったせいで逆に前で落車している選手が増える。
コーナー毎に落車が起きていると言えるレベル。
コンチネンタルチームからワールドツアーチームのランプレまでありとあらゆるチームの選手が滑ってこけている。
それでも前に追いつく為にギリギリを攻めてコーナーに入っていく。
そのおかげでメインの集団かは分からないが前方に集団の最後尾が見える位置まで追いつくことに成功する。
このままいけば集団に復帰できる。
しかし、集団の最後尾まであと少しというところで、とうとう自分もスリップする。
右コーナーで後輪が滑る。
後輪のブレーキを緩めバランスを取り直しグリップし直す。
そのままではスピードが速すぎて曲がり切れないので再びブレーキを締め後輪がスリップする。
それを2回ほど繰り返す。
暴れるバイクを押さえつけて何とかコーナーを曲がろうとする。
コーナーの左サイドギリギリまで膨れていく。
道路の左端にはかなり深い溝がある。
ここに落ちればかなり大怪我をする可能性がある。
「後1回スリップすれば溝に落ちる」
その状況で何とかタイヤが持ちこたえ溝に落ちることなく曲がりきることが出来た。
今のコーナーで集団の最後尾とは結構離れてしまった。
しかし、周りにはまだ遅れた選手が居た為その選手と一緒に下って前を追いかける。
その選手たちが下りでスリップすることを警戒し過ぎていてかなりユックリ下るので前に追いつけない。
かと言って自分が単独で飛ばして前に追いつく技術は無いので一緒に下るしかない。
少し下ると右コーナーの左端でジリオーリが落車してうずくまっているのを発見。
レースに復帰できるか分からない状況だったので待たずにそのまま下る。
その後下りがほぼ終わるというところの右コーナーでNIPPOの誰かが沿道に立っているのを発見。
誰か分からなかったのと自分が待つより単独で復帰する方が良いと判断してパスする。
下り切り平坦区間に入る。
いつの間にか3人に減っており、3人で全力でローテーションして前を追いかける。
しばらくして下りの落車で足止めを食らっていたチームカーの車列が追いついて来て自分達を抜かしていく。
自分と一緒に走っていた2人の選手が各自のチームカーを利用して一気に加速していく。
NIPPOのチームカーは中々やってこない。
他のチームカーを利用しようとするが一気に抜いて行かれるために利用できない。
前に大きな集団が見えはするが追いつけないという状況でしばらく粘る。
しかしその集団もトップ集団では無かったようで前に追いつく為に加速していきしだいに離れていく。
追いつこうと全力で踏んでいたせいで足が完全に終了し完全に遅れてしまいレース終了。
105km地点。
そこからは遅れたメンバー10人くらいでゴールを目指して70km走った。
感想
前半のアタック合戦ではかなり調子よく走れていたと思う。
その分アタックに行き過ぎたのは確実だった。
逃げれないと判断すればその日は諦めて後半に備える必要もある。
アタックに反応し過ぎていなければ1回目の登りで千切れる事は無かったと思う。
1回目の山岳を越えた後の平坦区間でもあと1歩で集団に復帰できるというところで千切れてしまったのでかなり悔しかった。
足の調子的にはかなりいい感じに仕上がってきていることを実感出来ているので自信を持つことは出来ているが、ここぞという時の判断やあと一歩というところで失敗することが連続しているのでそういう部分の能力を身に付けたい。
何もできずにただ千切れていた時よりは成長出来ている事を感じれているのであともう1段階成長してさらに上のレベルで頑張れるようにしたい。
下りの部分に関しては様々な改善点を洗い出して徹底的に改善したおかげでかなり上手く下れるようになったと感じた。
前の選手がスリップしないのならば自分もスリップしないはずなので心を無にして突っ込んでいけるように頑張りたい。
キツさレベル
7
最初のアタック合戦のダメージがジワジワ効いていたせいで1回目の登りのペースアップで千切れてしまいそこまで長時間苦しみ続けたという事が無かったのでダメージは意外と少なかった。
あと一歩というところで追い付けなかったので精神亭には中々来るものがあったが気持ちを切り替えて次のレースに挑みたい。
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